第23回 日本代表のワールドカップ展望(1)
グループHに影響を与える巨人・ブラジル

■グループHのペアはグループC

 前回ならびに前々回の本連載では、フランス代表のワールドカップでの戦いの展望について紹介させていただいた。今回と次回は同じ論理展開で日本の読者の皆様にとって最も興味深い日本代表の戦いの展望について書かせていただきたい。
 前回、前々回の連載をお読みになって、今回の大会方式はグループリーグの段階から従来以上に決勝トーナメント1回戦を意識した戦いになることをご理解いただけたかと思う。当然、決勝トーナメント進出を目標とするのではなく、ベスト8進出を目標とするならば、グループリーグの戦い方、特に最終戦の戦い方が変わってくる。日本の所属しているのはグループH、シード国日本のほかに欧州勢のベルギー、ロシア、アフリカからチュニジアが所属している。そしてベスト8進出をかけたペアはグループCであり、シード国ブラジル、アジアから中国、欧州からトルコ、北中米からコスタリカとなる。グループCは韓国で行われ、グループHよりも1日早く最終戦を迎える。

■グループCの巨人・ブラジル

 賢明な読者の方であれば「グループHの最終戦は駆け引きの対象となりうる」ということに気づかれるであろう。南米予選で苦戦したとはいえ、グループCでブラジルはずば抜けた力を持っている。決勝トーナメント1回戦でブラジルとの対戦を回避したいと願わない国はないであろう。一方、関係各国の皆さんには申し訳ないが、ブラジルにとって、グループHに恐れるに足る国はない。したがって、ブラジルにとって決勝トーナメント1回戦だけを考えた場合、グループCで1位になろうと2位になろうとあまり関係ない。

■ブラジルが準々決勝で対戦するグループAとグループFの強敵

 ところが、準々決勝まで考えると状況は異なる。ブラジルが準々決勝で対戦するのはグループAとグループFから勝ち残ったチーム、すなわち前回ならびに前々回に紹介したグループである。グループAはフランス、デンマーク、ウルグアイ、セネガル、グループFはアルゼンチン、イングランド、スウェーデン、ナイジェリアが所属している。特に前回決勝で敗れて以来相性の悪いフランス、南米予選を圧倒的な力で乗り切り、昨年9月の敗戦の記憶が新しいアルゼンチン、南米予選でブラジルが唯一勝つことができなかった国ウルグアイ、サッカーの故郷の威信をかけ、最近の国際大会では感動的な試合を続けるイングランド、ブラジルサッカーの故郷である西アフリカのナイジェリア、いずれも強敵であるが、このレベルになると準々決勝の対戦相手を選びたくなるわけである。
 さすがの王国が相手を選ぶわけがない、という意見もあろうが、各グループリーグの最終戦の日程に注目してみよう。グループAは6月11日、グループFは12日、グループCは13日。ブラジルが水原でのコスタリカ戦を迎える段階で準々決勝の相手は決まっているのである。さすがのブラジルと言ってもすでに決まっている準々決勝の相手が気にならないはずはない。しかも2位になればグループリーグ最終戦と決勝トーナメント1回戦の間の休養が1日長くなる。(決勝トーナメント1回戦と準々決勝との間隔は1位になろうと2位になろうと同じ中3日である)つまり、ブラジルが故意にグループリーグ2位を選ぶ可能性は高いのである。(続く)

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