第282回 フランスカップ本格化(3)
マルセイユ、苦手のパリサンジェルマンと対戦

■華々しくテレビ中継されたベスト16決定戦の組み合わせ抽選会

 ベスト32決定戦から参戦した1部リーグのクラブが共和国大統領からフランスカップを授与されるためには6回勝たなくてはならない。5月29日の決勝戦まで1月にほぼ1回のペースで試合が行われるが、唯一2試合行われるのが1月であり、最初の週末にベスト32決定戦が行われ、最後の週末にベスト16決定戦が行われる。前回まで紹介したベスト32決定戦のさまざまなドラマを胸にオフィスやキャンパスに戻った火曜日の昼間にベスト16決定戦の組み合わせ抽選会が行われた。抽選会の模様はテレビ中継され、オフィスやキャンパスでランチタイムには多くの人々がブラウン管の前に集まった。過去3回フランスカップを獲得したことのあるダニエル・ブラボーと今年度のミスフランスに選出されレティシア・ブレジェが抽選を行った。ベージュのスーツのブラボー、ブラボーとは対照的に真紅のドレスのミスフランス、2人が次々に青いボールを取り出し、組み合わせが決定していく。

■最大の驚き、マルセイユ-パリサンジェルマン戦

 16試合の中で最大の驚きはマルセイユとパリサンジェルマンのカードであろう。フランスの人気チームの双璧である両チームはこれで3年連続の対戦となる。一昨年はベスト8決定戦、昨年はベスト16決定戦で対戦、いずれもパリでの戦いであった。今年はマルセイユでの戦いとなる。また両チームは今までのフランスカップの歴史の中で7回対戦しているが、不思議なことに決勝で対戦したことはない。

■フランスカップではパリサンジェルマンに相性が悪いマルセイユ

 さて、最初の対戦は1975年のことである。設立間もないパリサンジェルマンは急速に力を蓄え、フランスカップ準々決勝に進出、マルセイユでの第1戦はドロー、ホームでの第2戦に勝って準決勝に進出する。そして1982年はベスト8決定戦で対戦し、このときはホーム、アウエーともパリサンジェルマンが勝っている。ようやくマルセイユが「サッカーの都」の意地を見せたのは、フランスカップがホームアンドアウエーの2回戦方式から1回戦方式に代わって2シーズン目の1991年のことである。マルセイユはリーグでも3連覇目前であり、充実した陣容はアウエーゲームも過去の成績も苦にしなかった。1991年4月にパリのパルクデプランスで行われたベスト8決定戦でマルセイユは2-0とライバルを倒す。マルセイユはその後も勝ち進み、決勝に進出するが、後に日本で大活躍したジェラルド・パッシに試合終了間際に決勝点を奪われ、準優勝に終わっている。しかし5連覇のちょうど真中の年に当たるこの年の勝利がフランスカップでのマルセイユの唯一の勝利となってしまった。
 マルセイユが八百長疑惑で2部に降格していた1995年には準決勝で対戦するが、ブラボーが所属していたパリサンジェルマンが地元で2-0と勝利し、パリサンジェルマンは決勝でもストラスブールに勝って見事優勝。そしてカップウィナーとして出場した翌シーズンのカップウィナーズカップでは優勝を飾り、タイトルを剥奪された1993年のマルセイユを除くと欧州三大カップでフランス勢唯一の優勝を飾っている。そして2002年2月10日にはパリで戦い、マルセイユは先制しながら試合終了3分前にガブリエル・ハインツに同点ゴールを決められ、PK戦で6-7と惜敗している。そして2003年1月25日には逆にマルセイユが終盤に追いつき、延長に入ったが、延長前半にパリサンジェルマンのファブリス・フィオレーズが決勝点ゴールを決めている。

■サッカーの都の意地を見せるか、劣勢のマルセイユ

 このようにフランスカップではパリサンジェルマンと過去6回顔を合わせ、1回しか勝ち抜いたことがなく、通算成績も1勝1分6敗(敗戦には1PK敗を含む)、しかも本拠地では勝ったことがないマルセイユは、今年も苦しい。リーグの成績はパリサンジェルマンが2位、マルセイユは6位であり、11月30日にマルセイユで行われたリーグ戦でもパリサンジェルマンが勝っている。本連載第278回で紹介したとおりマルセイユは10月以降、調子を著しく落としている。しかしながら、フランスカップが1回戦制になってから初めてマルセイユで行われるパリサンジェルマン戦。サッカーの都でパリジャンに勝利を献上することは許されない。下馬評の悪いマルセイユはライバルとの対戦を前に大きな手を打ったのである。(続く)

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