第24回 日本代表のワールドカップ展望(2)
1-0の勝利を狙う欧州勢

■ブラジルとの対戦を回避したいグループH勢

 前回はブラジルがグループリーグでどのような戦いをするかに焦点を当てたが、それを受けて今回はグループHではどのような試合となるかを解説したい。駆け引きの産物としてグループCの1位と2位が決まった翌日の14日にグループHの最終戦が行われるのである。当然、グループHの各チームがしてはならないことは「グループリーグで敗退すること」であるが、「決勝トーナメント1回戦でブラジルと対戦する」こともそれにほぼ等しい。前回紹介したようにブラジルが1位になる可能性もあれば2位になる可能性もある。ブラジルの順位を確かめてグループリーグ最終戦を迎えるための条件はそれまでの2戦で勝ち点6をあげて決勝トーナメント進出を決定しておくことが望ましい。

■最終戦前に勝ち点6を獲得しやすい欧州勢

 つまり、一番難しい相手と対戦するのはグループリーグ最終戦が望ましいわけである。グループHの欧州勢のロシアとベルギーは「最も対戦したくない相手」にお互いの国を挙げるであろう。つまり、それまでの日本とチュニジアとの対戦で内容や得失点差はともかく勝ち点6を挙げることを大きな目標とするはずである。すなわち、1-0で勝ちに来るわけである。したがって、ロシア、ベルギーにとっては第1戦と第2戦で比較的勝ちの期待できる相手と対戦する、という対戦順は好都合であろう。

■日本が不慣れなシチュエーション

 純粋なリーグ戦であれば、日本が勝つ可能性は少なくないが、こういうシチュエーションに日本は残念ながら慣れていない。前回大会でも、相手が1-0で勝ちを狙いにきたトゥールーズ、ナントで日本はその通りの結果を残してしまった。アルゼンチンとの対戦で0-1と敗れてもスコアの上で接戦だったからクロアチア戦に期待したのは大いなる誤解であった。
 クロアチア、アルゼンチンに大敗したジャマイカに日本が敗れ3連敗となったその直後、グループHのペアとなるグループGの最終戦が行われ、すでに決勝トーナメント進出を決めているルーマニアは控えメンバーでチュニジア戦に臨んだ。チュニジアに先制点を許し、負けると決勝トーナメントでグループHの1位のアルゼンチンと対戦する、という状況になった時、ルーマニアは主力メンバーを投入し、同点に追いついた、ということを知ることなく寝床についてしまった日本人が多いのではないだろうか。(結果的には決勝トーナメント1回戦でグループGの1位のルーマニアはクロアチアに敗れ、2位のイングランドもアルゼンチンに激闘の末敗れてしまった。)
 過去のワールドカップでシード国がグループリーグで敗退したのは前回大会のスペインだけである。シード国である日本がグループリーグで敗退する可能性が高くなるような組み合わせになってしまったのは皮肉なことである。

■退屈な試合内容が与える影響

 さらに懸念されるのはグループHの試合内容である。フランス大会では地元のフランスにおける決勝戦の視聴率よりも日本における日本-ジャマイカ戦の視聴率の方が高かった。今回も多くの日本人がベルギー戦、ロシア戦を見るであろう。しかしながらそこで繰り広げられるのは1-0で勝利を狙ういささか退屈な試合である。こういう試合はそれほどサッカーを見たことがない人にとっては面白い試合ではないであろう。主催国・日本においてサッカーが潜在的なファンを失うことが懸念される。
 昨今、代表チームの試合はつまらなくなってきた、と言われる。それは試合そのものがつまらなくなってきたのではない。代表チームが集まって行われる大会の方式が試合を面白くなくしているだけである。あらゆる試合で全力を尽くすことのすばらしさを認識する時期がきているのではないだろうか。(この項、終わり)

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