第3722回 ワールドカップ予選、大陸間プレーオフ(2) ニューカレドニアの夢、グアダラハラで破れる
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■6番手のニューカレドニア、格上チームを次々と破り3次予選進出
豪州がアジアに移った後のオセアニアのサッカーはニュージーランドが圧倒的な位置を築き、ニューカレドニアはそれを追う集団の中の1つであった。またオセアニアの盟主のニュージーランドもワールドカップに出場するためには大陸間プレーオフを勝ち抜かなくてはならなかった。
しかし、今回の北中米大会は本大会出場国が48に拡大、ニューカレドニアにチャンスが訪れた。オセアニア予選には11か国が参加した。予選の組み合わせ決定時のFIFAランキングで160位のニューカレドニアは6番手であり、2次予選から参戦した。2次予選は4チームずつ2つのグループに分かれ、各グループの上位2チームが3次予選に進出する。ニューカレドニアはソロモン諸島、フィジー、パプアニューギニアと同じグループAとなり、総当たりのリーグ戦をランキング上位のフィジーとパプアニューギニアで行った。ニューカレドニアは格上のチームを押さえて、2勝1分でグループ首位となり、2位のフィジーと共に3次予選に進出した。
■ニュージーランドに決勝で敗れ、大陸間プレーオフへ
3次予選はグループBで首位となったニュージーランドと2位のタヒチを加えて、ランキング上位のニュージーランドでノックアウト方式で行われた。準決勝でニューカレドニアはタヒチとのフランス海外領土ダービーとなるが、ニューカレドニアはFIFAランキングで上位のタヒチを3-0と破り、決勝に進出する。
決勝で勝利すれば、ワールドカップ本大会の出場権を得ることができる。決勝の相手はニュージーランド、会場はラグビーの試合ではおなじみのウェリントンのイーデン・パーク、2万5000人の観衆で埋まる。ここまで格上の相手を下してきたニューカレドニアであったが、ここまで予選4試合で全勝、総得点25、総失点1という圧倒的な力を持つニュージーランドには歯が立たず、0-3で敗れ、準優勝に終わる。ただ、ニュージーランド相手にはオセアニア予選で最も良い成績を残し、さらにニューカレドニア史上初めてのワールドカップ予選の大陸間プレーオフ進出を決めたのである。
■初出場を目指し、代表入りしたアンジェロ・フルジニ
ニューカレドニアは準決勝で北中米カリブ海4位のジャマイカと対戦し、勝利すれば決勝でアフリカ10位のコンゴ民主共和国とワールドカップ出場を争う。もし、ニューカレドニアがワールドカップに出場すれば、フランスの海外県・海外領土として初めてのこととなる。そして英国四協会以外で独立していない国の本大会出場は1938年大会のオランダ領東インド以来のこととなる。なお、正確を期すならば、同じ1938年大会の予選を勝ち抜いたオーストリアはナチスドイツに併合されたため、不出場となっている。
プレーオフに臨むニューカレドニアに実績のある選手が加わった。それが29歳のアンジェロ・フルジニである。コートジボワールのアビジャン生まれでフランス育ち、年代別代表にも選出され、18歳の時にバランシエンヌとプロ契約、国内外のクラブで活躍したが、本連載でも紹介したようにRCランスでの活躍は特筆すべきである。昨夏にサウジアラビアのアル・タアーウンに移籍、日本の皆様はよくご存じであろう。フルジニは父親がイタリア系であるためイタリア風の名前であるが、母親がニューカレドニアの先住民族であるカナックであることから、昨年12月にニューカレドニア代表の資格を得て、フルジニはニューカレドニア代表入りし、このジャマイカ戦がデビューとなる。
■グアダラハラでジャマイカに0-1で敗れる
プレーオフは本大会の開催国であるメキシコのグアダラハラ、フランスのサッカーファンにとっては忘れられない地名である。1986年大会の準々決勝のブラジル戦が行われた都市である。会場は2010年にオープンしたアクロン競技場、本大会でも使用する競技場には4万以上の観衆が集まった。
代表チームはレ・カグという愛称で呼ばれているが、これは「王様たち」という意味、しかし、過去にワールドカップ出場歴のあるジャマイカに攻め込まれる。18分にジャマイカは先制点をあげる。この1点が重くのしかかり、ニューカレドニアの夢は本大会の開催地であるグアダラハラで敗れたのである。(続く)
