第2737回 第2回UEFAネーションズリーグ開幕(14) 注目のポルトガル戦はスコアレスドロー

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■4バックシステムで臨むポルトガルとの頂上決戦

 9月の2試合を連勝でスタートしたフランスとポルトガル、優勝候補同士の対戦が10月11日にやってきた。満を持してポルトガルを迎え撃つフランスの先発メンバーは次のとおりである。
 GKはウーゴ・ロリス、DFは4バックで右からバンジャマン・パバール、ラファエル・バラン、プレスネル・キンペンベ、ルカ・エルナンデス、MFは4人、ダイヤモンド型に配置し、中盤の底にはエンゴロ・カンテ、右にポール・ポグバ、左にアドリアン・ラビオ、高めの位置のトップ下にはアントワン・グリエズマン、2トップは右にオリビエ・ジルー、左にキリアン・ムバッペとなる。9月の連戦は3バックで臨んだが、伝統の4バックに戻している。

■2016年の欧州選手権後に選手の入れ替わったフランス

 そしてこのメンバーは2年前のワールドカップ決勝とは2人が入れ替わっているだけであり、ストッパーのサミュエル・ウムティティに代わってキンペンベが入り、ブレーズ・マツィディに代わってラビオが入っている。また、2年前はジルーが1トップであったが、その後、ジルーとムバッペが2トップを組みようになってきた。
 ところが、4年前の欧州選手権の決勝のポルトガル戦では、途中交代出場まで含めても、ロリス、ポグバ、グリーズマンの3人だけが出場しているだけである。ディディエ・デシャン監督は長期政権となり、2014年のワールドカップ八強、2016年欧州選手権準優勝、2018年ワールドカップ優勝と実績を残してきたが、2016年の欧州選手権後に大幅にメンバーが入れ替わっている。これは自国開催の欧州選手権がピークとなるようにチーム作りをした表れであろう。

■5人が欧州王者の経験のあるポルトガル

 一方、ポルトガルのメンバーで4年前のフランス戦に出場していたのは、GKのルイ・パトリシオ、DFでペペ、ラファエル・ゲレイロ、MFのウィリアム・カルバーリョ、FWのクリスティアーノ・ロナウドの5人である。ポルトガルは2年前のロシアでのワールドカップは決勝トーナメント1回戦のウルグアイ戦で敗れ16強にとどまったが、その直後の第1回UEFAネーションズリーグでは優勝、この時の決勝のオランダ戦に出場していたメンバーとなると8人に上る。ポルトガルを率いるのはフェルナンド・サントス監督、日本の読者の皆様であれば2014年のブラジルでのワールドカップの際に対戦したギリシャの監督という認識であろう。フェルナンド・サントスはブラジルでのワールドカップの直後に母国ポルトガルの代表監督に就任、最初の主要大会である欧州選手権で優勝している。すなわち、デシャン監督は1度負けていることになる。

■両チーム無得点でドロー

 ポルトガルのキックオフで始まった試合、序盤から激しいプレーが出る。2分にポルトガルのルーベン・ディアスがジルーに対する危険なプレーでイエローカード、ジルーはいったんピッチを離れ、頭に包帯をしてカムバックしてきた。ボールさばきがしっかりとしているポルトガルはパスをつなぎ、序盤は互角の展開となる。20分過ぎにおる戸軽は波状攻撃をかけるが、得点にはならない。エースのクリスティアーノ・ロナウドは今までフランス戦に4試合出場しているがいまだノーゴールである。そのクリスティアーノ・ロナウドがいい形を作ったが、エルナンデスがこれを防ぐ。
 前半はボール支配率ではややポルトガルが優勢であるが、両チームとも決定的な形を作ることができず、0-0で折り返す。
 後半に入るとパスでポルトガルが優勢なのは変わらない。73分にはペペがシュートを決めたかに思われたが、これはオフサイドでノーゴールとなる。フランスはこぼれ球を数多く確保できるようになった。新型コロナウイルス禍での試合とあって、公式戦でも交代選手数が多く、ポルトガルは5人を交代させる。2年前のスタッド・ド・フランスでフランスからゴールを奪ったのは途中交代のエデルであった。
 しかし、両チーム得点をあげることができず、注目の一戦はスコアレスドローとなったのである。(続く)

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