第2055回 金メダルを狙う女子サッカー(6)
いつものパターンでカナダに敗れ、準々決勝敗退

 平成28年熊本地震で被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。お亡くなりになった方々に、謹んで哀悼の意を表します。 この地震が1日でも早く収まることと、被災地の皆様の安全とご健康をお祈り申し上げます。

■優勝候補の米国が敗れる波乱

 グループリーグ最終戦でニュージーランドとの直接対決に完勝したフランス、決勝トーナメント進出が決まった。決勝トーナメントに進出した8か国と組み合わせを紹介すると、ブラジル(グループE首位)-豪州、米国(グループG首位)-スウェーデン(グループE3位)、フランス(グループG2位)-カナダ(グループF首位)、中国(グループE2位)-ドイツ(グループF2位)である。フランスはカナダに勝利すると中国とドイツの勝者との対戦となる。優勝候補の米国とは決勝まで対戦せず、格上のドイツとの準々決勝での対戦を回避できたことは結果的には歓迎すべき組み合わせとなったと誰しもが思ったであろう。
 準々決勝4試合は8月12日に行われ、最初にキックオフされたスウェーデン-米国戦はPK戦の末、スウェーデンが勝利するという番狂わせが起こった。オリンピック。ワールドカップという国際大会で米国が敗れたのは2011年のワールドカップの決勝の日本戦以来、5年ぶりのことである。フランスのファンは金メダルへの期待を膨らませてキックオフを待った。

■直前の親善試合で勝利しているカナダと対戦

 グループリーグで全勝し、ドイツをおさえて首位となったカナダは世界ランキング10位、フランスは過去カナダとは12回対戦し、5勝3分4敗とほぼ互角に見えるが、最近はフランスが優勢であり、2012年のロンドンオリンピックの3位決定戦で敗れて以来、フランスが2勝1分と勝ち越している。そしてフランスにとっては大会前最後の親善試合の相手がカナダであり、7月23日にオセールで1-0と勝利したことは本連載第2051回で紹介した通りである。
 米国の準々決勝敗退、対戦相手のカナダとの相性という楽観論の漂う中で、準々決勝の第3試合としてサンパウロのコリンチャンス競技場でフランスはカナダと対戦する。

■ニュージーランド戦と攻撃陣を入れ替えたフランス

 フランスの先発メンバーであるが、GKはサラ・ブハディ、DFは右からジェシカ・ウアラ、グリエッジ・ムボック、ウェンディ・ルナール、サキナ・カルシャウィの4人、MFはアマンディーヌ・アンリ、エリーズ・ビュサグリアの2人が低い位置に入り、攻撃的な位置には右にカディディアトゥ・ディアニ、中央にカミーユ・アビリー、左にアメリ・マジリ、エロディ・トミ、そして1トップにユージェニ・ルソメが入る。ニュージーランド戦に続き、4-2-3-1システムで挑むが、攻撃的なMFの3人並びにトップの前4人は総入れ替えとなった。
 4年前のロンドンオリンピックの3位決定戦に出場した経験があるのはブハディ、ルナール、ビュサグリア、アビリー、ルソメの5人である。
 一方、赤いユニフォームのカナダの注目選手は主将でCFを務めるクリスティーヌ・シンクレアである。カナダもフランス同様、5人の選手が4年前の3位決定戦に出場し、その中にはシンクレア、さらに銅メダルを獲得する決勝点をあげたダイアナ・マセソンも含まれている。

■決定的なチャンスを逃し、4年前同様初めての枠内シュートで失点

 フランスはこの試合もボールを支配し、一方的な展開となる。29分にはビュサグリアのFKにムボックがヘディングで合わせるが、シュートはわずかに右にそれてしまい、ビッグチャンスを逃す。さらに前半終盤はカナダをゴール前にくぎ付けにし、アディショナルタイムの47分にはマジリからのクロスにルナールがヘディングでゴールを狙うがポストに嫌われノーゴール。
 後半もフランスのペースで始まったが、54分、カナダは右サイドのジャニーン・ベッキーがカルシャウィをかわしてクロスをあげ、ソフィー・シュミットのシュートがネットを揺らす。カナダのこの日初めての枠内へのシュートがゴールになってしまった。
 フランスは選手交代を仕掛け、果敢にゴールを狙うが、1点は遠い。結局準々決勝敗退となった。
 4年前もアディショナルタイムに初めて枠内にシュートを打たれ、カナダに敗れている。これまでの国際大会で敗れたケースも試合を支配しながら、カウンターの一撃に泣くというパターンが続いている。いつになればこの負けパターンを克服することができるのであろうか。(この項、終わり)

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