第3577回 クラブワールドカップのパリサンジェルマン(2) アトレチコ・マドリッドに圧勝
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■第1シードに入ったパリサンジェルマン
クラブワールドカップには32チームが出場し、大会形式はこれまでのワールドカップと同じであり、8つのグループに分かれ、上位2チームが決勝トーナメントに進み、16チームでノックアウト方式の決勝トーナメントを行う。
グループリーグの組み合わせ抽選、欧州から出場する12チームのうち、上位4チームが南米の上位4チームとともに第1シードとなる。第2シードは欧州のそれ以外の8チーム、第3シード、第4シードは南米の下位2チームとその他の大陸のチームの混合である。
パリサンジェルマンは欧州ではマンチェスター・シティ(イングランド)、レアル・マドリッド(スペイン)、バイエルン・ミュンヘン(ドイツ)に次ぐ4位、第1シードに入っている。パリサンジェルマンはグループBに入り、第2シードからはアトレチコ・マドリッド(スペイン)、第3シードからはボタフォゴ(ブラジル)、第4シードからはシアトル(米国)が入った。アジア勢との対戦がなかったことは恵まれていたが、南米のボタフォゴ、地元のシアトルとの対戦は楽ではないであろう。
■チャンピオンズリーグ決勝とほぼ同じ先発メンバーのパリサンジェルマン
パリサンジェルマンは5月31日にチャンピオンズリーグ決勝を戦い、クラブワールドカップの初戦を6月15日に迎えた。初戦の相手はアトレチコ・マドリッド、会場はパサデナのローズボウル、1994年のワールドカップで決勝戦を行ったスタジアムである。カリフォルニアの降り注ぐ陽光の下、2週間前に欧州王者になったチームを一目見ようと8万人の観衆が集まった。
パリサンジェルマンの先発メンバーはGKはジャンルイジ・ドンナルンマ、DFは右からアクラフ・ハキミ、マルキーニョス、ウィリアン・パチョ、ヌーノ・メンデス、MFは右からジョアン・ネベス、ビティーニャ、ファビアン・ルイス、FWは中央にゴンサロ・ラモス、右にデジレ・ドゥエ、左にブクビチャ・クバラツヘリア、チャンピオンズリーグ決勝の先発メンバーとはCFのウスマン・デンベレが負傷のためゴンサロ・ラモスに変更しただけである。また、主将はマルキーニョス、この試合が229試合目のキャプテンマークでドミニク・バテネイを抜いてクラブ史上歴代2位となった。1位はチアゴ・シウバの293試合、後2年必要である。
一方のアトレチコ・マドリッドもアントワン・グリエズマンをはじめとするメンバーはベストメンバー、パリサンジェルマンより1週早い5月25日にリーグ最終戦を戦って以来の試合となる。両チームともクラブワールドカップをシーズンオフの親善試合ではなく、真剣勝負ととらえている。
■試合を圧倒したパリサンジェルマン、前半に2点を上げる
先にゴールを脅かしたのはアトレチコ・マドリッド、3分にフリアン・アルバレスがシュートを放つが枠の外であった。試合はパリサンジェルマンのボール支配率が80%に達し、一方的な内容となる。先制点は時間の問題であった。17分にはゴンサロ・ラモスが初めての枠内シュートを放ち、18分のクバラツヘリアのシュートもアトレチコ・マドリッドのGKヤン・オブラックを襲う。そしてオブラックが止めることができなかったのが19分のファビアン・ルイスのシュートである。守勢のアトレチコ・マドリッドは前半のアディショナルタイムにチャンスをつかむが得点できず、逆にパリサンジェルマンはビティーニャが中央から持ち込んでペナルティエリアに入ったところでシュート、オブラックのセーブは及ばず、2点目となった。
■後半も2点を上げたパリサンジェルマンが圧勝
後半に入り、49分にはオブラックがクバラツヘリアのシュートをブロックし、57分にはアルバレスのシュートが入ったが、その直前にアトレチコ・マドリッドの選手にファウルがあり、ノーゴール。79分にはクレマン・ラングレが2枚目のイエローカードで退場する。パリサンジェルマンは試合終盤の86分にペナルティエリア内でアトレチコ・マドリッドの守備が乱れたところをボールを奪ったセニー・マユルが3点目を決め、アディショナルタイムにはPKを得て李康仁が決めて4-0と最大の難敵を一蹴したのである。(続く)