第2187回 100回目のフランスカップの決勝戦 (3)
カップ戦のスペシャリスト、最多優勝記録を更新

 6年前の東日本大震災、昨年の平成28年熊本地震などで被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。また、復興活動に従事されている皆様に敬意を表し、被災地域だけではなくすべての日本の皆様に激励の意を表します。

■初めてのタイトルを目指すアンジェ

 マルセイユのファンであるエマニュエル・マクロン大統領隣席のもと、100回目となるフランスカップの決勝がキックオフされた。この試合はアンジェがホーム扱いとなり、アンジェが黒と白の縦じまのユニフォーム、アウエー扱いのパリサンジェルマンは上から下まで赤のユニフォームを着用した。
  初めてスタッド・ド・フランスのピッチに立つアンジェ、GKはアレクサンドル・ルテリエ、DFは右からイッサ・シッソコ、イスマエル・トラオレ、ロマン・トマ、バンサン・マンソー、守備的MFにバティスト・サンタマリア、攻撃的MFは右にシェイク・エンドイエ、左にトマ・マンガニ、FWは右にニコラ・ペペ、左にカール・トコエカンビ、中央にファマラ・ジェジューというメンバーで初栄冠を目指す。

■GKにアルフォンス・アレオラを起用したパリサンジェルマン

 パリサンジェルマンの布陣はGKにアルフォンス・アレオラ、DFは右からセルジュ・オーリエ、マルキーニョス、チアゴ・シウバ、マクスウェル、守備的MFにチアゴ・モッタ、攻撃的MFは右にマルコ・ベラッティ、左にブレーズ・マツイディ、FWは右にアンヘル・ディマリア、左にユリアン・ドラクスラー、そして中央にエディンソン・カバーニである。ケビン・トラップに代わって起用されたGKのアレオラ以外は順当な布陣である。
 試合は赤いユニフォームのパリサンジェルマンが優勢に進める。最初の得点チャンスは15分、パリサンジェルマンが相手陣でボールを奪い、ディマリア、カバーニとつないだが、最後のシュートがアンジェのGKルテリエに阻まれた。リーグ得点王のカバーニはその後もヘディングでゴールを狙うが得点には至らない。

■パリサンジェルマン育ちのアレクサンドル・ルテリエ

 一方のアンジェは数少ないチャンスをものにしたい。27分にそのチャンスが巡ってきた。左サイドからマンガニが蹴ったFKをペペが左足でシュート、わずかにポストを外れた。その直後にもアンジェはトマがヘディングでシュート、これはアンジェにとってこの試合初めて枠の中にとんだシュートであったが、アレオラが左にはたく。結局これが唯一のアンジェの見せ場となった。
 その後はパリサンジェルマンが試合を支配する。しかしながら、なかなか得点を奪うことができない。アンジェの財政規模はパリサンジェルマンの25分の1の年間2500万ユーロに過ぎない。4月はリーグ戦では5戦5敗だったアンジェは5月に入ってからは2勝1分と負けなし、さらに直近2試合はいずれも白星である。攻めるパリサンジェルマン、守るアンジェという構図であるがいつ一発のゴールが決まるかわからないという展開になってきた。特にGKのルトリエはパリサンジェルマンの育成機関で育ち、当時からアレオラとはライバルであった。昨年夏にはひざを負傷したが見事に復活、パリサンジェルマン相手にフランスカップファイナルを戦うとあってスーパーセーブを連発する。

■アディショナルタイムのオウンゴールで優勝を果たしたパリサンジェルマン

 終盤にアンジェは防戦一方となり、アディショナルタイムは2分との掲示がなされた。10年ぶり15回目の延長戦かと思われた後半のアディショナルタイム、パリサンジェルマンはCKのチャンス、ディマリアの放ったCKをブレーズと競り合ったシッソコがボールを体に当てて、そのボールは無情にも自陣ゴールへと吸い込まれていった。
 パリサンジェルマンはアディショナルタイムの相手のオウンゴールで3年連続の優勝を果たし、フランスカップでの連勝記録を32に伸ばしたのである。さらにこの優勝は11回目となり、これまではマルセイユと並んでいたがこれで単独トップとなった。
 カップ戦のスペシャリストとしての面目を発揮したパリサンジェルマンであるが、忘れてならないのは新監督のウナイ・エメリである。自身にとってカップファイナルはこれが6回目であるが、スペインのセビリア時代のヨーロッパリーグの決勝では3戦3勝、今季のリーグカップでは1戦1勝である。過去5回のカップファイナルで敗れたのは2016年のスペイン国王杯だけであり、新監督もまたカップ戦のスペシャリストなのである。(この項、終わり)

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