第2038回 アイスランドに勝利、準決勝に進出(2)
イングランドを破ったアイスランド

 平成28年熊本地震で被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。お亡くなりになった方々に、謹んで哀悼の意を表します。 この地震が1日でも早く収まることと、被災地の皆様の安全とご健康をお祈り申し上げます。

■予選は10戦全勝、50年ぶりの栄冠を目指すイングランド

 予選リーグ最終戦のアディショナルタイムのゴールによってグループ2位となったアイルランドは決勝トーナメントの初戦の相手はイングランドとなった。サッカーの母国とは言っても国際大会の優勝は1966年のワールドカップが最初で最後である。この時は自国開催であったが、欧州選手権も自国開催した1996年大会での準決勝進出が最高の成績である。それ以降は予選落ちこそないものの、ドイツ、フランス、スペインという欧州の強豪国が栄冠をつかむのとは対照的にベスト8どまりである。そのイングランドであるが若手選手が台頭し、今大会の予選は10戦全勝のグランドスラム、前回の欧州選手権の直前に就任したロイ・ホジソン監督も3回目の国際大会で50年ぶりの栄冠を狙っている。

■本大会では調子の出ないイングランド

 ところが本大会では初戦でロシアと引き分け、第2戦でウェールズを振り切って勝利したものの、第3戦でスロバキアとスコアレスドロー、ロシアに勝利したウェールズに抜かれて2位にとどまってしまった。
 イングランドとアイスランドはこれまでに2回しか対戦したことがない。1982年のワールドカップ直前の戦いは1-1のドローであったが、2004年の欧州選手権直前での対戦は6-1と大勝している。フランス入りしてから調子の出ないイングランドにとってこのアイスランド戦で弾みをつけて準々決勝では昨年秋に完勝しているフランスを下し、上位進出への一歩としたいところである。

■ナントのコルベイン・シグトルソンが逆転ゴール、歴史的勝利

 南仏ニースで行われたこの試合、このイングランドの目論見通り、開始早々の4分にラヒーム・ステアリングが攻め上がったところをアイスランドのGKのハネス・ハルドルソンがファウル、イングランドにPKが与えられる。イングランドはダビッド・ベッカムに並ぶ代表115試合目の出場となったウェイン・ルーニーがやすやすと決めて先制、流れはイングランドか、と思われた。ところがその2分後、アイスランドはストッパーのラグナル・シグルドソンがアイスランドの十八番のロングスローからシュート、同点に追いつく。そしてアイスランドは18分にコルベイン・シグトルソンが逆転のゴールを決める。シグトルソンはナントに所属、昨年11月4日にはリーグ戦でニースと対戦、このアリアンツ・リビエラでプレーし、後半に決勝点を決め、その再現となった。
 その後、イングランドは一方的に攻め続けるが、拙攻が続き、同点に追いつくことができない。人口33万人の小国アイスランドはイングランド相手に大金星をあげ、フランスと準々決勝で対戦することとなったのである。

■人口33万人の小国、ハンドボールは強豪

 人口33万人、プロのサッカー選手は100人という小国である。今回の23人のメンバーも全員が国外のクラブに所属している。一番多いのはスウェーデンであり7人が所属している。この中にはエーテボリ、AIK、マルメなどの強豪クラブに所属している選手もいる。続いてノルウェーとイングランドの3人、プレミアリーグにはスウォンジーにギルフィ・シグルズソンが所属している。そしてドイツ、イタリア、デンマークに2人ずつ、フランス、スイス、ベルギー、ロシアに1人ずつとなっている。フランスにはナントにシグトルソンが所属していることは上述のとおりである。
 アイスランドとはフランスはこれまで11回対戦していることもあり、本連載でも取り上げたことがあるが、このアイスランドとの名勝負はサッカーではなく、ハンドボールである。アイスランドはハンドボールの強豪国であり、2008年の北京オリンピックではフランスと決勝で対戦、フランスは28-23と勝利し、オリンピックで初めての金メダルを獲得したのである。また現在はハンドボールの強豪であるフランスであるが、初めての栄冠は1995年の世界選手権である。14回目の世界選手権を開催したのがこのアイスランドであった。アイスランドへ決勝トーナメント1回戦で敗れたが、この大会で優勝したのがフランスだったのである。それから21年、アイスランドのイレブンがフランスで旋風を起こしているのである。(続く)

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