第1322回 米国、ベルギーと親善試合(2) オリビエ・ジルーとマキシム・ゴナロンが初選出

 3月11日に起こった東北地方太平洋沖地震で被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。また、救援活動、復旧活動に従事されている皆様に敬意を表し、東北地方だけではなくすべての日本の皆様に激励の意を表します。

■好調モンペリエから初選出となったオリビエ・ジルー

 米国、ベルギーとの連戦に向けて、ローラン・ブラン監督は11月4日に22人のメンバーを発表した。ローラン・ブラン監督は22人のメンバーを発表した。GKはウーゴ・ロリス、スティーブ・マンダンダ、セドリック・カラッソの3人、DFはエリック・アビダル、アントニー・レベイエール、アディル・ラミ、ローラン・コシールニー、マチュー・ドビュッシー、ジェレミー・マチュー、ママドゥ・サコの7人、MFはアルー・ディアラ、ヤン・エムビラ、サミール・ナスリ、フローラン・マルーダ、ヨアン・カバイエ、マルバン・マルタンの6人、FWはカリム・ベンゼマ、ジェレミー・メネス、ケビン・ガメイロ、ロイック・レミー、オリビエ・ジルー、フランク・リベリーの6人である。
 0月のアルバニアとボスニア・ヘルツェゴビナとの連戦のメンバーと比較すると、パトリス・エブラ、ユネス・カブール、マチュー・バルブエナ、バフェタンビ・ゴミス、ジブリル・シセが外れ、ベンゼマ、ナスリ、サコの3人が復帰、そして唯一の新人として25歳のFWのジルーが加わった。ベンゼマ、ナスリという国外のビッグクラブの主力選手の復帰の中で唯一の新人となったジルーは、モンペリエに所属している。モンペリエは今季リーグ戦で好調でパリサンジェルマンに次いで2位である。ブラン監督自身もモンペリエに所属していた時にフランス代表として活躍しているが、誰しもが認めるリーグ戦の活躍がブルーのユニフォームを引き寄せたのであろう。

■多くが代表入りしたフランスのビッグクラブ

 そして注目すべきはリーグ戦首位のパリサンジェルマンである。パリサンジェルマンは今季リーグ戦で首位を走り、17年ぶりのリーグ優勝を狙っている。その首都パリからはサコ、ガメイロ、メネスの3人が選ばれた。マルセイユからはマンダンダ、アルー・ディアラ、レミーの3人、リヨンからはロリス、レベイエールの2人というように国内のビッグクラブから多くの選手が選出された。そして昨季のリーグチャンピオンのリールからはドビュッシー、ヨーロッパリーグに参戦しているレンヌからはエムビラが代表入りしており、フランスのクラブに所属していて今季の欧州カップに出場していないのはボルドーのカラッソとソショーのマルタンと先述したモンペリエのジルーの3人だけである。
 他方、国外のクラブに所属している選手は8人であるが、イングランドのニューカッスルに所属するカバイエ以外は欧州カップに出場している。

■サミール・ナスリが離脱、マキシム・ゴナロンが代表入り

 メンバーは8日の火曜日にクレールフォンテーヌに集合したが、メディカルチェックの結果、ナスリのひざの状態が思わしくなく、メンバーから離れることになった。その代わりにブラン監督はリヨンのマキシム・ゴナロンを招集する。ゴナロンも代表から初めて声がかかった選手である。ゴナロンはアマチュア時代に脚部切断の危機に襲われたが、治癒してリヨンとプロ契約、ポジションはMFであるが、リヨンではブラジル代表のストッパーのクリスの負傷時にストッパーを守ったこともあり、代表チームの弱点であることからチャンスをつかみたいところである。

■ワールドカップの常連国となった米国

 まず11日に対戦する米国はフランスで初めて試合を行う。サッカー不毛の地と言われた米国であるが、北中米・カリブ地域の米国はにおけるワールドカップ常連国となり、ワールドカップ予選は来年6月から始まる3次予選からの参戦となる。世界ランキングは31位、この地域ではメキシコの22位に次ぐ2番手であり、ブラジル行も有望視されている。10月のインターナショナルマッチデーには国内でホンジュラス、エクアドルと親善試合を行っている。世界ランキング位であり、北中米・カリブ地域で3番手のホンジュラスには1-0と勝利、10月7日に南米予選の第1戦でベネズエラに2-0と勝利したばかりのエクアドルには0-1と敗れている。
 フランスはベルギー戦にベストメンバーで臨むであろうが、米国戦でチャンスを何人の選手がつかむことができるだろうか。(続く)

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