第58回 2001-02フランス・サッカー・フィナーレ(3)
リヨン、決戦を制し初優勝

■ベテランやクラブ育ちのメンバーを起用したリヨン

 最終節が「決勝」となった今季のフランスリーグ。勝ち点1差で首位ランスを追うリヨンはジェルラン競技場に首位ランスを迎える。今季ホームでは13勝3分と抜群の成績を誇るリヨン、勝てば優勝というファンの期待も高まる。一方、首位ランスはここまで28節首位をキープしてきた。最後の最後で首位を譲ることは考えられない。
 ジェルラン競技場のこの異様な雰囲気はおそらく、4年前に開催されたワールドカップ・フランス大会の日本-ジャマイカ戦以来のことであろう。ホームチームのリヨンは白、ビジターのランスは黄色と赤のユニフォームをまとい、ピッチに姿を現す。
 注目すべきはリヨンの先発メンバーである。ゲームメーカーはリーグ終了直後から始まるフランス代表のティーニュ合宿のメンバーに入ることができなかったエリック・カリエールではなく元フランス代表のピエール・レーグル。レーグルはかつてランスに所属し、11年前には1部リーグのデビューをランスの黄色と赤のユニフォームで飾っている。その他にはブラジル代表のエジミウソン、ベルギー代表のエリック・デフランドルなどをメンバーからはずし、その代わりにジェレミー・ブレッシュ、シドニー・ゴブー、ダビッド・リナレスというクラブ育ちの3人がスターティングメンバーに名を連ねた。ビッグクラブとして国内外から大物選手を集めているリヨンであるが、この大一番にジャック・サンティーニ監督はベテランやクラブ育ちの選手を起
用したのである。そして立錐の余地もない4万2000人の観衆の中で試合は5月4日午後8時にキックオフされた。

■選手起用が見事に的中

 この選手起用が見事的中する。早くも8分にはゴブーが先制点をあげる。今季先発出場は24試合にとどまっているが、第31節のオセール戦で決勝点を奪い、首位決戦へのサバイバルレースでの優位性をもたらしたゴブーが再び期待に応える。また、今季先発出場がわずか16試合目というレーグルも抜群のゲームメークを見せる。15分にはキャプテンマークをつけたソニー・アンデルソンからのパスを左サイドで受けたレーグルがセンタリングをあげ、フィリップ・ビオローがボレーで鮮やかに決めて2-0とリードを広げる。
 一方のランスもこのまま引き下がるわけにはいかない。26分にはポーランド代表で1995-96シーズンから昨シーズンまで7季リヨンに所属していたジャセック・バクが古巣相手に反撃のゴールを入れて1点差に詰め寄る。フランス代表の第3GKの有力候補であるリヨンのグレゴリー・クーペにとっては痛恨の失点である。引き分けならば優勝するランスは希望をつないだバクの得点をきっかけに攻勢に出るが、前半はその後両チーム無得点のまま終了する。

■レーグルの貴重な追加点、そして初優勝

 後半に入っても一進一退の状況が続くが、52分にリヨンのレーグルが優勝を大きく引き寄せる3点目を決める。レーグルはこれが今季2点目。しかも1点目はシーズン開幕直後の昨年8月4日に行われた第2節のスダン戦。開幕戦と最終戦が同じ相手となるフランスリーグの開幕戦でリヨンはランスに0-2と敗れるが、次のスダン戦でシーズン初ゴールをアンデルソンがマークし、追加点をレーグルが決めた。そしてシーズン最終戦でもだめ押しとなる得点をレーグルが決めたのである。このレーグルのゴールでランスは完全に意気消沈してしまう。さすがのランスも2点差がついたところでモチベーションが落ちる。一方のリヨンは、65分には代表候補から外れたカリエールが満員の観衆の拍手を受けて交代出場、ナントに所属していた昨季に続き、リーグ優勝の原動力となる。81分にはかつてランスに所属していたクリストフ・デルモットもピッチに立つ。
 そしてスコアはこのまま動かず、今回のワールドカップの審判員に選ばれ、フランスのナンバーワン審判という評価を得ているジル・ベイシエール氏が試合終了のホイッスルを吹く。フランスの主要都市でリーグ優勝の経験がなかったリヨンにもようやく歓喜の時が訪れたのである。(続く)

このページの先頭へ戻る

月間バックナンバー

  • RSS Feed
  • Supported by Everplus