第3566回 パリサンジェルマン、ついに優勝 (5) 延長戦で撃ち合いを制したインテル・ミラノ
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■決勝トーナメントに入って得点力をあげたインテル・ミラノ
4月30日にスペインのバルセロナで行われたバルセロナとインテル・ミラノ(イタリア)の準決勝第1戦は3-3のドローとなった。前回の本連載で紹介してきた通り、得点力はあるが、失点も多いバルセロナに対し、鉄壁の守備を誇るが、得点力のないインテル・ミラノという対照的なチームの対戦となったが、バルセロナでの第1戦は両チームが3点ずつ得点をあげ、バルセロナペースの試合となった。なお、インテル・ミラノが3得点をあげたのはチャンピオンズリーグではリーグフェーズでベオグラード・レッドスター(セルビア)戦とモナコ戦の2回だけ、リーグフェーズの残り6試合は1得点以下であった。ただ、決勝トーナメントに入ってからはそれまでの4試合すべてで2得点をあげており、バルセロナでの3ゴールの予兆はあった。
■欧州カップ史上4番目に対戦の多いインテル・ミラノ-バルセロナ戦
そして第2戦は5月6日にミラノで行われる。これが両チームの欧州カップでの18回目の対戦となる。インテル・ミラノにとってはレアル・マドリッド(スペイン)の19試合に次いで対戦歴の多いチームである。なお、欧州カップで最多の対戦歴を誇るのはバイエルン・ミュンヘン(ドイツ)とレアル・マドリッドの28試合、その次はユベントス(イタリア)とレアル・マドリッドの21試合、それに次いでインテル・ミラノ-バルセロナ戦、インテル・ミラノ-レアル・マドリッド戦となる。欧州で4番目に対戦歴の多いこのカードの過去の戦績はバルセロナの8勝、インテル・ミラノの3勝、6つの引き分けである。
■2点先行して後半を迎えるインテル・ミラノ
1週間前にバルセロナで行われた17試合目とは逆に今度はロースコアのインテル・ミラノペースの試合になるかと思われた。その通り、試合開始から両チームともなかなかシュートを放つことができず、この試合最初のシュートは15分のバルセロナのラミン・ヤマルが左足で放つまで待たなくてはならなかった。このシュートはインテル・ミラノのGKヤン・ゾマーに防がれたが、その6分後にインテル・ミラノが先制点を奪う。フェデリコ・ディマルコからのスルーパスを受けたデンゼル・ダンフリースが中央に折り返し、ノーマークとなったラウタロ・マルティネスが決める。インテル・ミラノのファンはこの1点で十分かと思ったであろう。26分にはペナルティエリア内でインテル・ミラノのフランチェスコ・アチェルビの手にボールが接触し、バルセロナにPKかと思われたが、VARの結果ハンドは認められなかった。逆に、前半終了間際にラウタロ・マルティネスがペナルティエリア内で倒され、インテル・ミラノはハカン・チャルハノールがPKを決めて2点差で折り返す。
■3連続ゴールで逆転したバルセロナ、追いついたインテル・ミラノが延長で決勝点
ボール支配率で7割近い数字を残しながら2点をリードされたバルセロナが反撃する。52分にアチェルビのゴールがオフサイドで取り消しになり、54分にはゴール前でボールをつないで、この日ジュール・クンデに代わって先発したエリック・ガルシアのボレーシュートで1点返し、60分にダニ・オルモのヘディングシュートで追いついた。優勢に試合を進めたバルセロナは87分にラフィーニャがゾマーと一対一になってシュート、ゾマーはセーブしたが再びラフィーニャがこぼれ球をシュート、ついに逆転した。しかし、後半アディショナルタイムの93分、インテル・ミラノはダンフリースのクロスをアチェルビが決めて同点、3-3となり延長戦に突入した。
延長に入って99分、インテル・ミラノは右サイドからマルクス・テュラムがダビデ・フラッテージにパス、これを右足でシュート、ボールはファーサイドのサイドネットを揺らし、インテル・ミラノが4-3と得点の取り合いを制し、決勝進出を決めたのである。(続く)