第2137回 ゴールラッシュの続く第1戦 (1)
リヨン、AZアルクマールに大勝

 6年前の東日本大震災、昨年の平成28年熊本地震などで被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。また、復興活動に従事されている皆様に敬意を表し、被災地域だけではなくすべての日本の皆様に激励の意を表します。

■フランスから出場する4チーム

 前回までの本連載はチャンピオンズリーグの決勝トーナメント1回戦の第1戦でパリサンジェルマンがスペインのバルセロナに4-0という記録的な勝利をあげたことを紹介した。第2134回の本連載で紹介した通り、フランスからはチャンピオンズリーグとヨーロッパリーグの決勝トーナメントに2チームずつ出場しているが、パリサンジェルマンと同じ週に出場したのはヨーロッパリーグを戦うリヨンとサンテチエンヌである。これらのチームの戦いを紹介しよう。

■ライバル関係にあるリヨンとサンテチエンヌ

 本連載の読者の皆様であればよくご存じのとおり、フランスでライバル関係にあるチームとしてはパリサンジェルマンとマルセイユが代表的であるが、地理的に近いチームのライバル関係としてはリヨンとサンテチエンヌをあげることができる。フランスにおいてサッカーは地域差の少ないスポーツであるが、その中でもサッカーの人気が高い地域がリヨンを中心とするローヌ・アルプ地方である。美食の町という印象の強いリヨンであるが、フランス第二の都市であり絹工業から化学工業へと転換した工業都市であり、かつて横浜正金銀行があったことから日本の皆様にとっては金融業の中心地というイメージをお持ちの方も少なくないであろう。
 そしてリヨンから60キロほど離れた所に位置するサンテチエンヌは古くから鉱業都市として繁栄しており、鉱工業都市である。このように工業の発達したエリアであることからサッカー熱は他の地域よりも高く、この地域を代表するチームがリヨンとサンテチエンヌなのである。

■ライバルがそろってヨーロッパリーグの決勝トーナメントに進出

 今世紀に入ってからの成績はリヨンが上回っているが、サンテチエンヌはリーグ優勝は最多の10回を誇り、近年はリーグで上位に入り、ヨーロッパリーグの常連となりつつある。リヨンは昨季のリーグ順位は3位であり、チャンピオンズリーグに出場したが、グループリーグで3位にとどまり、ヨーロッパリーグに転戦してきた。サンテチエンヌは昨季のリーグ順位は6位であり、リーグ優勝を果たしたパリサンジェルマンがフランスカップもリーグカップも獲得したために6位のサンテチエンヌにヨーロッパリーグへの道が開けた。予備戦3回戦から参戦し、ギリシャのAFKアテネを下し、プレーオフでイスラエルのベイタル・エルサレムを下してグループリーグに進出、グループリーグは見事に首位で突破し、2年連続の決勝トーナメント進出である。

■リヨン、AZアルクマール相手にゴールラッシュ

 ヨーロッパリーグの決勝トーナメント1回戦は16試合すべてが2月16日に行われた。リヨンもサンテチエンヌも本連載第2134回で紹介した通り、シード扱いとなり、アウエーで第1戦を迎える。リヨンはオランダのAZアルクマールと対戦、19時キックオフである。そしてサンテチエンヌはイングランドのマンチェスター・ユナイテッドと21時5分キックオフとなる。両チームのファンの多くは自宅でテレビ観戦であるが、リヨンのファンとしては大勝してサンテチエンヌに力の差を見せたいところである。かつてはチャンピオンズリーグの決勝トーナメントに9季連続で進出したリヨンも今回は3年ぶりの欧州カップの決勝トーナメントである。
 対するAZアルクマールはオランダの三強(アヤックス・アムステルダム、PSVアイントホーヘン、フェイエノールト)に次ぐ力を持ち、リーグ優勝も2回ある。昨季はリーグ4位でサンテチエンヌ同様予備戦3回戦から参戦してきた。
 リヨンは実力の違いを見せる。26分にナビル・フェキルが2回にわたってシュートを放ち、最後はルカ・トゥサールが先制点を決める。さらに前半のアディショナルタイムにはアレクサンドル・ラカゼットが無人のゴールに追加点をあげる。
 後半に入っても57分にトゥサールからのパスを受けたラカゼットが角度のないところから3点目。68分にはPKで1点を返されるが、試合終了間際の95分には途中出場のジョルダン・フェリーが得点をあげ、4-1と快勝したのである。(続く)

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