第2161回 モナコ、準々決勝を突破 (2)
ボルシア・ドルトムントのバス襲撃、試合は1日延期

 6年前の東日本大震災、昨年の平成28年熊本地震などで被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。また、復興活動に従事されている皆様に敬意を表し、被災地域だけではなくすべての日本の皆様に激励の意を表します。

■リーグカップ決勝から過密日程を迎えたモナコ

 4月1日のリーグカップ決勝でパリサンジェルマンに敗れたモナコであるが、3月下旬にインターナショナルマッチデーが設定されていたため、この試合は両チームにとって久しぶりのクラブとしての試合であった。モナコは3月19日にカーンと戦ってからほぼ2週間ぶりの試合であった。リーグカップ決勝からは国内外4つのタイトルの試合が相次ぎ、モナコは過密日程で試合を行う。4月4日にはフランスカップの準々決勝、8日にはリーグ戦第32節のアンジェ戦、そして11日にチャンピオンズリーグのアウエーでのボルシア・ドルトムント戦、4月1日から11日までの11日間に異なるタイトルの4試合を消化しなくてはならない。さらにリーグカップの決勝が行われた週末はリーグ戦第31節の日程であり、延期となったサンテチエンヌ戦も終盤に追加日程として組み込まれる。

■リーグカップ決勝の大敗のショックを断ち切ったモナコ

 パリサンジェルマンにとってスペインのバルセロナでの敗戦が記録的なものであったのと同様、モナコがリーグカップ決勝で敗退したスコアの1-4も同様に記録的なものである。モナコの今季の最多得点差の敗戦はチャンピオンズリーグのグループリーグのバイエル・レバークーゼン(ドイツ)戦の0-4であるが、これはすでにグループの首位突破を決めた後の試合であり、実質的にこのパリサンジェルマン戦が今季の最多得点差での敗戦である。
 その大敗のショックを過密日程に引きずってしまうのではないかという危惧はあったが、杞憂であった。フランスカップ準々決勝でリールに勝利、リーグ戦ではアンジェにアウエーで勝利し、2位パリサンジェルマンに勝ち点3をつけて首位をキープする。

■試合直前にボルシア・ドルトムントのメンバーを乗せたバスが襲撃される

 パリサンジェルマン戦のショックを断ち切ったモナコはドルトムントに移動、試合当日を迎える。キックオフは20時45分、黄色い壁と化した8万人が待ち構えるシグナル・イデゥナ・パルクに乗り込むところであった。事件が起こったのは19時15分、市内のホテルに宿泊していたボルシア・ドルトムントの選手を乗せた専用バスがシグナル・イデゥナ・パルクに向けて出発してしばらく、道路沿いの生垣に仕掛けられた爆弾が爆発し、専用バスの後部の窓が割れたのである。この爆発の際に今季バルセロナから移籍してきたマルク・バルトラが右手首を骨折し、病院で緊急出術を受けた。またバスを護衛していたバイクに乗車していた警官も負傷した。

■試合は翌日に延期、テロと戦い続けるスポーツ界

 この事件を受けて大会主催者であるUEFAは試合の中止を決定する。すでに試合会場のシグナル・イデゥナ・パルクには「黄色い壁」と言われるホーム側の立ち見のスタンドには2万4500人のボルシア・ドルトムントのファンが集結していたが、場内アナウンスで、ボルシア・ドルトムントのメンバーを乗せたバスが爆発事故にあったこと、1人が病院に搬送されたこと、試合が中止となったことを伝えた。観客は次々とシグナル・イデゥナ・パルクを後にし、キックオフ予定時刻の45分前の20時ごろには競技場は無人となった。
 また主催者は両チームの代表並びに、ボルシア・ドルトムントの関係者を協議し、翌日の4月12日18時45分に試合を行うことを決定したのである。自分たちの乗ったバスが爆発の標的とされ、チームメイトの1人が負傷するという事態でありながら、翌日に試合をしなくてはならないというのは欧州のトップレベルのチームの集う大会ではやむを得ない決定であろう。
 2年前の1月7日、シャルリー・エブド襲撃事件以来、欧州ではテロが相次ぐ。同年の11月13日のパリ同時多発テロではフランス-ドイツ戦の行われているスタッド・ド・フランスもテロの標的となった。今回の事件も爆発現場の近くからイスラム過激派からの犯行声明とみられる手紙も見つかった。テロとの戦いをサッカー界、スポーツ界は続けているのである。(続く)

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