第3705回 連覇を目指すラグビーフランス代表 (4) ウェールズ相手に8トライをあげたフランス
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■苦しい戦いが続くウェールズ
第2節の試合を迎える前に唯一の全勝チームとなったフランス、相手のウェールズは近年低迷している。2023年のワールドカップ以降、勝利したのは昨年7月と11月の日本戦だけ、2勝20敗という成績で今年の6か国対抗の開幕を迎えた。昨年秋に就任したウェールズ人のスティーブ・タンディ監督が指揮を執ったが、初戦はイングランドに7-48と大敗している。フランスとの対戦に限っても最後の勝利が2019年10月のラグビーワールドカップ、大分で行われた準々決勝で20-19と勝利したのを最後に7連敗し、昨年は0-43と大敗を喫している。しかしながら、ウェールズファンのラグビーに対する情熱は衰えることなく、本拠地開幕戦となる2月15日のカーディフのプリンシパリティ競技場には5万7000人の満員のファンが集まった。
■入れ替えたセンターのエミリアン・ガイユトンが先制トライ
前回の本連載の通り、フランスはセンターの2人を入れ替えたのみで、第1節とほぼ同じメンバーで臨んだが、ウェールズは両プロップを含む4人を入れ替えてきた。
これが6か国対抗で初めての主審となるニュージーランド人のジェームズ・ドールマン氏の笛が鳴らされ、ウェールズのエドワーズのキックオフで試合が始まった。開始早々、フランスは第1戦と入れ替わった2人のセンターが活躍した。まず、ファビアン・ブロー・ボワリエがボールを持って前身、中央付近の右サイドでラックを形成する。ここからアントワン・デュポンが素早い球出し、これに反応したのがテオ・アティソグベ、タッチライン沿いを快走、22メートルラインを越えた付近で内をフォローしていたシャルル・オリボンにつなぎ、さらに内をフォローしていたエミリアン・ガイユトンがボールを受けてトライゾーンに走りこんで、試合開始わずか1分28秒でトライをあげる。
■この日初キャップのもう1人のセンター、ファビアン・ブロー・ボワリエもトライ
フランスはその後もボールを保持し、ウェールズ陣内で試合を進める。2トライ目は11分、ゴール右隅5メートルの位置でラックを形成、ストップしたところでデュポンが中央に展開、マチュー・ジャリベールが大きく左インゴールにキックパス、待ち受けていたのは赤いヘッドキャップのルイ・ビエール・ビアレイであった。ノーマークでボールをキャッチした俊足ウイングは代表で23本目のトライを決める。
15分には新星が輝いた。ウェールズ陣10メートルライン付近からのラックから右に展開、フルバックのトマ・ラモスからスタンドオフのジャリベールにつなぐ攻撃にウェールズはついていけない。ジャリベールからパスを受けたブロー・ボワリエがトライする。ブロー・ボワリエはこの試合が代表初キャップ、まだ20歳の選手で2024年にポーとプロ契約したばかりである。試合開始わずか15分で、この日起用した両センターがそろってトライをあげた。
沈黙を続けていたウェールズがようやく19分にフランスの22メートル陣内に初めて入る。フランスはたまらずオフサイドを繰り返し、ゴール前5メートルの地点からウェールズはタップキックでFW陣が攻める。ウェールズの初トライを挙げたのはこの日代わって起用されたプロップのリース・カレであり、持ち前の機動力が功を奏した。
■多彩な攻撃で後半も4トライ、フランスが圧勝
しかし、ゲームはフランスのものであった。31分にデュポンは左タッチライン沿いをボールを持って突進、タックルされたが、ボールを繋いでフランスは前進する。ミカエル・ギヤールがつかまったところに、タックルからリロードしたデュポンが駆け寄り、ボールを確保して前方にロブキック、これをインゴールでウェールズの選手と競り合ってアティソグベがグラウンディングするがオフサイドでキャンセルされる。フランスがボーナスポイントを獲得したのは39分のことであった。ウェールズがカウンターラックからキックでボールを出そうとしたところをアティソグベがカットし、ジャリベールにつないで4本目のトライとなる。
後半も、5メートルのラインアウトからモールを押し込んでトライ、バックスリーがパスをつないでトライ、キックパスでトライ、ゴール前のモールからサイドをついてトライし、多彩な攻撃で4トライをあげる。54-12でフランスは連勝したのである。(続く)
