第414回 第三のタイトル、リーグカップ(2)
ベスト16決定戦の2つのビッグカード

■リーグ戦が3分の1終わった段階で1部勢が参戦

 リーグカップは10月第1週に予備戦12試合が行われ、2部勢12チームが勝ちあがった。11月の第2週には1部勢も参加してベスト16決定戦が行われた。この段階でリーグ戦は13節が終了し、ほぼ3分の1の日程を消化したところであるが、リヨンとリールが抜け出した格好となっている。まだリーグ戦をあきらめることのできる段階ではないが、リーグ下位のチームにとっては欧州へのショートカットとして5連勝して栄冠と欧州へのチケットを獲得したいところである。

■実力、人気とも1位チームと2位チームが対戦

 16試合の内訳は1部勢同士6試合、1部勢対2部勢が8試合、2部勢同士2試合となったが、リーグ首位のリヨンと2位のリールの対戦、そして人気チームのマルセイユとパリサンジェルマンの対戦が大きな話題となった。
 ベスト16決定戦でリーグ1位のチームがリーグ2位のチームと対戦する確率はわずかに31分の1、そしてリーグで人気ナンバーワンのチームがナンバーツーのチームと対戦する確率も同様に31分の1である。11月10日に行われたこの2試合はその組み合わせにふさわしいスリリングな展開となった。

■実力1位のリヨン、ロスタイムに追いつくも延長後半に逆転負け

 まず、19時にリールの今シーズンの本拠地であるビルヌーブ・ダスクに首位リヨンを迎えたリール-リヨン戦は56分にリールのマット・ムシルーがゴールネットを揺らす。試合はこのままホームチームのリールが首位リヨンを下すかに見えたが、さすがはリヨンである。ロスタイムの表示が示された90分、昨年夏のボスニア・ヘルツェゴビナ戦にも出場したエリック・アビダルが同点ゴールを決め、スタジアムは沈黙、試合は延長戦へ突入する。延長前半の103分、リヨンはユースチームから今季昇格してきた弱冠17歳のハテム・ベン・アルファがPKを落ち着いて決めて逆転ゴールを奪い、層の厚さを見せ付ける。大会規定では延長戦は前後半15分ずつ行われるため、延長前半が終了して、エンドを交代して延長後半がキックオフされる。この延長後半が運命の15分となった。113分に今度はリールのジョフレイ・デルニスが同点ゴール、そしてPK戦突入かと思われた119分にはステファン・デュモンが再逆転の決勝ゴール。国内リーグでは近年無敵を誇るリールはリーグカップ初戦で姿を消したのである。

■人気1位のマルセイユ、2点のリードを守れず、逆転負け

 そして、もう1つのビッグカードのマルセイユ-パリサンジェルマン戦はマルセイユの本拠地ベロドロームに満員の観衆を集めてキックオフされた。キックオフの時間も21時と16試合の最後に設定される。もちろんテレビ中継で視聴率が最も期待できる時間帯マルセイユは近年のカップ戦ではパリサンジェルマンに対して相性が悪いが、この段階でのリーグ成績はマルセイユが6位、パリサンジェルマンは10位。この戦いについては本連載第401回で紹介したとおりであるが、4日前にパリでのリーグ戦で敗れたマルセイユは本拠地での雪辱を期す。マルセイユはブルーノ・ペドレッティ、アビブ・バモゴのゴールで2-0とリードを保ってハーフタイムを迎えようとする。しかしながら前半ロスタイムにパリサンジェルマンはブランコ・ボスコビッチのゴールで1点返す。後半に入って55分にもボスコビッチがゴールをあげて試合は振り出しに戻る。このまま両チーム無得点が続き、リールでの戦い同様に延長戦に突入かと思われたが、リールの戦いとは同様に後半のロスタイムにスタジアムを沈黙させるゴールが生まれる。マルセイユを沈黙させたのはパリサンジェルマンのベルナール・メンディ。メンディもリヨンのアビダル同様、フランス代表に昨年デビューされたばかりの若手選手であり、代表でのメンバー定着へデモンストレーションする形となった。リールの試合とは逆に、このゴールがこの試合最後のゴールとなり、地元チームが敗退してしまう。
 リーグで最も強いチームと、リーグで最も人気のあるチームがリーグカップ初戦で姿を消してしまった。しかし、勝ちあがったのはリーグで2番目に強いチームと、リーグで2番目に人気のあるチームである。このような組み合わせのいたずらはカップ戦独特の楽しみであろう。(続く)

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