第1092回 リヨン、初めての準決勝(2) 名門バイエルン・ミュンヘンと互角の対戦履歴

■輝かしい戦績を誇るバイエルン・ミュンヘン

 前回の本連載ではリヨンの準決勝の相手がバイエルン・ミュンヘン(ドイツ)であることを紹介し、優勝候補のインテル・ミラノ(イタリア)とバルセロナ(スペイン)がもう1つの準決勝で対戦することを紹介した。
 リヨンはこれまでにチャンピオンズリーグは今回で11年連続11回目の出場である。一方のバイエルン・ミュンヘンは前身のチャンピオンズカップ時代から通算して25回目の出場である。リヨンは過去10回の出場のうち3回ベスト8に入り、これが最高の成績であるが、バイエルン・ミュンヘンは4回の優勝を誇り、リヨンが今までに成し遂げたことがなかった準決勝進出は12回を誇る。

■チャンピオンズリーグのグループリーグで3回対戦

 このように過去の戦績について圧倒的な差のある両チームであるが、リヨンはこれまでの10回の出場のうちで3回、バイエルン・ミュンヘンと対戦している。
 いずれもグループリーグでの対戦であり、最初は2000-01シーズン、リヨンがチャンピオンズリーグに挑戦して2年目のことである。このシーズンは1次リーグと2次リーグがあった。前年の初挑戦時のリヨンは予備戦で敗れ、グループリーグにもたどり着けなかったが、2年目のこのシーズンは1次リーグを突破し、2次リーグでアーセナル(イングランド)、スパルターク・モスクワ(ロシア)、バイエルン・ミュンヘンと対戦する。ミュンヘンでは0-1と敗れたリヨンであるが地元リヨンでは3-0と勝利し、もしもホームアンドアウエー方式のトーナメントであればリヨンが勝ち抜いているところであるが、リヨンは2勝2分2敗でグループリーグ3位に終わっている。
 2回目の対戦は2003-04シーズンのことである。このときはグループリーグでバイエルン・ミュンヘン、セルチック・グラスゴー(スコットランド)、アンデルレヒト(ベルギー)と対戦する。ジェルランでのホームゲームを1-1と引き分けてしまったリヨンであるが敵地ミュンヘンのオリンピックスタジアムでの試合で2-1と勝利する。リヨンはグループリーグを3勝1分2敗という成績で首位突破し、決勝トーナメントに進出する。リヨンにとって4回目の出場にして初めての決勝トーナメントである。1回戦ではセビリア(スペイン)を下し、準々決勝では優勝したポルト(ポルトガル)に敗れている。
 そして3回目の対戦は記憶に新しい昨季である。リーグチャンピオンとして7回目の出場を果たしたリヨンはグループリーグでフィオレンチーナ(イタリア)、ステアウア・ブカレスト(ルーマニア)、バイエルン・ミュンヘンと対戦する。バイエルン・ミュンヘンとはワールドカップ開催を経て新装成ったアリアンツ・アリーナで対戦し、1-1のドロー、そして地元ジェルランでは2-3と敗れたが、リヨンはグループリーグを2位で通過している。

■リヨンにとって欧州で最多の対戦歴となるバイエルン・ミュンヘン戦

 このようにリヨンはバイエルン・ミュンヘンと6試合対戦したことがあるが、これはリヨンにとって欧州カップで最も多く対戦したチームのうちの1つである。他にはインテル・ミラノ、バルセロナ、クラブ・ブルージュ(ベルギー)、オリンピアコス(ギリシャ)とこれまでに3回対戦したことがあるが、今回の対戦でバイエルンとは単独で最多の対戦歴となる。

■ドイツでの戦績が光るリヨンに期待

 そして過去の欧州での実績には大きく差のある両チームであるが、両チームの直接対決の戦績は2勝2分2敗であり、互角である。リヨンはチャンピオンズリーグを苦手としているように見えるが、このバイエルン・ミュンヘンとの対戦は互角であり、ホームでもアウエーでも1勝1分1敗である。さらに、リヨンはバイエルン・ミュンヘンだけではなくドイツ勢との相性は悪くない。特に、アウエーでの戦績は光るものがある。バイエルン・ミュンヘン以外のドイツ勢との対戦は3回あるが、2001年にはバイエル・レバークーゼン、2005年にはベルダー・ブレーメン、2007年にはシュツットガルトをそれぞれアウエーで倒し、3戦全勝と言う成績である。
 このようにリヨンにとってバイエルン・ミュンヘンは手の届かない相手ではないのである。(続く)

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