第2162回 モナコ、準々決勝を突破 (3)
キリアン・ムバッペの活躍でモナコ先勝

 6年前の東日本大震災、昨年の平成28年熊本地震などで被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。また、復興活動に従事されている皆様に敬意を表し、被災地域だけではなくすべての日本の皆様に激励の意を表します。

■マルク・バルトラに捧げる背番号5の赤と白のユニフォーム

 テロリストによるボルシア・ドルトムントのメンバーを乗せていたバスの襲撃というショッキングな事件があったが、選手はホテルに留まるのではなく、家族の元に戻って一泊して、翌日の試合に臨んだ。
 試合が延期になったこともあり、シグナル・イデゥナ・パルクに集まった観衆は6万5000人と若干の空席も目立ったが、ゴール裏はいつも通りの黄色い壁と化し、黄色地にBVBという黒い文字が浮かび上がるコレオグラフィーでキックオフを待った。
 ここではモナコは少数派であるが、前日にテロによる爆破で負傷したマルク・バルトラの名前と背番号5を赤と白のユニフォームの背中に入れたファンもいる。欧州におけるサッカーの力は永遠に続く。

■3バックを採用したトーマス・トゥヘル監督

 ボルシア・ドルトムントのトーマス・トゥヘル監督は選手を前日のショックから立ち直らせるとともに、ストッパーのバルトラのポジションの代役についても考えなくてはならない。結局3バックにして中央をギリシャ代表のソクラティス・パパスタソプーロス、右にポーランド代表のルカシュ・ピシュチェク、左にドイツ代表のスベン・ベンダーを起用した。2トップはピエール・エメリク・オーバメヤンとウスマン・デンベレ、そして中盤には日本の香川真司をはじめ、マティアス・ギンター、ユリアン・バイグル、ラファエル・ゲレーロ、主将のマルセル・シュメルツァーが固める。そしてGKはスイス代表のロマン・ビュルキである。
 一方のモナコはGKはダニエル・スバシッチ、DFはアルナミ・トゥーレ、カミル・グリック、ジェメルソン、アンドレア・ラッジ、MFはベルナルド・シウバ、モウチーニョ、ファビーニョ、トマ・ルマール、そして2トップはキリアン・ムバッペとファルカオである。本連載でも注目してきたバンジャマン・マンディ、ジブリル・シディベは負傷によってメンバーから外れ、ティエムエ・バカヨコは出場停止となっている。

■PKを失敗しながら2点を先行したモナコ

 試合は立ち上がりからボルシア・ドルトムントが優勢に進め、パスをつなぎ、ボールを支配する。メンバーも精力的に走り回る。しかし、前日の事件がどこかに影響を与えているのか、先制点を奪えない。そして最初の得点機はモナコに訪れた。16分にムバッペがドリブルで攻め上がったところをパパスタソプーロスが倒してしまう。このPKをモナコは何の疑いもなく、ファビーニョが蹴る。ムッシュー100%というニックネームのファビーニョであったが、ボールはゴールの枠から外れてしまい、モナコは先制のチャンスを逃した。しかし、その直後の19分、ルマールからのパスをムバッペがオフサイドギリギリのところで受けてシュートし、モナコが先行する。ムバッペはチャンピオンズリーグの決勝トーナメントに入ってこれで3戦連続でゴール、これは1998年当時にレアル・マドリッド(スペイン)に所属していたクリスチャン・カランブーなど今までに4人(5回)しか記録したことのないことである。さらに次の得点もモナコであった。35分にはバルトラの代役として出場したベンダーが痛恨のオウンゴールを献上してしまう。ボールを支配しているのはボルシア・ドルトムントであったが、得点はモナコが2点先行して後半を迎える。

■香川真司の活躍も1点及ばなかったボルシア・ドルトムント

 後半に入ってボルシア・ドルトムントは攻撃陣では香川が輝きを見せた。57分には香川のパスを受けたデンベレが反撃のシュートを決め、1点差に詰め寄る。しかし、79分にボルシア・ドルトムントは守備陣のパスがムバッペにインターセプトされる。チャンピオンズリーグの準々決勝史上2番目の若さで得点をあげたムバッペがゴールを決めて突き放す。1点でも得点差を詰めておきたいボルシア・ドルトムントは84分に香川がゴールを決め、1点差に詰め寄るが、ここまで。終始試合を支配し、攻めていたボルシア・ドルトムントに対し、モナコはアウエーで3-2と勝利したのである。(続く)

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