第2060回 欧州の舞台を目指すフランス勢(5)
サンテチエンヌも第1戦はドロー

 平成28年熊本地震で被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。お亡くなりになった方々に、謹んで哀悼の意を表します。 この地震が1日でも早く収まることと、被災地の皆様の安全とご健康をお祈り申し上げます。

■22回目のヨーロッパカップとなるサンテチエンヌ

 前回の本連載ではヨーロッパリーグ予備戦3回戦に出場した昨季リーグ5位のリールがアゼルバイジャンリーグ3位のガバラと第1戦で1-1で引き分けたことを紹介した。
 リールでの試合が終了した直後の7月28日21時にフランスから参戦しているもう1チームがキックオフを迎えた。それが緑の名門、サンテチエンヌである。昨季のフランス国内でのシーズン最後の試合となるフランスカップでリーグチャンピオンであるパリサンジェルマンが優勝したため、リーグ6位のサンテチエンヌにヨーロッパリーグ挑戦のチャンスが巡ってきた。実にこれが22回目の欧州カップ参戦となる。

■2季前は3部にいた名門AEKアテネ

 サンテチエンヌもホームで第1戦を迎え、相手はギリシャの名門、AEKアテネである。黄色と黒のユニフォーム、胸には東ローマ帝国の象徴である双頭の鷲をつけた強豪は国内リーグの優勝11回、ギリシャカップの優勝14回を誇る。しかし、2012-13シーズンは不調であり、さらにシーズン終盤にサポーターが騒ぎを起こし、没収試合となり勝ち点を剥奪されたのが響き、リーグ15位となり、クラブ史上初めて1部から陥落した。さらに、財政的な問題も重なり、翌シーズンは3部リーグに所属することになった。
 しかし、1年で2部に昇格し、その翌年には1部に復帰し、2年間で3部から1部に戻ってきた。昨季はギリシャカップで15回目の優勝を果たし、欧州の舞台に戻ってきた。

■4年連続でヨーロッパリーグの予備戦、プレーオフに出場しているサンテチエンヌ

 サンテチエンヌは4年連続でヨーロッパリーグの予備戦、プレーオフへの出場となる。1980年代から2000年代にかけて低迷したが、2010年代になってからリーグ戦で上位に進出し、シーズン前に国際試合を迎えるようになった。
 2013年の夏は予備戦3回戦でモルドバのミルサミ・オルヘイを下し、プレーオフでデンマークのエスビャウに敗れた。2014年の夏はプレーオフから参戦し、トルコのカラビュックスポルを下して本戦であるグループリーグに進出する。グループリーグでは残念ながら最下位(4位)に沈む。そして昨年の夏は予備戦3回戦から参戦し、ルーマニアのトゥルグ・ムレシュを下し、プレーオフでは2年前に対戦したミルサミ・オルヘイを再び下す。2年連続の本戦進出となったが、グループリーグではイタリアのラツィオ・ローマに次いで2位に入り、決勝トーナメントに進出する。決勝トーナメント1回戦に相当するベスト16決定戦ではスイスのバーゼルに敗れたが、ヨーロッパの舞台での越年は実に7年ぶりの快挙であった。プレーオフ進出、グループリーグ進出、決勝トーナメント進出と毎年ステップアップしてきた名門チーム、今年はさらに上を目指したい。この数年右肩上がりで成績を伸ばしてきた名門同士の対戦となった。
 本拠地のジョフロワ・ギシャール競技場に3万人以上が集まったことを見ても、ファンの関心が高いところがうかがわれる。

■得点力不足に泣くサンテチエンヌ、スコアレスドロー

 サンテチエンヌを率いるのはクリストフ・ガルチエであり、今季からアシスタントとしてルネ・ロベロを招いたが、シーズン前の親善試合の成績は思わしくなく、スイスのローザンヌとの試合はAEKアテネの首脳陣も視察に訪れたが、1-4と大敗している。また同格のチームに対して得点力が不足し、この試合もトップはガルチエ監督は思案の末にロベール・ベリックではなくローラン・ルーを起用する。
 試合はシーズン前としては異例の大観衆の声援に支えられたサンテチエンヌが一方的にAEKアテネを押し込む。しかしながら、決定的な得点機を作ることなく時計の針は進む。後半に入って選手交代を試みるが、サンテチエンヌは得点を奪うことができない。
 対するAEKアテネは1本も枠内にシュートを放つことができず、結局スコアレスドローとなる。スタジアムの雰囲気は最高であったが、ゴールネットを揺らすことなく、リールと同様に第1戦は引き分けで、アテネでの第2戦を迎えることになるのである。(続く)

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