第2587回 欧州選手権予選突破(6) ドイツ、ポルトガル、フランスがそろったグループF

 平成23年の東日本大震災、平成28年熊本地震、平成30年7月豪雨、この度の台風15号、19号などで被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。また、復興活動に従事されている皆様に敬意を表し、被災地域だけではなくすべての日本の皆様に激励の意を表します。

■12か国12都市で開催される本大会

 前回の本連載では欧州選手権の本大会出場に向けたプレーオフの組み分けとシード順について紹介したが、11月30日に本大会の組み合わせ抽選会が行われ、フランスはこれまでにない厳しいグループを形成することになった。
 今回は出場国数が24に増加し、4チームずつ6つのグループに分かれる。また、これまでは単独開催あるいは2か国の共同開催であったが、今回は12か国12都市での分散開催となる。これらの開催国もグループ分けに考慮しなくてはならない。
 大会形式はグループリーグを行い、16か国による決勝トーナメントで優勝を決めていくが、開催国の立候補については2つの選択肢があった。まず、グループリーグの試合を行い、場合によっては決勝トーナメント1回戦と準々決勝を行うという選択肢、そしてもう1つはこれらに加えて決勝トーナメントの準決勝と決勝を開催するという選択肢である。当然、後者に立候補するのは巨大スタジアムのある都市に限定される。一方、前者については、巨大スタジアムである必要はなく、これまで欧州選手権の本大会やチャンピオンズリーグの決勝というメガスポーツイベントを開催したことのない国にもチャンスが与えられる。

■決勝と準決勝を行うイングランドのロンドン

 この結果、イングランド(ロンドン)決勝、準決勝を行い、アゼルバイジャン(バクー)、ドイツ(ミュンヘン)、イタリア(ローマ)、ロシア(サンクトペテルブルク)、デンマーク(コペンハーゲン)、ハンガリー(ブダペスト)、オランダ(アムステルダム)、アイルランド(ダブリン)、ルーマニア(ブカレスト)、スコットランド(グラスゴー)、スペイン(ビルバオ)でグループリーグと決勝トーナメントの1回戦と準々決勝が行われる。そして6つのグループはバクーとローマ、コペンハーゲンとサンクトペテルブルク、アムステルダムとブカレスト、ロンドンとグラスゴー、ダブリンとビルバオ、ミュンヘンとブダペストというペアで行われ、開催国では自国の試合を優先的に行う。

■第1シード6か国のうち4か国は開催国

 すでに出場国のうち20カ国が決まっているが、この段階でグループリーグが開催される2都市ともその所在国の出場が決まっているのはコペンハーゲンのデンマークとサンクトペテルブルクのロシアである。抽選を行い、デンマークはコペンハーゲンで3試合を行うことになった。それ以外は現時点で出場が決まっている国(イタリア、オランダ、イングランド、スペイン、ドイツ)はホームで3試合を行うことになった。
 第1シード6か国のうち4か国(イタリア、イングランド、ドイツ、スペイン)はホームで3試合を戦う。また、各開催国のシード順を着目するならば、第2シードにロシアとオランダ、第3シードにデンマークが控える。ロシアは自動的にデンマークと同じグループとなり、このグループには第1シードからは開催国ではないベルギーかウクライナが入る。また、本大会出場となった場合は第4シードとなるプレーオフ出場国にはハンガリー、ルーマニア、アイルランド、スコットランドがいる。開催国のうちこの時点で自国出場の望みが絶たれたのはアゼルバイジャンのみである。

■2014年ワールドカップ優勝のドイツ、2016年欧州選手権優勝のポルトガル

 さて、注目の組み合わせ抽選であるが、フランスはグループFに入る。このグループFが第1シードのドイツ、第2シードのフランス、第3シードのポルトガル、第4シードはプレーオフ出場国となる。開催国もプレーオフに出場しているため、パスAの結果によってこの出場国は決まる。このグループFはミュンヘンとブダペストで開催され、パスAにおいてブルガリア、ハンガリー、アイスランドのいずれかが出場権を得た場合にはこのグループFに入る。パスAでルーマニアが出場権を得た場合は、ルーマニアは自国のブカレストで試合のあるグループCに回り、パスD(ジョージア、ベラルーシ、北マケドニア、コソボ)の勝者がグループFに入る。
 フランスはミュンヘンでドイツ、ブダペストでプレーオフ勝者、ポルトガルの順に戦う。グループFにはドイツ(2014年ワールドカップ優勝)、ポルトガル(2016年欧州選手権優勝)、フランス(2018年ワールドカップ優勝)という直近の主要大会の優勝チームがそろったのである。(この項、終わり)

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