第2511回 シーズン終了後の欧州選手権予選(5) 初先発組が活躍、アンドラに完勝、首位を奪回

 8年前の東日本大震災、3年前の平成28年熊本地震、昨年の平成30年7月豪雨などで被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。また、復興活動に従事されている皆様に敬意を表し、被災地域だけではなくすべての日本の皆様に激励の意を表します。

■過去3戦全勝のアンドラと対戦するフランス

 シーズン終了後に行われる欧州選手権予選グループH、フランスは6月8日にトルコと対戦し、精彩を欠く内容で0-2と完敗、第3シードのトルコに首位の座を譲る。第2シードのアイスランドはホームでアルバニアに1-0と勝利し、フランスと並ぶ2勝1敗となった。
  第4戦はフランスはアウエーでアンドラ、アイスランドがトルコを迎える。トルコがフランスに次いでアイスランドも撃破すれば、一気に波に乗ることになる。一方、アイスランドがトルコを破ればグループHは3か国による混戦となる。
 フランスの相手はアンドラ、ピレネーにある小国である。フランスはこれまでにアンドラと対戦したことは3回、2000年の欧州選手権予選で2試合、そして2004年の欧州選手権直前のモンペリエでの親善試合である。いずれもフランスが完封勝利を収め、フランスは3試合で7得点をあげている。トルコに完敗したとはいえ、フランスの勝利は堅いところである。ワールドカップ以降なかなか実現できなかった新戦力のテストをしたいところである。

■トルコ戦から大量7人を入れ替えた先発メンバー

 フランスはトルコ戦とはメンバーを7人も入れ替える。フランスの先発メンバーはGKはウーゴ・ロリス、DFは右からレオ・デュボワ、クルト・ズーマ、クレマン・ラングレ、フェルラン・マンディ、守備的なMFは右にポール・ポグバ、左にタンギ・ヌドンベレ、攻撃的なMFは右にフローリアン・トーバン、左にキリアン・ムバッペ、トップ下の中央にはアントワン・グリエズマン、そして1トップにはウィッサム・ベン・イェデルである。
 当初はストッパーのラファエル・バラン、1トップにオリビエ・ジルーを起用すると予想されたが、デシャン監督はこの2人に代えて代表経験の少ない2人を起用した。他方、主将のロリス、中盤のポグバ、トップ下のグリエズマンという選手は連続して出場する。

■代表に欠かせない存在となったキリアン・ムバッペ

 さらにムバッペの名も常にある。ムバッペは2017年3月25日のルクセンブルク戦で代表にデビューして以来33試合連続で出場、そして同年6月13日のイングランド戦以来29試合連続で先発出場している。20歳にしてフランス代表には欠かせない存在となったのである。
 そのムバッペはこの試合でも存在感を見せた。11分にグリエズマンからの縦パスを受けて右足で先制点をあげる。代表33試合目にして13得点となったが、実はこれがムバッペがクラブと代表チームであげた通算100得点目となったのである。この内訳はモナコで27点、パリサンジェルマンで60点、代表で13点となっている。ムバッペの得点の特徴はそのほとんどが動きの中での得点であり、PK、FK、CKというセットプレーからの得点は1割に過ぎない。高速ドリブルと卓越したテクニックの中から生み出されるゴールはファンを魅了する。このアンドラ戦の直後に歴史的な日本訪問を控えているムバッペであるが常に全力フル回転である。そしてクラブと代表をあわせて100得点をあげたムバッペは20歳と5か月という若さである。これまでに通算100得点をあげたレジェンドの年齢はリオネル・メッシとロナウドが22歳3か月、クリスチャン・ロナウドが22歳11か月、フランス人ではティエリー・アンリが24歳1か月であり、ムバッペがいかに卓越した選手であるかを物語っている。

■初先発のウィッサム・ベン・イェデルとクルト・ズーマが追加点

 そしてムバッペ以外の選手も活躍している。30分にはこの日代表初先発のベン・イェデルが右足でシュート、28歳にしてフランス代表での初ゴールとなった。さらに前半のアディショナルタイムには右サイドをキングスレー・コマンと争うトーバンがムバッペからのクロスを受けて3点目。
 後半には初先発組のズーマが60分にグリエズマンのCKから4点目を決める。
 フランスはアンドラ相手に4-0と圧勝する。そしてアイスランドがトルコに2-1と勝利し、グループHはフランス、トルコ、アイスランドが3勝1敗で並び、得失点差でフランスが首位を奪回したのである。(この項、終わり)

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