第2075回 欧州カップ開幕(5)
モナコ、ウェンブリーでトットナム・ホットスパーを破る

 平成28年熊本地震で被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。お亡くなりになった方々に、謹んで哀悼の意を表します。 この地震が1日でも早く収まることと、被災地の皆様の安全とご健康をお祈り申し上げます。

■第4シードのモナコ、第1戦はアウエーでの戦い

 これまでの本連載ではパリサンジェルマンとリヨンのチャンピオンズリーグの第1戦の模様を紹介してきた。いずれもホームゲームでパリサンジェルマンもリヨンもシード順位が低い相手と戦い、パリサンジェルマンは引き分け、リヨンは勝利した。さて、昨季リーグ3位で予備戦、プレーオフを勝ち抜いてきたのがモナコである。モナコはシード順でも第4シードであり、対戦するすべてのチームが格上であり、第1戦をアウエーで戦う。

■新スタジアム建設のためウェンブリーを使用するトットナム・ホットスパー

 第1戦の相手はイングランドのトットナム・ホットスパー、第3シードであるが、上から2番目であり、有力リーグのチャンピオンの第1シードという優遇措置がなければ、第2シード入りしている昨季プレミアリーグで3位になった実力チームである。
 トットナム・ホットスパーの本拠地のホワイトハートレーンはロンドンの北部にある。同じロンドン北部にあるアーセナルには対抗心を燃やし、アーセナルとの一戦はノースロンドンダービーと言われる。しかし、近年はアーセナルが優位であり、2010-11シーズン以来、2回目の出場となるチャンピオンズリーグでライバルを驚かせたい。
 トットナム・ホットスパーがアーセナルに負けているのは成績だけではない。本拠地であるホワイトハートレーンの収容人員はわずか3万6000人、欧州のトップを目指すクラブとしてはやや物足りず、観戦したくてもチケットが手に入らないファンからの収入を逸失している。そのため、ロンドンのオリンピックスタジアムへの移転も検討したが、結局は現在のスタジアムに隣接する土地を取得し、6万1000人収容のスタジアムを建設、2018年のシーズン開幕に向けて工事中である。この工事の影響を受けて現在のホワイトハートレーンの一部が使用できなくなり、UEFAから求められるチャンピオンズリーグの試合の収容人員を満たさなくなる。このため、今季のトットナム・ホットスパーはウェンブリー競技場でチャンピオンズリーグを戦うことになったのである。

■アーセナルに勝利したモナコ、ウェンブリーで勝利したRCランス

 このように厳しい相手とのアウエーでの試合となったモナコであるが、国内リーグではこの時点で首位である。また、ロンドンでのモナコというと、2季前のチャンピオンズリーグ、決勝トーナメント1回戦のアーセナル戦を思い出す読者の方は少なくないであろう。アーセナル相手に第1戦はアウエーでの戦いとなり、モナコはアーセナルの本拠地、エミレーツスタジアムで3-1と勝利したのである。
 またウェンブリーでチャンピオンズリーグでフランス勢が試合を行ったことはこれまでに1回だけある。アーセナルが現在のエミレーツスタジアムを建設する際も2シーズンウェンブリーを使用している。1998-99シーズンでアーセナルとグループリーグで対戦したのがRCランスであり、これがフランス勢が初めてウェンブリーで試合をした記録となる。この試合はミカエル・デベーブのゴールでRCランスが1-0と勝利している。

■枠内シュート数2で2得点をあげたモナコが勝利

 さて、フランス勢としては18季ぶりのウェンブリー、8万5000人の観衆のほとんどはトットナム・ホットスパーのファンである。同じ国内リーグ3位同士の対戦であるが、プレミアリーグの意地を見せるトットナム・ホットスパーは試合開始から優位に試合を進める。しかし、モナコはカウンターアタックで先制点を奪う。15分にベルナウド・シウバの放ったシュートはポストに当たり、ゴールイン。フランス代表主将のウーゴ・ロリス、痛恨の失点である。さらに31分にはトマ・ルマールのシュートも決まり、モナコが2-0とリードする。トットナム・ホットスパーは圧倒的に攻めるが、前半終了間際に1点返しただけにとどまる。モナコは枠内シュート数2で2点を奪い、2季前のアーセナルに続き、ロンドン北部の2チームを撃破したのである。(続く)

このページの先頭へ戻る

月間バックナンバー

  • RSS Feed
  • Supported by Everplus