第3829回 ジネディーヌ・ジダン新体制スタート(9) イタリアの新監督、ロベルト・マンチーニ
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■混迷を続けたイタリアの監督選び
ジネディーヌ・ジダン監督の第3戦はホームでのデビュー戦、その相手がジダンの現役最後の試合の相手であり、ワールドカップ決勝で無念の退場となったイタリアとあれば、ファンの関心は高く、チケットは発売とともに即完売となった。
イタリアはワールドカップでは2018年大会、2022年大会、2026年大会と3大会連続して予選落ちしている。2025年6月にルチアーノ・スパレッティ監督の後任に闘犬として名をはせたジェンナーロ・ガットゥーゾが監督に就任、ワールドカップ出場を目指したが、今年3月のプレーオフでボスニア・ヘルツェゴビナにPK戦で敗退、ガットゥーゾ監督も更迭となった。後任監督は当初はアンドレア・ピルロが有力視されたが、ロシア系のブックメーカーとの関係が問題となって白紙となる。そしてジョゼップ・グアルディオラに声をかけたが断られてしまう。
■2回目の代表監督となるロベルト・マンチーニ
ようやく7月になって決定したのがロベルト・マンチーニであった。現役時代はほぼサンプドリア一筋、引退後は指導者として国内外のビッグクラブの指揮を執った。マンチーニ新監督は、これが2回目のイタリア代表監督である。2018年5月、ワールドカップ予選で敗退した直後の代表チームの監督に就任する。ここからマンチーニの無敗街道が始まる。31戦連続無敗、12連勝、1168分間無失点というとんでもない成績を残し、1年延期となって2021年に開催された欧州選手権では決勝でイングランドを破り、53年ぶりの優勝を飾った。誰しもがワールドカップ2018年大会の予選落ちは何かの間違いであり、イタリアは復権すると思ったであろう。
ところが、2022年大会予選ではスイスに次いでグループ2位にとどまり、プレーオフに回る。プレーオフの相手はワールドカップに出場したことのない北マケドニア、0-1でイタリアは破れ、2大会連続の予選落ちとなった。ただ、2026年までの契約が残っており、その後もマンチーニは監督を続けたが、翌年の2023年8月に、代表監督を辞任、サウジアラビアの代表監督となる。スパレッティが監督となるがチームを立て直せず、ガットゥーゾ監督のチームは3大会連続予選落ちとなる。
■復帰初戦はホームでベルギーに敗れる
このように名誉も汚名もあるマンチーニに託さざるを得ないというのが現在のイタリアである。マンチーニ監督の復帰第1戦はローマのスタディオ・オリンピコ、観衆は5万に満たず、現在のファンのイタリア代表に対する期待の低さが伝わってくる。この国内最高の舞台でベルギーに0-2と敗れてしまう。ただ、その3日後、イタリアはアウエーでトルコと対戦、この試合は4-1と大勝、マンチーニ監督は3年ぶりの勝利をあげた。
■2006年ワールドカップ決勝を最後に低迷が続くイタリア
そしてこのフランス戦である。ワールドカップでは3大会連続で予選落ちしているが、実はその前の2大会、2014年ブラジル大会も2010年南アフリカ大会も本大会に出場したもののグループリーグで敗退している。すなわち、2006年の決勝でフランスを破ったのがイタリアにとってはワールドカップでの最後の決勝トーナメントでの戦いなのである。
すなわち、ジダンにとっては代表最後の試合を不本意な形で戦ったが、PK戦で勝利したイタリアもその後、長いトンネルに入ってしまったのである。
ジダンはこれまでの本連載で紹介した通り、現役時代最後の大会となった2006年ワールドカップでは最優秀選手に選出され、所属するレアル・マドリッドも退団する。引退後は解説者を経て、レアル・マドリッドのスタッフとなり、監督を務めても数々の栄光を手にしてきた。
このようにジダンというとレアル・マドリッドのイメージが強いが、ジダンが初めて外国でプレーしたのはユベントス、イタリアのチームである。ユベントスには1996年から2001年までの5季在籍していた。今年は、ジダンがユベントスに移籍してから30年、イタリア戦で現役引退してから20年にあたる。さまざまな思いを持ってジダンはスタッド・ド・フランスの地に立つのである。(続く)
