第3632回 好調な序盤戦となったフランス勢(7) リヨン勝利、第2節では最良の成績となったフランス勢

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■好守の後にミスを犯したRBザルツブルクのGKアレクサンダー・シュラガー

 ヨーロッパリーグのリーグフェーズ第1節でユトレヒト(オランダ)に勝利して、連勝を狙うリヨンはRBザルツブルク(オーストリア)相手に開始早々にPKを獲得したが、新加入のパベル・シュルツのシュートがGKアレクサンダー・シュラガーに簡単にキャッチされてしまう。
 その殊勲のGKがその5分後にミスを犯す。シュラガーが左サイドからのビルドアップを試みて出したパスがアダム・カラベクにインターセプトされる。カラベクからのクロスをマルティン・サトリアーノがヘディングシュート、リヨンは鮮やかな攻撃で先制したのである。ジョルジュ・ミカウターゼが去った後釜として9月に加入したばかりのウルグアイ代表のサトリアーノはリヨンで初ゴールとなった。

■波状攻撃で追加点をあげたリヨン

 リヨンは22分にもカラベツが右サイドを完全に崩してクロスをあげ、ニコラス・タグリアフィコがボレーシュートしようとするが、ステファン・ライナーがクリアする。リヨンは何回もゴール前に迫りながらも前半は追加点をあげることなく後半に入る。
 後半に入って57分、リヨンは右CKからのこぼれ球をノーマークのシュルツがミドルシュート、ゴール前に詰めていたコランタン・トリッソがコースを変えるが、ライナーがコーナーの方向にクリアする。これを拾ったのがカラベクであった。カラベクはゴール前にクロスを供給、ルーベン・クライファートが至近距離からヘディングシュート、リヨンに待望の追加点が入る。
 RBザルツブルクは北野颯太を投入、反撃を試み、65分にはリヨンからボールを奪って一気にゴール前に攻め込み、北野とともにピッチに入ったケリム・アライベゴビッチがシュートするがリヨンのGKドミニク・グレイフが両手でパンチングで防ぐ。
 その直後にはリヨンが攻め込み、トリッソのシュートがわずかに外れる。ゴール前の攻防の多い試合となったが、その後、両チーム無得点でリヨンが2-0と勝利した。

■10月第1週を終えた時点で上位チームの多いフランス勢

 これまで紹介してきた通り、10月第1週までのフランス勢の成績をまとめてみると、チャンピオンズリーグではパリサンジェルマンが2勝で全体順位は3位、マルセイユが1勝1敗で12位、モナコが1分1敗で30位となっている。ヨーロッパリーグではリヨンとリールが連勝、ニースは2敗である。ヨーロッパリーグのリーグフェーズで連勝したチームは7チーム、その中の2つがフランス勢であり、全体順位もリヨンが5位、リールが6位となっている。そして10月初めに開幕したカンファレンスリーグではストラスブールが白星発進している。

■10月第1週の1チーム平均の成績はフランスがトップ

 10月第1週に行われた試合のフランス勢の成績は5勝1分1敗となり、UEFAインデックスのポイント数は11ポイントとなる。ポイント数だけで言えばイングランドはフランスを上回る12ポイントを獲得しているが、イングランドは欧州カップに9チーム(チャンピオンズリーグ6チーム:リバプール、アーセナル、マンチェスター・シティ、チェルシー、ニューカッスル・ユナイテッド、トッテナム・ホットスパー、ヨーロッパリーグ2チーム:アストンビラ、ノッティンガム・フォレスト、カンファレンスリーグ1チーム:クリスタルパレス)が出場しており、1チーム当たりの獲得ポイント数は1.33にとどまる。一方、フランスは11を7で割ると1.571となる。第2節のリーグごとの1チーム平均獲得ポイント数は1位がフランス、2位はポーランド、3位はイタリア、4位はスペイン、5位はイングランドとなる。6位はスイスとトルコが並び、欧州5大リーグの中で最少となったのが8位のドイツである。ポーランドは4チームが欧州カップに参加し、10月最初の週は3勝1敗となった。
 フランス勢は第2節で好成績を残したが、代表のワールドカップ予選を経て、再び21日から次の節の試合が始まるのである。(この項、終わり)

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