第2039回 アイスランドに勝利、準決勝に進出(3)
アイスランド相手にゴールラッシュ

 平成28年熊本地震で被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。お亡くなりになった方々に、謹んで哀悼の意を表します。 この地震が1日でも早く収まることと、被災地の皆様の安全とご健康をお祈り申し上げます。

■2000年欧州選手権予選でスタッド・ド・フランスでアイスランドを破る

 前回の本連載ではフランスとアイスランドの名勝負として2008年の北京オリンピックにおける男子ハンドボール決勝を紹介したが、サッカーの世界ではこれまでフランスが8勝3分と大きく勝ち越しているものの、忘れられない試合はある。それが2000年欧州選手権予選である。1998年ワールドカップで優勝したフランスは2000年の欧州選手権でも優勝し、順調に連覇を果たしたと思われる方も多いと思うが、最大のピンチは2000年欧州選手権の予選であった。ウクライナ、ロシア相手に苦戦したフランスは予選最終戦を迎える段階でウクライナ、ロシアに次ぎ3位であった。フランスは最終戦でアイスランドと対戦、前半に2点先行しながら、後半に入って追いつかれる。そして途中出場のダビッド・トレゼゲが決勝点を71分に決める。ウクライナ-ロシア戦は1-1のドローに終わり、フランスは勝ち点でウクライナとロシアを抜いて首位となり、欧州選手権本大会への出場権をつかんだのである。

■出場停止のアディル・ラミに代わりサミュエル・ウムティティが代表デビュー

 アイスランドの最終戦で勝利して出場権をつかんだ本大会で優勝してから16年、舞台は同じスタッド・ド・フランスである。フランスにとっては今大会で対戦してきたチームのうち、最もランキング的には低いが、最も調子に乗っているチームとの対戦となった。
 そのフランスにとって気になるのはエンゴロ・カンテとアディル・ラミの出場停止である。いずれもアイルランド戦で2枚目のイエローカードを受けて、アイスランド戦は出場停止となる。大会前にラファエル・バラン、ジェレミー・マチューの負傷離脱により、加わったラミはローラン・コシエルニーと組んで大会に入ってからは無難な守備を続けてきたが、アイスランド戦には出場できず、デシャン監督はまたストッパーで悩むことになった。ここでデシャン監督が選んだのがサミュエル・ウムティティである。リヨンに所属する22歳のウムティティは年代別代表での出場歴は豊富であるがフル代表としては出場歴がない。代表のデビューが欧州選手権の準々決勝となった。

■アイルランド戦の後半と同じシステムで臨むフランス

 それではスタッド・ド・フランスに戻ってきたフランスの先発メンバーを紹介しよう。この試合は逆転したアイルランド戦の後半のシステムとメンバーを母体としている。システムは4-2-3-1システムで、ブレーズ・マツイディを左に配置した。GKはウーゴ・ロリス、DFは右からバカリ・サーニャ、コシエルニー、ウムティティ、パトリス・エブラとウムティティがラミに入れ替わった以外は不動である。カンテの抜けた中盤は低い位置に2人、右にポール・ポグバ、左にマツイディ、そして攻撃陣は右にムーサ・シソッコ、中央にアントワン・グリエズマン、左にディミトリ・パイエ、トップにはオリビエ・ジルーである。アイルランド戦の後半との違いはFWの右サイドがキングスレー・コマンではなく、シソッコ、ストッパーがラミに代わってウムティティが入っただけである。
 一方のアイスランドはグループリーグから続く4-4-2システムを堅持し、メンバーもほとんど入れ替えずにスタッド・ド・フランスでの17年ぶりの試合に臨む。出場停止の選手はいないが、先発11人中9人が1回は警告を受けており、フランス戦で警告を受けると準決勝に進出したとしても出場できない。

■フランス、5点を奪う快勝

 この試合、フランスはゴールラッシュを見せた。12分にマツイディのパスを受けたジルーが先制点をあげると、20分にはグリエズマンのCKからポグバがヘディングで追加点、そして前半終了間際には43分にパイエ、45分にグリエズマンがゴールネットを揺らし、4-0と大差で折り返す。
 後半に入って、アイスランドはナントに所属するコルベイン・シグトルソンが1点返す。59分にはジルーがパイエのパスを決め、5-1と突き放す。アイスランドも84分に1点を返すが、フランスは5-2とアイスランド相手に大勝し、準決勝に進出したのである。(この項、終わり)

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