第3551回 パリサンジェルマン、5年ぶりの決勝進出 (4) キックオフ直後から一方的に攻めたアーセナル

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■唯一の優勝時は準決勝でパリサンジェルマンを下したアーセナル

 これまで欧州カップでの決勝進出回数はパリサンジェルマンは3回、1996年のカップウィナーズカップ、1997年のカップウィナーズカップ、2020年のチャンピオンズリーグであるが、この中で優勝したのは1996年だけである。
 一方のアーセナルは6回、1980年のカップウィナーズカップ、1994年のカップウィナーズカップ、1995年のカップウィナーズカップ、2000年のUEFAカップ、2006年のチャンピオンズリーグ、2019年のヨーロッパリーグ、ところがパリサンジェルマン同様、優勝したのは1994年のカップウィナーズカップだけであるが、その時の準決勝の相手がパリサンジェルマンだったのである。

■第1戦同様、ホームのユニフォームで戦うアーセナル

 ホームの第1戦を落としているとはいえ、アーセナルも十分に勝機がある。前回の本連載でパリサンジェルマンはダニエル・エシュテルモデルのホームのユニフォームを着用すると紹介したが、アーセナルはパリサンジェルマンが濃紺を基調としたユニフォームであることから、第1戦同様、ホームの赤と白のユニフォームを着用した。
 アーセナルの先発メンバーはGKはダビド・ラヤ、DFは右からユリエン・ティンバー、ウィリアン・サリバ、ヤクプ・キビオル、マイルズ・ルイス・スケリー、MFは右からマルティン・ウーデゴール、デクラン・ライス、トーマス・パーティー、FWは右からブカヨ・サカ、ミケル・メリーノ、ガブリエル・マリティネリという陣容、前週の第1戦で退場になって出場停止となったレアンドロ・トロサールがメリーノに代わっただけである。

■第1戦の殊勲者ウスマン・デンベレがベンチスタートとなるパリサンジェルマン

 一方のパリサンジェルマン、GKはジャンルイジ・ドンナルンマ、DFは右からアクラフ・ハキミ、マルキーニョス、ウィリアン・パチョ、ヌーノ・メンデス、MFは右からジョアン・ネベス、ビティーニャ、ファビアン・ルイス、FWは中央にデジレ・ドゥエ、右にクビチャ・クバラツヘリア、左にブラッドリー・バルコラという布陣である。こちらも第1戦の殊勲者のデンベレが負傷のため、ベンチスタートとなり、バルコラが入っただけであり、すなわち、両チームとも第1戦のメンバーを信じてパルク・デ・プランスのピッチに選手を送り込んだのである。

■試合序盤はパリサンジェルマンをゴール前にくぎ付けにしたアーセナル

 そしてこの試合はロンドンでの第1戦と同じようにアウエーチームが優勢に試合を進めた。ロンドンでの第1戦では試合が始まって3分以内にアーセナルは2本しかパスをつなぐことができなかったが、パリでの試合は序盤から積極的にアーセナルが積極的にパリサンジェルマンを追い込む。
 パリサンジェルマンのキックオフで始まった試合であったが、アーセナルはプレスをかけ、いきなりパリサンジェルマンはタッチに蹴りだしてしまう。アーセナルは攻め込み、3分にはサカをパリサンジェルマンの守備陣がいったんは止めたが、アーセナルはティンバーがすぐにボールを奪い返し、クロスをあげる。これをゴール前でメリーノがマルキーニョスに競り勝ってヘディングシュート、これは枠をとらえられなかった。さらに、続く4分には左サイドからスローインのチャンスをつかむ。パーティーがロングスロー、直前の守備でメリーノに競り負けているパリサンジェルマンの主将マルキーニョスは、またメリーノと競り合うが、落下地点を誤り、スローインのボールはマルキーニョスとメリーノを超えたところに落ちる。これを後ろから走りこんできたマリティネリがシュート、今度はゴールの枠をとらえるが、至近距離からのシュートをドンナルンマがセーブしてパリサンジェルマンを救う。
 そして7分にはアーセナルのライスが右から蹴ったCKをドンナルンマがパンチングで防ぐ。アーセナルの攻撃は続く、8分には右サイドからのロングスロー、パリサンジェルマンの守備陣はクリアしたが、このこぼれ球をウーデゴールが強烈なシュート、ドンナルンマが左手一本でクリアし、CKに逃れる。
 パリサンジェルマンは自陣ゴール前にくぎ付けとなり、1週間前の試合とは逆の展開となったのである。(続く)

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