第2091回 中盤戦を迎えた欧州カップ (6)
リヨンは起死回生の同点ゴール、モナコはホームで快勝

 平成28年熊本地震で被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。お亡くなりになった方々に、謹んで哀悼の意を表します。 この地震が1日でも早く収まることと、被災地の皆様の安全とご健康をお祈り申し上げます。

■ホームで強いユベントス

 前々回と前回の本連載でパリサンジェルマンがイングランドのアーセナルとともにチャンピオンズリーグの決勝トーナメント進出を決めたことを紹介したが、今回はリヨンとモナコの第4節の戦いを紹介しよう。
 リヨンは第2節と第3節はいずれも0-1というスコアで惜敗し、グループHでは勝ち点7で並ぶ首位のセビリア(スペイン)とユベントス(イタリア)を勝ち点4差で追っており、第4節では勝ち点3をあげたいところである。リヨンの第4節はアウエーでのユベントス戦である。
 リヨンとユベントスは2013-14シーズンのヨーロッパリーグの準々決勝で対戦しているが、この時はユベントスがホームもアウエーも勝利している。ユベントスはホームゲームを得意としており、ホームゲームでの勝率は欧州でもトップクラスである。これまでフランス勢は欧州カップでユベントスと12回対戦しているが、ユベントスのホームでの対戦成績は実に2分10敗、1983年にパリサンジェルマン、2009年にボルドーが引き分けた以外はすべてフランス勢は敗れている。また、リヨンはチャンピオンズリーグのアウエーの試合の戦績が悪く、16戦して3勝3分10敗と大きく負け越している。

■リヨンは厳しい立ち上がり

 二強二弱という構図のグループHにおいて、リヨンがユベントス戦に敗れ、セビリア(スペイン)がディナモ・ザグレブ(クロアチア)に勝利すれば、二強のユベントスとセビリアの決勝トーナメント進出が決まってしまう。
 このようにリヨンは試練の一戦を迎えることになったのである。戦前の予想通り、リヨンは苦戦を強いられる。ボール支配率では4割程度でパスの本数でもユベントスを下回る。そして13分、リヨンのムクタル・ディアカビがペナルティエリア内でユベントスのステファノ・スツラーロを背中から倒してしまう。このファウルで得たPKをアルゼンチン代表のゴンサロ・イグアインが決めてユベントスがリードする。4万以上の観衆の声援に後押しされたユベントスはリヨンの攻撃の芽を早めに摘み、リヨンは頼みのアレクサンドル・ラカゼットとナビル・フェキルにボールを供給することができない。

■コランタン・トリッソの同点ゴールで首の皮一枚つながったリヨン

 もう1試合はセビリアが大量リードし、リヨンの3位以下が確定かと思われたが、84分に起死回生のゴールが生まれる。相手のファウルで得たFKをラシド・ゲザルが蹴り、これをコランタン・トリッソがヘディングでシュート、第3節では好セーブを繰り返してきた名手ジャンルイジ・ブッフォンも及ばず、リヨンは同点に追いつき、勝ち点1をあげ、決勝トーナメントへの望みをつないだのである。

■ラダメル・ファルカオ復帰のモナコはロシア勢に大勝

 そして混戦となったグループEの首位のモナコは最下位のCSKAモスクワ(ロシア)をホームに迎える。モナコの2トップの一角には負傷で戦線を離脱していたコロンビア代表のラダメル・ファルカオが復帰し、主将を務める。ファルカオ効果であろうか、モナコは一方的に攻める。特にパスの本数ではCSKAモスクワの倍近くの数字を記録するが、右サイドDFのジブリル・シディベが攻撃の起点となる。先制点は12分、カミル・グリックからのパスを受けたバレル・ジェルマンが先制点を奪う。そして29分にはバンジャマン・マンディのクロスに反応したのはファルカオであった。ファルカオのシュートが決まり、モナコは2-0とリードを広げる。そしてファルカオの勢いは止まらなかった。41分にも見事なゴールを左足で決める。ファルカオがチャンピオンズリーグで1試合に2得点をあげたのは初めてのことである。
 ファルカオの活躍でモナコは勝ち点を8に伸ばし、次節のホームでのトットナム・ホットスパー(イングランド)戦で引き分け以上であれば、チャンピオンズリーグの決勝トーナメント進出が決まる。
 そして、フランス勢のモナコがロシアのチームに直接勝利したことにより、UEFAインデックスで5位のフランスは6位のロシアとの差を広げることができたのである。(この項、終わり)

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