第943回 UEFAカップ、決勝トーナメント1回戦(3) パリサンジェルマン、マルセイユ16強入り

■第1戦に引き続いてアウエーでも連勝したパリサンジェルマン

 前回の本連載ではUEFAカップ1回戦の第1戦をホームで迎えたパリサンジェルマン、ボルドー、マルセイユの3チームの戦いを紹介した。順調に勝利したのはパリサンジェルマンだけで、ボルドーは引き分け、マルセイユは敗戦で第2戦を迎えることになった。
 第2戦は、第1戦の翌週の26日に欧州各地で一斉に行われた。サンテエチエンヌに関してはすでに前々回の本連載で紹介したとおりであるが、まず第1戦を勝利したパリサンジェルマンから紹介しよう。
 パリサンジェルマンは、18日の第1戦と26日の第2戦の間にアウエーでグルノーブルと対戦したが、スコアレスドローでリーグ2位を堅持した。パリサンジェルマンはボルフスブルクでも同様にドローで試合を終えればベスト16入りする。ところが、パリサンジェルマンにとっては余裕の第2戦となった。前回の本連載では第1戦でトップチームにデビューしたトリッピー・マコンダについて紹介したが、この第2戦で活躍したのはマコンダと同じルーツであるコンゴ民主共和国出身のペギー・リュインデュラであった。試合開始早々にチャンスをつかむがオフサイド、そして38分にはジェローム・ロタンへのペナルティエリア内でのタックルで得たPKを決めて先制点をあげる。これでボルフスブルクは4点が必要になった。後半に入って59分にロタンが追加点を上げて、ベスト16入りをほぼ確実にする。63分には日本のファンの皆様待望の長谷部誠が1点を返すが、それでもなお4点が必要である。リュインデュラは74分にもゴールを上げて、結局このアウエーゲームもパリサンジェルマンが2点差の3-1で勝利し、ベスト16入りしたのである。

■2点差を追いついたボルドー、最後に泣く

 ボルドーはトルコのイスタンブールでガラタサライと対戦する。第1戦がスコアレスドローとなったボルドーは勝つか得点を取って引き分ければ16強入りする。ボルドーは2月4日のリーグカップのパリサンジェルマン戦を最後に、国内外の試合で勝ち星から遠ざかっていたが、ボルドーの目論見どおり、開始1分にダビッド・ベリオンが先制する。残り89分を1失点以下に抑えればボルドーが勝利するが、90分は長い。ボルドーは、前半終了間際の43分に同点に追いつかれ、45分にはハリー・キューウェルの勝ち越し点を許す。さらに後半に入って65分井は先制点を決めたトゥラン・アルダが再び得点し、残り25分でボルドーは2点が必要になる。
 ここで絶望しないのがボルドーである。72分にマルーアン・チャマクがゴール、そして74分にフェルナンド・カベナギがゴールを立て続けに上げ、ボルドーが優位に立つ。
 残りは16分、守りに入るアウエーのボルドー、攻めるホームのガラタサライ、試合はホームアンドアウエーの第2戦らしい展開となる。残りわずかとなった88分、ボルドーはパスミスからガラタサライのサブリ・サリオグルに決定的な勝ち越し点を奪われる。ロスタイムは3分、しかし、89分も16分も長すぎたが、3分のロスタイムは短すぎたのである。ボルドーは32強で欧州から去ったのである。

■アウエーで1-0、延長、PK戦にもつれ込んだマルセイユ

 ホームの第1戦で敗れたマルセイユはオランダのエンスヘーデでトウェンテと対戦した。昨年新装したばかりのアルケ競技場は満員の2万4000人のファンで埋まる。この試合、第1戦を0-1で落としたマルセイユは勝利が必要である。試合はマルセイユのハテム・ベンアルファがFKにあわせて24分に先制点を奪う。しかし、マルセイユが勝利しても1-0の場合はアウエーでの延長戦、さらにそれで決着が付かない場合はPK戦となり、第2戦をアウエーで戦うチームは不利な立場に立たされている。時計の針はこのまま進み、90分経過してもスコアは変わらない。マルセイユはさらに30分間の延長戦を戦い、トウェンテの構成にさらされながらも無得点に抑え、ついに試合はPK戦となる。

■サドンデスのPL戦を制したマルセイユ

 先蹴はマルセイユ、まずタイエ・タイウォが決める。マルセイユのゴールを守るのはフランス代表の正GKのスティーブ・マンダンダ、このような国際試合が良い経験となる。トウェンテは第1キッカーがゴール上方に外してしまう。これでマンダンダは楽になった。マルセイユは5人目のカリム・ジアニがはずしてサドンデスとなったが、8人目までノーミス、一方のトウェンテは8人目がゴール上方に外し、マルセイユが熱戦を制して逆転勝ち、ベスト16に入ったのである。(この項、終わり)

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