第3708回 連覇を目指すラグビーフランス代表 (7) 最終戦までわからない優勝の行方

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■勢いを失ったイングランド、ファンの期待も高いイタリア

 前回の本連載では優勝に王手をかけたフランスがスコットランドに敗れたことを紹介した。6か国対抗でスコットランドがフランスに勝利したのは2021年以来5年ぶりのことであり、驚きの結果となったが、その後に行われたイタリア-イングランド戦はそれ以上の驚きとなった。
 今季は開幕戦でスコットランドに勝利したイタリア、その後はアイルランドとフランスに敗れたが、地元ファンの期待も高く、ローマのスタディオ・オリンピコには6万8000人の満員の観客が集まった。イングランドもイタリアと同じ1勝2敗でこの試合を迎えるが、今季の6か国対抗が開幕するまでテストマッチ11連勝で北半球でナンバーワンだった時の勢いはない。イングランドはメンバーを大幅に入れ替えてローマに乗り込んだ。

■33回目の対戦で初勝利をあげたイタリア

 先制したのはイタリア、21分にペナルティゴールをパオロ・ガルビジが決めて3点を先取するが、イングランドは26分にフィン・スミスのトライで逆転する。イタリアの初トライは34分、トンマーゾ・メノンチェッロが決め、パオロ・ガルビジのゴールも決まり、10-5とする。イングランドは40分を回ったところでトム・ローバックのトライ、ゴールも決めて12-10と逆転して後半を迎えた。
 後半はイタリアのゲームとなった。イングランドはペナルティゴール2本を決めて差を広げたが、イタリアは先ずペナルティゴールを2本返して2点差、72分にレオナルド・マランがトライ、パオロ・ガルビジもコンバージョンを決めて、23-18と逆転し、そのままフルタイムのホイッスルが鳴った。イタリアは母国イングランド相手に33回目の対戦で初めて勝利をあげたのである。

■記録ずくめとなったスコットランド-フランス戦

 そしてスコットランド-フランス戦は記録ずくめの試合であった。 まず、スコットランドの得点の50点、これはフランス相手のスコットランドの最多得点である。これまでの記録は1999年の最後の5か国対抗で記録した36点、この時は36-22でスコットランドが勝利し、優勝している。翌年からイタリアが加わって6か国対抗となったが、6か国になってからスコットランドは優勝がない。両チームの合計得点の90点もこのカードでの最多記録となっている。
 また、敗れたフランスも40得点、6か国対抗で敗れたチームの最多得点記録となった。これまでの記録もフランスが持っている。2015年のイングランド-フランス戦、イングランドが55-35というスコアでフランスを下している。なお、この時はアイルランド、イングランド、ウェールズが4勝1敗で並び、勝ち点にはボーナスポイントがなく、得失点差で順位が決められた。イングランド-フランス戦は最終節の最終ゲームであり、イングランドはペナルティゴールを狙って得点を重ねたが、最後にフランスにトライを許して優勝を逃した。フランスの意地が目の前のイングランドの目の前での優勝を阻止したわけだが、今回のスコットランド戦も終盤の3トライが優勝争いを面白くした。

■優勝の可能性のあるアイルランドとスコットランドが対戦、最終戦に登場するフランス

 勝ち点16でフランス(得失点差+79)とスコットランド(+21)が並び、勝ち点14でアイルランドが追う。この3チームに優勝の可能性がある。
 そして最終節は3月14日に3試合が行われる。欧州中央時間で15時10分からアイルランド-スコットランド戦、17時40分からウェールズ-イタリア戦、21時10分からフランス-イングランド戦である。アイルランドとスコットランドは勝ったチームは優勝争いに残るだけではなく、トリプルクラウン(英国4協会相手に全勝)もかかっている。スコットランドが勝利すれば、フランスはスコットランド以上の勝ち点をあげれば、得失点差で優勝が確実視される。アイルランドが勝利した場合は、その時点でフランスを勝ち点で2または3(4トライ以上)上回り、フランスは勝利すれば、優勝となるが引き分け以下だとボーナスポイントの有無が決め手となる。いずれにせよ、優勝の行方は今季最後の試合までわからないのである。(続く)

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