第2133回 カメルーン、5回目のアフリカ王者(6)
スター選手不在のカメルーンが優勝

 6年前の東日本大震災、昨年の平成28年熊本地震などで被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。また、復興活動に従事されている皆様に敬意を表し、被災地域だけではなくすべての日本の皆様に激励の意を表します。

■3位決定戦はアラン・トラオレの決勝点でブルキナファソが制す

 前々回と前回で2つの準決勝の模様を紹介したが、2月5日の決勝はエジプトとカメルーンの顔合わせとなった。
 決勝戦の前日に3位決定戦がブルキナファソとガーナの間で行われた。両チームともなかなか得点をあげることができなかったが、88分にブルキナファソはアラン・トラオレがFKから決勝点をあげ、3位となった。トラオレは現在はトルコのケイセリスポルに所属しているが、本連載の読者であればよくご存じのとおり、昨季まではロリアンに所属し、その活躍は本連載でもしばしば紹介してきた。さらに2012年にロリアンに移籍するまでの6シーズンはオセールに所属し、10年間フランスのクラブに所属してきた。

■大会を盛り上げたカメルーンの存在

 さて、決勝に残った両チームの23人の登録選手の所属するクラブであるが、カメルーンはほとんどが国外のクラブに所属し、8人がフランスのクラブに所属、一方のエジプトは過半数が国内のクラブの選手でフランスのクラブには1人しか所属していない。 今大会は開催国のガボンがグループリーグで敗退し、入場料を200円ほどに押さえたにもかかわらず、カードによっては1800人しか観衆が集まらず、その盛り上がりが懸念されたが、それを救ったのがカメルーンである。アフリカ選手権の欧州における最大のマーケットであるフランスのクラブの選手を多数抱えていることに加え、地理的に開催国ガボンに隣接していることからたくさんのファンがやってきた。特にメイン会場であり、カメルーンがグループリーグを戦ったリーブルビルはガボンの北部にあるため、カメルーンの出場する試合には多くのファンが応援に駆け付けた。

■過去2回の直接対決に勝利したエジプトが劣勢ながら先制

 31回目のアフリカ選手権の決勝となるが、これまで最多の優勝回数7回を誇っているのがエジプトであり、それに次ぐのがガーナと並んで4回優勝しているカメルーンである。これまでに両チームが決勝で対戦したのは2回、1984年大会と2008年大会であり、いずれもエジプトが勝利している。
 試合は立ち上がりにカメルーンの守備の乱れを突いてエジプトが得点機をつかむが、カメルーンのGKファビリス・オンドアがセーブする。これに対してカメルーンも7分にシュートするが44歳の主将エッサム・エル・ハダリがブロックし、ここまで両チームを救ってきたGKの動きが目立つ。
 先制点は22分にエジプトが奪った。モハメド・エルネニが右足でシュートを決める。カメルーンは守備のミスが多く、エジプトの先制点につながった。さらにリードされた直後、カメルーンをアクシデントが襲う。ソショーに所属するストッパーのアドルフ・テイクが負傷でプレー続行が不能となり、代わってリヨンに所属するニコラ・エンクルが投入された。しかし、前半はボールの支配率は圧倒的にカメルーン、わずかなミスを突かれてリードを許し、後半の45分にかける。

■フランスにゆかりのある途中交代の選手が活躍、カメルーンが逆転勝ち

 後半に入ったところでカメルーンはバンサン・アブバカルを投入する。現在はトルコのベジクタシュの選手であるが、かつてバランシエンヌ、ロリアンに所属していた。この交代して入った2人が国境を越えて大挙してきたファンの声援に応えた。59分にロリアンに所属するベンジャマン・ムカンジョの左サイドからのクロスをエンクルがヘディングで決める。好守を続けてきたエジプトの主将も及ばず、カメルーンは同点に追いつく。
 さらにカメルーンは好機が続くが逆転ゴールはなかなか奪えない。延長戦に突入かと思われた88分にアブバカルがボレーシュートでゴールネットを揺らす。カメルーンは2-1というスコアでエジプトに逆転勝ち、2002年大会以来15年ぶり5回目の優勝を飾ったのである。
 2002年大会は2000年大会につく連覇であったが、当時はサミュエル・エトー、パトリック・エムボマ、リゴベール・ソング、マルク・ビビアン・フォエなど欧州のビッグクラブで活躍するスターが目白押しであった。今大会はそのようなスターは不在で優勝をつかんだ。
 カメルーンは次回大会の開催国でもあり、2年後の大会が今から楽しみである。(この項、終わり)

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