第3082回 中盤戦を迎えたチャンピオンズリーグ(8) 連敗スタートから中盤戦で連勝したマルセイユ

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■初勝利したものの、最下位で折り返したマルセイユ

 前回までは全勝対決となったグループHでのパリサンジェルマンとベンフィカ(ポルトガル)との中盤戦の戦いを紹介してきたが、もう1つのフランス勢のマルセイユも中盤戦ではポルトガルのチームと対戦している。本連載第3077回で紹介した通り、連敗スタートだったマルセイユは第3節で首位のスポルティング・リスボンに4-1と快勝して初勝利をあげた。グループDのもう1つの試合はフランクフルト(ドイツ)とトットナム・ホットスパー(イングランド)がスコアレスドローとなる。前半戦を終えた時点でのジュには首位がスポルティング・リスボン(勝ち点6)、勝ち点4でトットナム・ホットスパーとフランクフルトが並び、得失点差でトットナム・ホットスパーが上位となっている。初勝利をあげたマルセイユは勝ち点3、依然として最下位のままで第4節を迎える。

■国内リーグで初黒星を喫したマルセイユ

 第4節は第3節の翌週の半ば、10月12日に行われたが、第3節と第4節の間の週末にはそれぞれ国内リーグを戦った。スポルティング・リスボンはサンタクララとアウエーで対戦、スポルティング・リスボンは守田英正が先制、後半アディショナルタイムの91分に追加点を奪う。一方のサンタクララも96分に田川亨介が得点をあげるが、スポルティング・リスボンが今季5勝目をあげ、順位を5位に上げる。一方のマルセイユはアジャクシオと対戦、1-2と今季のリーグ戦で初黒星となった。それまではパリサンジェルマンと勝ち点で並んでいたが、初めて勝ち点で差をつけられた。

■試合前の予想に反し、アウエーのマルセイユが試合を支配

 スポルティング・リスボンは前週のマルセイユの試合ではGKアントニオ・アダンが退場し、出場停止となったが、先発メンバーは2人しか変えずにホームでの戦いに挑む。一方のマルセイユはリーグ戦とカップ戦でターンオーバー制を採用、メンバー的には1人が変わっただけ、ジェンギス・ウンデルに代わってバランタン・ロンジを起用、ロンジが主将を務める。またロンジが中盤に加わったため、第3節では中盤を務めていたマテオ・ゲンドウジがウンデルが務めていた右FWに入る。
 マルセイユを迎えるのはリスボンのジョゼ・アルバラーデ競技場、新型コロナウイルスの感染の始まった2019-20シーズンのチャンピオンズリーグの決勝トーナメントの準々決勝以降はリスボンで集中開催され、フランス勢ではこの競技場でパリサンジェルマンとリヨンが戦ったが、マルセイユにとっては初めてのスタジアムである。チームカラーの緑に染まり、威圧感満載である。マルセイユは欧州カップのアウエーの試合では10年以上勝利していない。さらにチャンピオンズリーグに限れば、アウエーでの最後のゴールは2013年11月までさかのぼらなくてはならない。
 1週間前のマルセイユでの大勝は記憶に新しいが、スポルティング・リスボンに退場者が出たこともあり、戦前の予想ではホームのスポルティング・リスボンが優勢であったが、意外な展開となった。漆黒のユニフォームのマルセイユの選手が積極的にプレスをかけ、緑と白のスポルティング・リスボンは攻め手を失う。

■2人が退場したスポルティング・リスボンを圧倒したマルセイユ、勝ち点6で並ぶ

 守勢に回ったスポルティング・リスボンはマルセイユの攻撃をファウルで止め、リカルド・エスガイオは16分、19分と警告を受け、スポルティング・リスボンはフィールドプレーヤーを1人失った。また2枚目のイエローカードはペナルティエリア内でパスを受けたアミン・アリに対するもので、マルセイユにPKが与えられた。これをマテオ・ゲンドウジが決めてマルセイユが先制、スポルティング・リスボンは1人減ったバランスをとるために守田英正をベンチに下げざるを得なかった。攻め続けるマルセイユは30分にアレクシス・サンチェスが追加点を決める。
 スポルティング・リスボンは61分にも退場者を出し、2人少なくなり、マルセイユの一方的な試合となった。マルセイユは追加点こそなかったが、連敗から連勝、勝ち点6でスポルティング・リスボンと並び、首位のトッテナム・ホットスパー(イングランド)を勝ち点1差で追うのである。(この項、終わり)

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