第3821回 ジネディーヌ・ジダン新体制スタート(1) 難易度が高くなった欧州の代表チームの新監督
平成23年東日本大震災、平成28年熊本地震、平成30年7月豪雨、台風15号、19号、令和2年7月豪雨、令和6年能登半島地震、令和8年熊本地震、令和8年千葉豪雨などで被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。また、復興活動に従事されている皆様に敬意を表し、被災地域だけではなくすべての日本の皆様に激励の意を表します。
■9月下旬にシーズン最初の試合を戦う代表チーム
北中米でのワールドカップが終わって2月、国内のリーグも再開し、チャンピオンズリーグなどの欧州カップもリーグフェーズが始まった。ファンにとってようやくやってきたのが、代表チームの再起動である。
かつては、フランスは8月中旬、聖母被昇天祭の前後に親善試合を行っていたが、その後は世界のサッカーカレンダーに合わせ、9月初旬にシーズン最初の2試合を行うようになった。そして今年は世界のサッカーカレンダーに大きな変更があり、9月下旬から10月初めにかけて4試合を行うことになった。サッカーのグローバル化に伴い、どの国も代表選手の多くが国外のチームに所属し、シーズン中に代表チームを編成するには選手にとっても協会にとってもコストがかかることになった。これを解消するために、代表チームの招集回数を減らし、1招集あたりの試合数を増やすことになった。
■フランス代表チームのジネディーヌ・ジダン新監督
新シーズンの代表チームの最初の試合が遅くなり、世界のサッカーファンは代表チームのシーズン最初の試合を心待ちにしているが、特にフランスのファンは一日千秋の思いで待っていた。それは2012年から14年間に渡り指揮を執ってきたディディエ・デシャン監督が退任し、ジネディーヌ・ジダン監督が就任したからである。ジダン監督については本連載第3792回から第3794回にかけて紹介してきた。ファンの新監督に対する期待は高い。デシャン監督の退任も成績不振が理由ではなく、安定した成績を残し、最後の大会となるワールドカップでも4位であった。
■同レベルのチームとの戦いとなるUEFAネーションズリーグ
戦力も充実している中で、ジダン監督がどのような代表チームを作るのか、ファンの関心は高く、9月18日のメンバー発表は注目を集めた。欧州の代表チームはUEFAネーションズリーグが始まったことから、親善試合の機会は少なくなり、純粋に選手を試すための試合は激減した。ジダン監督としても選手を試したいところではあるが、9月下旬から10月上旬の4試合はすべてUEFAネーションズリーグというタイトルマッチである。もちろん、この大会はワールドカップ、欧州選手権よりは格下の大会とみられてきたが、この大会の成績が欧州選手権やワールドカップの予選にも反映されることになり、大会のプレステージは上がってきた。
ちなみに14年前、デシャン監督が就任した際は、6月23日に欧州選手権の準々決勝でスペインに敗れ、ローラン・ブラン監督が退任し、デシャン監督の初陣は8月15日のルアーブルでのウルグアイとの親善試合であった。この試合はスコアレスドローとなり、9月に入るとワールドカップ予選が始まり、フィンランド、ベラルーシと対戦して連勝スタートを切った。デシャン監督が初黒星を喫したのは10月の日本との親善試合、当時は強豪との対戦を親善試合に求めたのである。
UEFAネーションズリーグがワールドカップ予選や欧州選手権と異なるのは実力の均衡した相手と戦うことである。今回もアウエーのトルコ戦から始まり、アウエーのベルギー戦、ホームのイタリア戦、ホームのベルギー戦と侮れない相手が続く。デシャン監督が就任した時代と現在とでは代表チームの新監督にとっては難易度が大きく異なるのである。
■ワールドカップメンバーのうち30歳以上は5人だけ
今回のワールドカップは準決勝のスペイン戦と3位決定戦のイングランド戦に連敗して4位となったが、準決勝で敗れるまでは多くのファンは優勝はフランスと信じていた。 そしてワールドカップにエントリーしたメンバーを振り返ってみれば、開幕時において30歳以上の選手は5人、正GKのマイク・メニャン(30歳)、第2GKのブリス・サンバ(32歳)、DFのルカ・ディーニュ(32歳)、テオ・エルナンデス(30歳)、MFのエンゴロ・カンテ(35歳)だけである。2年後の欧州選手権、4年後のワールドカップに向けて、年齢だけでメンバーを外すような選手はカンテくらいであろう。どのようなメンバーをジダン監督は選んだのであろうか。(続く)
