第2282回 リーグ戦再開前に行われたリーグカップ (3) 四強はモナコ、レンヌ、モンペリエ、パリサンジェルマン

 7年前の東日本大震災、一昨年の平成28年熊本地震などで被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。また、復興活動に従事されている皆様に敬意を表し、被災地域だけではなくすべての日本の皆様に激励の意を表します。

■フランスカップのベスト32決定戦の3日後に行われるリーグカップ準々決勝

 年が変わり、最初の週末にベスト32決定戦を戦った1部勢、その模様については本連載の第22回から第2279回で紹介したとおりであるが、その20チームのうち8チームは直後の火曜日の9日と水曜日の10日にリーグカップの準決勝を戦うという強行日程である。
 準々決勝の組み合わせは9日にニース-モナコ、10日にレンヌ-トゥールーズ、アミアン-パリサンジェルマン、アンジェ-モンペリエである。このうちフランスカップの結果を振り返ってみるならば、勝利したのはモナコ、モンペリエ、トゥールーズ、パリサンジェルマン、敗れたのがニース、レンヌ、アミアン、アンジェと4チームずつになっている。1部勢としては成績が悪いように思われるが、ニースはトゥールーズに、レンヌはパリサンジェルマンに敗れており、リーグカップで勝ち進んでお返しをすることも可能である。

■欧州組同士の南仏ダービーはモナコが勝利

 9日のニース-モナコ戦は欧州組同士の南仏のダービーということに加え、モナコはリーグ戦2位、ニースも11月末からリーグ戦では勝利を重ねて6位まで順位を上げており、注目の一戦となった。ニースのアリアンツ・アリーナにはフランスカップで敗れたばかりではあるが、今年初めての試合ということでほぼ2万人の観客が集まった。試合は3分にモナコのトマ・ルマールが先制点をあげるが、その後は地元ファンの期待通りにニースは試合を支配する。そして18分にこの日ベンチ外のマリオ・バロテッリに代わって入ったアラッサン・プレアが同点ゴールをあげる。試合展開からニースが逆転するかと思われたが、しかしながら、決め手に欠き、なかなかシュートまで持っていくことができない。逆に37分にモナコのディアマ・ディアカビが右サイドからのクロスに合わせてシュート、効率的な攻撃のできないニースをモナコは下し、四強入りしたのである。一方のニースはヨーロッパリーグでは決勝トーナメントに進出したが、国内についてはフランスカップ、リーグカップとわずか4日間で2つのタイトルの希望を失ってしまった。

■終盤に出場したアドリアン・ウヌの2得点でレンヌが勝利

 10日は18時45分からレンヌ-トゥールーズ戦が行われた。直前のフランスカップでパリサンジェルマンに敗れたレンヌとニースを破ったトゥールーズの戦いとなったが、レンヌには救世主が現れた。試合はレンヌが先行し、トゥールーズが追いつくという2-2というスコアで終盤を迎える。残り数分となった83分にレンヌはエースストライカーのヨアン・グルクフに代えてアドリアン・ウヌを出場させる。昨季はトップチームと下部チームを往復しており、今季も半数程度の試合しか出場していない24歳の選手である。今季はリーグ戦でわずか2得点であったが、ウヌは86分にはFKからバンジャマン・ブリジョーが直接ゴールを狙い、そのこぼれ球を押し込んで勝ち越し点をあげ、さらにアディショナルタイムの92分にも得点をあげて、レンヌが4-2と勝利する。
 21時5分にはアンジェとアミアンでキックオフされた。アンジェは守勢の試合をよく守っていたが、終盤の86分にモンペリエで途中から交代してきたイザーク・エンベンザに決勝点を奪われ、フランスカップに続いて連敗を喫する。

■苦戦したパリサンジェルマンもアミアンを下す

 マルセイユファンのエマニュエル・マクロン大統領の出身地のアミアン、相手はマルセイユの最大のライバル、パリサンジェルマンである。パリサンジェルマンにとっては3日前のレンヌ戦に次いでアウエーでのカップ戦となる。ホームのアミアンは10分過ぎにDFが1人負傷退場し、34分にはGKのレジス・グルトネがペナルティエリア外でキリアン・ムバッペを倒してしまい、退場となる。1人少なくなったアミアンはよく守り、前半は無失点でしのぎ、パリサンジェルマンは苦戦する。しかし、後半の52分、ネイマールがペナルティエリア内で倒され、ネイマール自身がPKを決めて先制する。さらに78分にアドリアン・ラビオが追加点をあげて、準決勝に進んだのである。(この項、終わり)

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