第1905回 本戦出場をかけたプレーオフ(3) ボルドー、サンテチエンヌもヨーロッパリーグに出場

 4年前の3月11日の東日本大震災で被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。また、復興活動に従事されている皆様に敬意を表し、東北地方だけではなくすべての日本の皆様に激励の意を表します。

■プレーオフに挑むサンテチエンヌとボルドー

 前々回と前回の本連載ではチャンピオンズリーグのプレーオフでモナコがスペインのバレンシアに1勝1敗ながら2試合通算のスコアで敗れたことを紹介した。モナコはヨーロッパリーグのグループリーグに参戦することになる。
 ヨーロッパリーグにはすでにフランスからは昨季リーグ4位のマルセイユが本戦出場を確定しているほか、リーグ5位のサンテチエンヌと6位のボルドーが予備戦3回戦を勝ち抜き、プレーオフに挑む。
 プレーオフは第1戦が8月20日、第2戦が27日に行われる。ボルドーはカザフスタンのカイラト・アルマトイ、サンテチエンヌはモルドバのミルサミ・オルヘイと対戦する。
 ボルドーとサンテチエンヌは、奇しくも8月15日に行われたリーグ戦第2節でサンテチエンヌで対戦しており、1-1の引き分けとなっている。

■フランス勢が対戦するカイラト・アルマトイとミルサミ・オルヘイ

 カイラト・アルマトイは昨年のカザフスタンカップの覇者であり予備戦1回戦から勝ち上がってきた。予備戦1回戦ではかつてマルセイユを下してチャンピオンズカップを獲得したレッドスター・ベオグラードを倒している。
 ミルサミ・オルヘイは昨季のモルドバリーグで初優勝を飾り、チャンピオンズリーグの予備戦2回戦から参戦したが、3回戦でアルバニアのスカンデルベウに敗れたためにヨーロッパリーグのプレーオフに転戦してきた。

■薄氷の第2戦、アウエーゴール2倍ルールで勝ち抜いたボルドー

 ボルドーは第1戦をホームで迎える。ボルドーの新しいマットミュット競技場には2万5000人近い観客が集まり、期待の高さをうかがわせる。カイラト・アルマトイの柱は36歳のアナトリー・ティモシュク、2012年の欧州選手権ではウクライナ代表の主力であり、ドイツのバイエルン・ミュンヘンでも活躍してきた。アルマトイはボルドーから6000キロ離れており、遠来のチームに対しボルドーは優勢に試合を進める。14分にディエゴ・コンテントが負傷で退場するというアクシデントはあったが、27分にワビ・カズリがあげた得点を守り切って1-0と先勝する。
 ボルドーは勝利をあげたものの、第2戦の舞台アルマトイは標高1000メートル以上の高地であり、しかも負傷者を多く抱え1点差での勝利に懸念するファンも少なくなかった。アルマトイでの第2戦はその不安通りの展開となった。キックオフ後40秒、ボルドーはセドリック・ヤンベレがオウンゴール、試合開始直後にボルドーの優位は崩れ、タイスコアになった。前半はスコアは動かず0-1でハーフタイムを迎える。後半に入り、66分、カイラト・アルマトイはFKからゴールを奪い、2試合通算でボルドーは1-2とリードを許してしまう。
 ボルドーのビリー・サニョル監督はリードを許して直後に2人を入れ替える。そして76分、ボルドーはエンゾ・クリベリが起死回生のゴールで1点を返す。通算スコアは2-2であるが、アウエーゴール2倍ルールでボルドーが優位に立つ。このままボルドーが守り切って勝ち抜いた。

■アウエーの第1戦は猛攻もドロー、ホームの第2戦で勝利したサンテチエンヌ

 サンテチエンヌは第1戦をアウエーで迎える。サンテチエンヌは一方的に攻め、ミルサミ・オルヘイをゴール前にくぎ付けにするが、相手のGKがスーパーセーブを連発、なかなか得点が奪えなかったが、ようやく40分にロマン・アムーマがゴールネットを揺らす。
 これでゴールラッシュになるかと思われたが、54分にアムーマが危険なプレーでレッドカードを受け、1人足りなくなる。その直後、ミルサミ・オルヘイはFKからヘディングでクリスチャン・バッドがゴールを奪い、同点に追いつく。その後スコアは動かず第1戦は1-1のドローとなる。
 第2戦はサンテチエンヌのジェフロワ・ギシャールでの試合となる。サンテチエンヌは15分にバンジャマン・コルネがCKからヘディングであげた1点を守りきり、1-0で勝利する。2試合通算で2-1と勝ち越したサンテチエンヌが本戦に出場する。
 フランスからはヨーロッパリーグのグループリーグにモナコ、マルセイユ、サンテチエンヌ、ボルドーの4チームが出場することになったのである。(この項、終わり)

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