第3575回 3位に終わったUEFAネーションズリーグ (4) ドイツに勝利して3位を確保したフランス
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■2024年からは立ち直り、フランスに2連勝中のドイツ
昨年の欧州選手権に続いて準決勝でスペインに敗れたフランス、ドイツとの3位決定戦に回る。準決勝から中2日、準決勝と同じシュツットガルトのMHPアレーナで3位決定戦が行われる。
ドイツは準決勝でポルトガルに敗れたが、ドイツの敗戦は昨年の欧州選手権の準々決勝のスペイン戦以来のことである。2023年は日本に敗れるなど不振であったが、2024年に復調し、昨年の黒星は欧州選手権の準々決勝だけであった。またフランスとは2023年9月にドルトムント、2024年3月にリヨンで親善試合を行っており、いずれもドイツが勝利している。フランスとして同一の相手に3連敗は避けたいところである。
■ロイック・バデが代表初出場、スペイン戦でゴールのラヤン・シェルキは初先発
この試合は青いユニフォームで臨むフランスの先発メンバーはGKはマイク・メニャン、DFは右からマロ・グスト、ロイック・バデ、ルカ・エルナンデス、ルカ・ディーニュ、MFはオーレリアン・チュアメニ、アドリアン・ラビオが低い位置、高い位置には右からランデル・コロムアニ、ラヤン・シェルキ、マルクス・テュラム、FWは1トップでキリアン・ムバッペとなる。スペイン戦とは大幅にメンバーを入れ替え、2試合連続先発はメニャン、ラビオ、ムバッペのみで、バデが代表デビューを果たし、スペイン戦では途中出場し、デビュー戦でゴールを決めたシェルキが代表初先発となった。
一方のドイツもポルトガル戦とはメンバーを入れ替え、GKはマルク・アンドレ・テア・シュテーゲン、DFは右からジョシュア・キミッヒ、ヨナタン・ター、ロビン・コッホ、ダビッド・ラウム、MFは右からカリム・アデイェミ、パスカル・グロス、レオン・ゴレツカ、フロリアン・ビルツ、FWはニック・ウォルトメイド、ニクラス・フュルクルクという陣容である。地元シュツットガルトから5人がドイツ代表に選出されたが、今回代表初招集となったウォルトメイドだけが先発した。
■ドイツの猛攻を耐え、前半アディショナルタイムにキリアン・ムバッペが先制点
試合は地元ドイツが主導権を握った展開となる。序盤からフランスのゴールを襲い、2分にはビルツの右足のシュートをメニャンがセーブする。5分にはフランスはピンチを迎えるがディーニュがヘディングでクリア、さらに6分にもメニャンがアデイェミのシュートをストップする。試合開始からのドイツの波状攻撃に何とか耐えたが、ボール支配率、シュートではドイツが優位を保つ中で、31分、ペナルティエリア内にボールを持ちこんだアデイェミがルカ・エルナンデスに倒される。主審はいったんはPKを宣言したが、フランスはVARで救われ、アデイェミのシミュレーションとなる。37分にはビルツのシュートがポストをたたく。前半終了間際には代表2試合目のウォルトメイドのシュートをメニャンが防ぐ。試合は前半アディショナルタイムとなり、フランスはチュアメニが前方にロングフィード、これをおさめたムバッペはキミッヒと対峙したが、キミッヒを交わしてシュート、これがこの試合最初のゴールとなった。
■追加点をあげたフランスが勝利、代表監督として勝利数で2位となったディディエ・デシャン監督
前半は多くのチャンスをつかみながら、逆に1点のリードを許したドイツ、後半も攻め続ける。後半開始時から交代出場したデニス・ウンダフが53分に同点ゴールを決めたかに見えたが、VARの結果、その直前のプレーでフュルクルクのラビオに対するファウルが認められ、まだゴールが取り消される。逆にフランスは84分に途中出場したミカエル・オリーズが追加点をあげ、2-0と勝利して3位を確保した。
なお、この試合の勝利によりディディエ・デシャン監督は代表通算107勝目となる。これはウルグアイのオスカー・タバレス元監督を抜いて代表監督として2番目に多い数字となった。ちなみにトップはドイツのヨアヒム・レーブ元監督の124勝である。ここまで169試合を率い、来年のワールドカップまで任期の残っている現在56歳のデシャン監督の記録更新に期待したい。(この項、終わり)