第2111回 欧州カップグループリーグ終盤戦(8)
サンテチエンヌ、終了間際の同点ゴールで勝ち点1

 平成28年熊本地震で被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。お亡くなりになった方々に、謹んで哀悼の意を表します。 この地震が1日でも早く収まることと、被災地の皆様の安全とご健康をお祈り申し上げます。

■ドイツ勢と初戦で対戦したニースとサンテチエンヌ

 前回の本連載ではチャンピオンズリーグのグループHでの最終戦でリヨンがセビリア(スペイン)との最終戦で引き分け、グループ3位となってチャンピオンズリーグの決勝トーナメント進出を逃し、ヨーロッパリーグの決勝トーナメントに進むことを紹介した。
 ヨーロッパリーグについてはグループリーグにニースとサンテチエンヌが出場しており、本連載第2076回でその初戦の模様を紹介した。両チームとも第1節はドイツ勢との対戦となり、ニースはシャルケ04にホームで敗れ、サンテチエンヌはアウエーでマインツと引き分けた。今回からは両チームの第2節以降の戦いぶりを紹介したい。

■1970年代から1980年代に欧州で活躍したアンデルレヒト

 サンテチエンヌはベルギーのアンデルレヒトと対戦する。紫と白がチームカラーの伝統チームは近年は欧州での輝きを失っている。2000年代に入っても国内リーグでは3位以内であり、チャンピオンズリーグやヨーロッパリーグの出場権を獲得しているが、予備戦敗退か、グループリーグ敗退が続いている。しかし、1970年代から1980年代には欧州の舞台で活躍し、チャンピオンズリーグでは1981-82シーズンと1985-86シーズンに準決勝進出、カップウィナーズカップでは1975-76シーズンと1977-78シーズンで優勝し、1976-77シーズンと1989-90シーズンには準優勝している。またにUEFAカップでは1982-83シーズンで優勝、1983-84シーズンには準優勝と欧州屈指の成績を残している。

■アンデルレヒトと同時期に黄金期を迎えたサンテチエンヌ

 アンデルレヒトの黄金期が1970年代から1980年代であるが、サンテチエンヌの黄金時代も同様に1970年代から1980年代にかけてである。これまでの本連載でしばしば紹介してきたように、チャンピオンズカップには1970年代半ばに3季連続出場し、1975-76シーズンは準優勝、1976-77シーズンは準決勝進出、1977-78シーズンは準々決勝進出、1980年代に入ってからは1979-80シーズンと1980-81シーズンで準々決勝に進出している。1990年代から2000年代にかけては2部に低迷する時代もあったが、2010年代に入ってからはリーグ上位に進出、ヨーロッパリーグに出場できるまでに復活してきた。
 両チームが上位進出していたころの欧州三大カップは出場チーム数も少なかったが、意外なことに両チームはこれまでに欧州カップでの対戦経験がない。ヨーロッパリーグのグループリーグの序盤戦とはいえ、ジョフロワギシャールには2万3000人の観衆が集まった。サンテチエンヌはリーグ初戦でボルドーに2-3と敗れたが、その後はリーグ戦、ヨーロッパリーグのプレーオフ、グループリーグで1試合も負けていない。名門の復活に対するファンの期待、そしてこの3日後にライバルのリヨンとの対戦を控えている。

■苦しい試合を忍んでアディショナルタイムに同点に追いついたサンテチエンヌ

 サンテチエンヌで気になるのは大量の負傷者、さらにはフランス代表でもあるGKのステファン・ルフィエが出場停止になっていることである。試合は立ち上がりにサンテチエンヌがチャンスをつかむが、最初の得点機は12分のアンデルレヒトである。クロスからのボールをオフサイドライン上で待ち受けていた主将のソフィアン・アニがヘディングでシュート、これがクロスバーの下側に当たり、跳ね返ったところをサンテチエンヌの代役のGKのジェシー・ムーランが防ぎ、サンテチエンヌは先制を許さなかった。しかし、試合はアンデルレヒトが優勢に進め、サンテチエンヌ陣内でボールを支配し、サンテチエンヌには我慢の時間帯が続く。前半は枠をわずかに外れたシュートをノーラン・ルーが放っただけで枠内シュートゼロで折り返した。
 後半に入り、61分にサンテチエンヌのレオ・ラクロワがペナルティエリア内でアニに対してファウル、PKを与えてしまい、ユーリ・ティーレマンスが決めてリードを許す。その後も試合はアンデルレヒト優勢で、サンテチエンヌはロングボールからの得点に望みを託す。アディショナルタイムは4分、その最後の94分にルーがロングボールからの攻撃で得点を決める。サンテチエンヌはマインツ戦に続き、終盤の同点ゴールで勝ち点1を獲得したのである。(続く)

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