第2120回 アフリカ選手権開幕 (2)
多様化する外国人監督

 6年前の東日本大震災、昨年の平成28年熊本地震などで被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。また、復興活動に従事されている皆様に敬意を表し、被災地域だけではなくすべての日本の皆様に激励の意を表します。

■自国人監督が率いる初出場のギニアビサウ

 前回の本連載ではアフリカ選手権の出場国を紹介し、予選では最下位に当たる第4シードのギニアビサウが予選を勝ち抜いて本大会出場を決め、唯一の初出場国となったことを紹介した。
 ギニアビサウは経済的には恵まれた国ではない。したがって選手のほとんどは欧州のクラブに所属している。ポルトガルから独立した国であることもあり、今回のアフリカ選手権に出場する選手の半数以上はポルトガルのクラブに所属しているが、ベンフィカやポルトなどの強豪クラブに所属している選手はいない。ほとんどはポルトガルの2部リーグのクラブに所属している。ポルトガル以外ではスペインやイタリアの下部リーグのクラブ、1部となるとトルコ、ノルウェー、韓国のクラブとなる。韓国については済州ユナイテッドにフレデリック・マンディが在籍しているから日本の読者の皆様もご存じの方も少なくないであろう。
 このギニアビサウを率いるのがバシロ・カンデ監督である。すでに68歳と高齢であり、現役時代にアフリカ選手権やワールドカップの予選に出場したことのない世代である。2000年代に代表チームにコーチとして加わり、昨年監督として復帰した。

■セネガル、コンゴ民主共和国、ジンバブエが自国人監督

 今回も外国人監督が主流である。参加16か国のうち自国人の監督はわずか4人である。その4人のうちの1人が予選で最大の驚きをもたらしたギニアビサウであるが、それ以外の自国監督はセネガルのアリウ・シセ、コンゴ民主共和国のフローラン・イバンジェ、ジンバブエのカリスト・パスワである。

■バラエティに富む外国人の国籍

 外国人監督はかつては宗主国から来ることが多かったが、今回の外国人監督は多岐にわたる点が今大会の特色である。
 例えばフランスから独立した国については、10か国が出場しており、フランス国籍のヴァヒド・ハリルホジッチが前回のワールドカップで率いていたアルジェリアはベルギー人のジョルジュ・レーケンス、フィリップ・トルシエのイメージが強いブルキナファソはポルトガル人のパオロ・デュアルテ、カメルーンはベルギー人のウーゴ・ブロスが率い、ガボンはスペイン人監督、セネガルは自国人の監督であり、フランス人監督はコートジボワール、マリ、トーゴ、モロッコ、チュニジアの5か国である。
 英国から独立した国についてはウガンダはセルビア人のミルティン・スレドジェビッチ、ガーナはイスラエル人のアブラム・グラント、ジンバブエは自国人監督である。またアフリカで数少ない植民地を経験していない国であるエジプトの監督はアルゼンチン人のヘクトール・カッパーである。なお、自国人監督のコンゴ民主共和国はベルギーから独立している。

■スペインで活躍したホセ・アントニオ・カマーチョがガボンの監督に就任

 そして16人の監督の中で最も有名なのはスペイン人のホセ・アントニオ・カマーチョであろう。選手としてはスペインのレアル・マドリッドの選手として活躍し、代表チームでも地元開催の1982年ワールドカップで主要国際大会にデビューし、1984年欧州選手権では決勝進出、1986年ワールドカップ、1988年欧州選手権に出場している。
 現役引退後は様々なクラブの監督を務めた。そのカマーチョにスペイン代表監督の座が回ってきたのは1998年のことであった。始まって間もない欧州選手権予選でスペインはキプロスに敗れ、ハビエル・クレメンテ監督が更迭され、カマーチョが監督に就任、本大会に出場し、続く2002年のワールドカップでもスペインを率いたことから日本の皆様もよくご存じであろう。準々決勝で韓国に敗れて辞任、その後も国内外のクラブの監督、中国代表監督などを経て、昨年11月にガボンの代表監督に就任した。ガボンはフランスから独立し、これまでもアラン・ジレスなどフランス人監督が多かったが、本大会を目前に同国史上初めてのスペイン人監督を招聘したのである。(続く)

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