第3549回 パリサンジェルマン、5年ぶりの決勝進出 (2) ロンドンでアーセナルに初勝利

 平成23年東日本大震災、平成28年熊本地震、平成30年7月豪雨、台風15号、19号、令和2年7月豪雨、令和6年能登半島地震などで被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。また、復興活動に従事されている皆様に敬意を表し、被災地域だけではなくすべての日本の皆様に激励の意を表します。

■国内リーグでの無敗がストップしたパリサンジェルマン

 チャンピオンズリーグ準決勝、イングランドのアーセナルとの第1戦は4月29日、ロンドンのアーセナルスタジアムで行われた。国内リーグでは4月5日のアンジェ戦に勝利して早々に優勝を決めたパリサンジェルマンはフランスカップも含め、国内外三冠に加え、リーグ戦では史上初の無敗での優勝を目指した。ところが、4月25日にホームで行われたニース戦では終始試合を圧倒しながら、前半34分に先制を許し、41分にファビアン・ルイスのゴールで追いついたものの、後半開始直後に勝ち越し点を奪われ、さらに70分にも追加点を許し、1-3で敗れてしまう。ボール支配率は75%を超え、シュート数はニースの4本に対しパリサンジェルマンは22本、圧倒的に押している試合で2点差で敗れ、今季国内の相手に初めて敗れてしまった。

■信念の先発メンバーを送り出したルイス・エンリケ監督

 そのニース戦の4日後にパリサンジェルマンの選手はドーバー海峡を渡り、これまで5回試合をして一度も勝利することができないアーセナルと対戦することになった。ショッキングな結果となったニース戦であるが、ルイス・エンリケ監督の考えに揺るぎはなかった。アーセナル戦の先発メンバーはニース戦の先発メンバーと全く同じだったのである。GKはジャンルイジ・ドンナルンマ、DFは右からアクラフ・ハキミ、マルキーニョス、ウィリアン・パチョ、ヌーノ・メンデス、MFは右からジョアン・ネベス、ビティーニャ、ファビアン・ルイス、FWは中央にウスマン・デンベレ、右にデジレ・ドゥエ、左にクビチャ・クバラツヘリアという布陣である。
 一方のアーセナル、こちらの直近の試合はリーグ戦第34節、本来であれば4月26日の土曜日化27日の日曜日に行われる試合、アーセナルは水曜日の23日に前倒ししてクリスタル・パレスとホームで対戦、終盤に追いつかれて2-2のドローとなったが、アーセナルは2月22日にリーグ戦でウエストハムに敗れて以来、国内リーグ戦とチャンピオンズリーグでは無敗、6勝6分という成績を残している。クリスタル・パレス戦とはメンバーを2人入れ替え、出場停止のトーマス・パーティーに代わって23、またクリスタル・パレス戦とは逆にブカヨ・サカが先発し、ラーヒム・スターリングはベンチスタートとなり、マルティン・ウーデゴールが主将を務める。

■中盤から駆け上がったウスマン・デンベレが先制点

 パリサンジェルマンのキックオフで始まった試合、アウエーのパリサンジェルマンが先制する。4分にパリサンジェルマンはセンターサークル付近で後方からのパスを受けたデンベレが、左前方のクバラツヘリアにパス、クバラツヘリアは中央にマイナスのパス、ここに走りこんできたのがパスを出したデンベレであった。デンベレは左足でシュート、これが、ダビド・ラヤの守るゴールネットを揺らす。デンベレは今大会8ゴール3アシストで合計11得点に絡む。この数字は2020-21シーズンにキリアン・ムバッペが記録したのと同じ、チャンピオンズリーグでのクラブ史上最高の数字である。

■パリサンジェルマン、6回目の対戦で初めての勝利

 守備面での貢献も評価されるデンベレであるが、このゴールは中盤での動きが自身の得点につながり、今季のデンベレを象徴するゴールであった。パリサンジェルマンは精度の高いパスをつなぎ、14分にハキミのクロスをマルキーニョスがヘディングシュート、26分には自陣ゴール前からつないでクバラツヘリアが左サイドからシュート、30分にはドゥエのシュートのこぼれ球をファビアン・ルイスのシュートがポストをたたくなど追加点のチャンスが続く。
 開始40分近くまで攻撃のできなかったアーセナルだが、39分にサカがクバラツヘリアを抜いてシュートを放ったのを皮切りに、パリサンジェルマンをゴール前にくぎ付けにする。40分にもサカがゴール前にクロス、これは惜しくもガブリエル・マルティネリが届かない。
 後半に入っても両チームゴール前までボールを持ち込むが、最後のシュートが精度を欠くか、ドンナルンマとラヤという両チームのGKの活躍に阻まれ、パリサンジェルマンが1-0というスコアで、6回目の対戦で初勝利をあげたのである。(続く)

このページのTOPへ