第656回 UEFAカップ決勝トーナメント組み合わせ

■チャンピオンズリーグとは異なる組み合わせ方法

 前回の本連載ではチャンピオンズリーグの決勝トーナメントの組み合わせについて紹介したが、今回はもう一方のUEFAカップの決勝トーナメントの組み合わせについて紹介しよう。
 チャンピオンズリーグとUEFAカップはグループリーグの方式も異なっており、その決勝トーナメントの組み合わせの方法についても異なっている。UEFAカップの決勝トーナメントはチャンピオンズリーグの倍の32チームで争われる。この32チームは大きくは2つ、細かくは4つのカテゴリーに分けられる。まず、UEFAカップのグループリーグを勝ち抜いてきた24チームとチャンピオンズリーグのグループリーグで3位にとどまった8チームである。さらに前者はグループリーグを1位で勝ち抜いてきたチームから3位で勝ち抜いてきたチームまで8チームずつ3つのカテゴリーに細分され、全体で4つのカテゴリーに分かれるわけである。フランス勢に関して言えば、グループリーグを1位で通過したチームはなく、2位通過がグループEのナンシーとグループGのパリサンジェルマン、3位通過がグループDのランスである。そしてチャンピオンズリーグのグループリーグで3位になりUEFAカップに転戦してきたのがボルドーである。
 この4つのカテゴリーのうち、上位に目されるのがUEFAカップのグループリーグで2位までに入ったチームであり、ホームアンドアウエー方式の第2戦をホームで戦うことになる。グループリーグ1位のチームはグループリーグ3位のチームと対戦し、グループリーグ2位のチームはチャンピオンズリーグから転戦してきたチームと対戦する。そしてグループリーグ1位と3位のチームの対戦はチャンピオンズリーグ同様に、同一グループリーグ、同一リーグチーム同士の対戦がないように配慮されている。
 したがって、本来8チームと対戦の可能性のあるボルドーはナンシー、パリサンジェルマンとの対戦がないため、可能となる対戦相手は6チームとなった。
 また決勝トーナメントの組み合わせは2月15日と22日に行われる1回戦だけではなく、3月8日と15日に行われる2回戦まで決定され、ちょうどチャンピオンズリーグと並んでベスト8が出揃うことになる。

■パリサンジェルマン-AEKアテネ、ナンシー-シャフタール・ドネツク

 まず、パリサンジェルマンは1回戦でチャンピオンズリーグのグループHで3位となったギリシャのAEKアテネと対戦する。パリサンジェルマンはAEKアテネと1996-97シーズンのカップウィナーズカップ準々決勝で対戦し、1勝1分で下している。AEKアテネを下せば2回戦ではベンフィカ(ポルトガル)とディナモ・ブカレスト(ルーマニア)の勝者と対戦する。
 ナンシーはチャンピオンズリーグのグループDで3位のウクライナのシャフタール・ドネツクと対戦する。2回戦に進出すればステアウア・ブカレスト(ルーマニア)とセビリア(スペイン)の勝者と対戦する。

■ランス-パナシナイコス、ボルドー-オサスナ

 ランスはグループGで首位となったギリシャのパナシナイコスとの対戦となる。ランスがフランスリーグで初優勝を飾ったシーズンの翌季のチャンピオンズリーグのグループリーグで対戦し、1勝1敗と互角の結果であった。2回戦も強豪との対戦が続き、レバークーゼン(ドイツ)とブラックバーン(イングランド)の勝者が待ち受けている。
 最後にチャンピオンズリーグから転戦してきたボルドーはスペインのオサスナとの対戦、これまでに欧州カップでの対戦はないが、国境をはさんで距離的に近いこともあり、今世紀に入ってから親善試合で2回対戦している。

■フランス勢と対戦歴のある4チーム

 奇しくもフランス勢が1回戦で対戦する4チームはいずれも昨年あるいは本年フランス勢と対戦歴のあるチームばかりである。AEKアテネはチャンピオンズリーグのグループHでリールと対戦し、1勝1敗の成績である。シャフタール・ドネツクは昨年もUEFAカップに出場し、レンヌとアウエーで対戦、第498回で紹介したとおり、1-0と下している。パナシナイコスはグループGでパリサンジェルマンと対戦している。すでに1位を確定している最終戦でアウエーの戦いということもあり、0-4と大敗している。最後にオサスナはグループDでランスと対戦している。フェリックス・ボラール競技場でランスが3-1と快勝している。フランス勢との決勝トーナメントでの再戦に興味は尽きない。(この項、終わり)

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