第2144回 パリサンジェルマン、バルセロナで歴史的逆転負けを喫する

 6年前の東日本大震災、昨年の平成28年熊本地震などで被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。また、復興活動に従事されている皆様に敬意を表し、被災地域だけではなくすべての日本の皆様に激励の意を表します。

■5年連続の準々決勝進出を目前にしたパリサンジェルマン

 サッカーは何が起こるかわからない。そんな言い古された言葉の怖さを改めて思い知らされる一夜となった。
 チャンピオンズリーグの決勝トーナメントの1回戦については本連載第2134回から第2139回で紹介した通り、パリサンジェルマンはホームでバルセロナ(スペイン)を4-0で下し、モナコはアウエーでマンチェスター・シティ(イングランド)に3-5で敗れている。パリサンジェルマンはモナコよりも1週間早く日程を消化するため、3月9日はチームにとっては5年連続、そしてフランス勢で最初のベスト8入りが決まるはずであった。

■欧州カップの過去の大逆転劇

 油断は禁物というが、チャンピオンズリーグならびに前身のチャンピオンズカップの2試合合計得点を争うノックアウト方式の試合で第1戦での4点差の敗戦を跳ね返して第2戦で逆転した例はない。これまでの最大の逆転劇はバルセロナと同じスペイン勢の2003-04シーズンのデポルティーボ・ラコルーニャ、準々決勝の第1戦でアウエーでACミランに1-4と3点差で敗れたが、ホームの第2戦で4-0と勝利した3点差のケースであった。また歴史をさかのぼり、欧州三大カップまで範囲を広げても4点差の逆転はこれまでに3回しかなく、1985-86シーズンのUEFAカップ、スペインのライバル、レアル・マドリッドが西ドイツのボルシア・メンヘングランドバッハに第1戦を1-5で落としながら、ホームの第2戦で4-0と勝利したのが最後であり、30年以上前の話である。
 またパリサンジェルマンはリーグ戦では首位ではないが、国内外の公式戦では昨年12月17日のリーグ戦でギャンガンに敗れて以来、16試合無敗である。したがって4点差を逆転されるはずはないと選手もファンも思っていたはずである。
 一方のバルセロナ、過去5年間の決勝トーナメントで2回パリサンジェルマンと対戦し、2回とも勝ち抜いていることは第2135回の本連載で紹介した通りであり、上記のとおり、これまでの大逆転劇は同じスペイン勢のデポルティーボ・ラコルーニャ、レアル・マドリッドが演じており、バルセロナがそれに続く可能性はある。そして、パリサンジェルマンにパルク・デ・プランスで大敗しても、気を取り直し、国内リーグで4連勝、直近のセルタ・ビゴ戦は5-0と目標スコアで勝利している。
 一方のパリサンジェルマンはこの間のリーグ戦の戦績は2勝1分、その中にはライバルのマルセイユとのアウエーの試合での5-1という大勝も含まれる。

■得点を連取したバルセロナ、1点を返したパリサンジェルマン

 試合はバルセロナが立ち上がりから攻めたてる。3分にはルイス・スアレスのヘディングゴールで先制する。前半も残り少なくなった40分にはパリサンジェルマンのレイバン・クルザワがゴール前の相手のヒールキックを誤ってオウンゴール、バルセロナが2点をリードして後半を迎えた。
 後半に入ってもパリサンジェルマンの守備の乱れは続き、50分にはネイマールをトマ・ムニエが倒してPKを献上、これをリオネル・メッシが決めて3-0とタイスコアまであと1点となる。
 追い詰められたパリサンジェルマンであるが、62分にエディンソン・カバーニが強烈なシュートで1点を返す。この1点はバルセロナにとって重い1点となった。なぜならば残りの30分弱の間に3得点をあげなければならなくなったのである。この重圧がノウカンプを覆い、その後はパリサンジェルマンがしばしばチャンスを迎えるが、得点には至らない。

■ラスト7分に3点をあげて歴史的逆転劇を演じたバルセロナ

 絶望的な時間帯となった88分、ネイマールが好位置でFKを得て、直接決める。しかし、試合はアディショナルタイム、残された時間は5分である。91分にはマルキーニョスがスアレスを倒してしまい、PKを与える。ネイマールが決め、バルセロナは5-1となったが、1点足りない。95分にはネイマールからの縦パスをオフサイドライン上から飛び出したセルジ・ロベルトが足を出す。渾身のタッチはボールをゴールに押し込み、6-1となる。歓喜するバルセロナ、倒れこむパリサンジェルマン、その直後に試合終了の笛が鳴り響き、歴史的な大逆転劇の幕が下りたのである。(この項、終わり)

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