第2903回 UEFAネーションズリーグファイナルズ(8) スペイン史上最年少の17歳のガビ

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■通算成績はスペインが優勢

 第2回UEFAネーションズリーグ、フランスの決勝の相手はスペインである。10年前に絶頂を極めたスペインもその後低迷期に入り、そしてルイス・エンリケ監督の就任後に復調してきた。現時点で世界ランキング4位のフランスと8位のスペインの過去の戦績はスペインが16勝7分12敗と勝ち越している。
 フランスとスペインの最近の対戦は2014年9月4日と2017年3月26日にいずれもスタッド・ド・フランスで親善試合を行っている。2014年はフランスが1-0と勝利したが、最新の両国の対戦となる2017年にはスペインが2-0と勝利している。タイトルマッチとしては2014年ワールドカップ予選、フランスはアウエーで引き分け、ホームで敗れている。本大会に限定すると2012年の欧州選手権では優勝したスペインに0-2と敗れており、フランスが本大会で勝利したのは2006年のワールドカップの決勝トーナメント1回戦の3-1というのが最後であり、今回勝利すれば主要国際大会の決勝トーナメントでの15年ぶりの勝利となる。

■準決勝に続き3バックシステムで臨むフランス

 5年後には冬季オリンピックの開会式の行われるミラノのサンシーロ競技場、観客数を3万人に絞って試合が行われた。
 フランスは準決勝のベルギー戦に引き続き、白いユニフォームを着用する。フランスの先発メンバーはGKはウーゴ・ロリス、DFは3人、右からジュール・クンデ、ラファエル・バラン、プレスネル・キンペンベとなる。MFは5人、低い位置に4人、右からバンジャマン・パバール、オーレリアン・チュアメニ、ポール・ポグバ、テオ・エルナンデスが並び、トップ下にはトップ下にアントワン・グリエズマン、FWは2トップでカリム・ベンゼマとキリアン・ムバッペという布陣である。ベルギー戦同様にディディエ・デシャン監督は3バックシステムを採用、3-4-1-2システムでタイトル獲得を狙う。準決勝で先発したアドリアン・ラビオは新型コロナウイルスに感染したため欠場し、チュアメニが代わりに入った。また、3バックの左はルカ・エルナンデスに代えてインパクトのあるキンペンベを起用した。それ以外の9人は不動である。また、ベルギー戦勝利の立役者のテオ・エルナンデスはACミランに所属しており、本拠地での戴冠を目指す。

■幅広い年齢層の両チームの先発メンバー

 一方の赤いユニフォームのスペイン、GKはウナイ・シモン、DFは4人で右からセサル・アスピリクエタ、アイメリク・ラポルト、パウ・トーレス、マルコス・アロンソ、MFは3人、右からガビ、セルヒオ・ブスケッツ、ロドリ、FWは右にフェラン・トーレス、中央にミケル・オヤルサバル、左にパブロ・サラビアという陣容である。
 両チームとも年齢層が幅広く、30歳以上の選手はフランスは3人(ロリス、ベンゼマ、グリエズマン)、スペインも3人(アスピリクエタ、ブスケッツ、アロンソ)であるが、22歳以下の選手はフランスは3人(ムバッペ、チュアメニ、クンデ)、スペインは2人(ガビ、フェラン・トーレス)いる。

■17歳62日で代表にデビューしたガビ

 特にガビは17歳、ベルギー戦で背番号9をつけて先発、17歳62日での出場はスペイン代表史上最年少となった。ガビは21歳以下の代表にも19歳以下の代表にも選ばれたことはなく、飛び級でのフル代表デビューとなった。所属するバルセロナでも、昨季まではBチームでもわずか3試合しか出場したことがなく、8月29日に初めてトップチームでの試合に出場した。クラブ史上4番目に若いトップチームでの出場となったが、バルセロナでは7試合に出場し、10月にはスペイン代表の歴史を塗り替えることになったのである。そして代表デビュー戦となる準決勝のイタリア戦ではプロになって最高ともいえるパフォーマンスを発揮し、ルイス・エンリケ監督の抜擢が間違いのないことを証明したのである。(続く)

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