第2088回 中盤戦を迎えた欧州カップ (3) 第3節もモナコは追いつき、リヨンは惜敗

 平成28年熊本地震で被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。お亡くなりになった方々に、謹んで哀悼の意を表します。 この地震が1日でも早く収まることと、被災地の皆様の安全とご健康をお祈り申し上げます。

■同じ相手と連戦する中盤戦

 9月から始まり、12月に終わるチャンピオンズリーグのグループリーグは10月中旬から11月初めにかけて中盤戦を迎える。中盤戦の第3節と第4節は同じ相手と連戦することになり、ここで一気に勝ち点を積み上げれば決勝トーナメントが近づき、逆にここで連敗するようだとグループリーグ敗退ということになりかねない。例年、第4節終了時点でいくつかのチームが決勝トーナメント進出を決める。
 フランス勢はここまでパリサンジェルマンとモナコが1勝1分、リヨンが1勝1敗で中盤戦を迎え、パリサンジェルマンはバーゼル(スイス)、モナコはCSKAモスクワ(ロシア)、リヨンはユベントス(イタリア)とそれぞれ対戦する。
 第3節は10月18日の火曜日にモナコがアウエーでCSKAモスクワと対戦、リヨンはホームでユベントスと対戦し、その翌日の水曜日にパリサンジェルマンがホームにバーゼルを迎える。

■ロシア勢には負けたくないフランス勢

 フレンチリビエラから寒さの厳しくなってきたモスクワに乗り込んだモナコはこのCSKAモスクワには負けたくない。なぜならば、現在のフランスリーグの力を示すUEFAインデックスで現在5位であるが、ロシアリーグが6位につけている。ヨーロッパリーグではニースがクラスノダールに敗れており、その差は縮まった。ここでロシアの雄CSKAモスクワに連敗するようだと、UEFAインデックスでロシアに迫られ、逆転されるとチャンピオンズリーグ等の出場権に関わってくる。

■モナコからレンタルのラシナ・トラオレが先制、終盤にベルナルド・シウバが同点弾

 近年大型補強を繰り返しているCSKAモスクワ、ロシアの大富豪をオーナーに持つモナコの試合、2万4000人の観衆が集まった。ここまでCSKAモスクワは1分1敗、地元での初勝利への期待の表れであろう。CSKAモスクワの注目選手はモナコからレンタルされているCFのラシナ・トラオレである。試合は互角の展開となるが、ゴール前でチャンスをつかんだのはCSKAモスクワであった。惜しい得点気が続き、先制ゴールを決めたのは34分のトラオレであった。先制点を奪ったCSKAモスクワはその後もチャンスが続き、一方のモナコはジョアン・モウティーニョが負傷し、前半のうちに臨まぬ交代を余儀なくされる。ようやくモナコは前半終了間際にチャンスをつかむが、前半は1点リードを許して折り返した。
 後半に入り、モナコはパスをつないでリズムをつかみ、60分過ぎからCSKAモスクワのゴールを襲う。CSKAモスクワのGKの好守に手を焼いていたモナコであったが、その攻撃が実を結んだのは87分のことであった。ベルナルド・シウバがこぼれ球を拾って左足で放ったシュートはネットを揺らし、モナコに勝ち点1をもたらした。レバークーゼン(ドイツ)-トットナム・ホットスパー(イングランド)はスコアレスドローに終わり、勝ち点を5に伸ばしたモナコは首位で折り返すことになった。

■ジャンルイジ・ブッフォンの好守に阻まれたリヨン

 フランス勢の中で最もタフな中盤戦となったのはリヨンであり、イタリアのユベントスと対戦する。10月18日の第3節はリヨンのホームゲーム、ユベントスのキックオフで始まった試合、キックオフからユベントスがボールをキープし、ホームのリヨンがボールを触るまでには3分を要した。試合はユベントスのリズムで進むが、ようやく30分過ぎにリヨンがペースをつかむ。そして34分にCKのチャンスをつかむ。ナビル・フェキルがCKを蹴り、主審の目の前でムクタル・ディアカビがレオナルド・ボヌッチに倒されてしまう。リヨンにPKが与えられたが、アレクサンドル・ラカゼットが蹴ったPKをユベントスの主将ジャンルイジ・ブッフォンがパンチングし、リヨンは先制機を逃す。
 この試合の主役はブッフォンであった。50分にはコランタン・トリッソからのパスを受けてフェキルのシュートをブッフォンがセーブ。54分にはユベントスの選手が2枚目の警告を受けて退場、数的有利になる。71分にもリヨンは決定的チャンスをつかむが、トリッソのヘディングシュートもブッフォンに止められる。
 逆にユベントスは76分にコロンビア代表のファン・クアドラドがゴールをあげ、これが決勝点となり、リヨンは1勝2敗で勝ち点7のユベントスとセビリア(スペイン)を追うことになったのである。(続く)

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