第2820回 パリサンジェルマン、マンチェスター・シティと対戦(4) ホームの第1戦は逆転負け

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■意外なメンバーが先発したパリサンジェルマン

 セミファイナリスト唯一の無敗チームを本拠地パルク・デ・プランスに迎えるパリサンジェルマン、直前の4月24日に行われたリーグ戦のメッス戦ではキリアン・ムバッペが2得点を奪う活躍で勝利、2位をキープしている。
 そのパリサンジェルマンの先発メンバーであるが、GKはケイロス・ナバス、DFは右からミチェル・バッカー、プレスネル・キンペンベ、マルキーニョス、アレッサンドロ・フロレンツィ、MFは低い位置に2人、イドリッサ・ゲイエとレアンドロ・パレデス、攻撃的なMFは右からアンヘル・ディマリア、マルコ・ベラッティ、ネイマール、FWは1トップでムバッペである。直前のメッス戦だけではなく、準々決勝のバイエルン・ミュンヘン(ドイツ)戦とも大きく入れ替わっている。意外だったのは右サイドDFのバッカー、そしてトップ下にベラッティを起用したことである。マウリシオ・ポチェッティーノ監督ならではの秘策なのかもしれない。

■主将のマルキーニョスが先制点、アシストはアンヘル・ディマリア

 紺と赤のユニフォームのムバッペのキックオフで試合は始まった。両チームとも慎重な立ち上がりであるが、パリサンジェルマンは徐々に高い位置でプレーをするようになる。12分には最初のCK、そして13分にはネイマールのシュートとマンチェスター・シティのゴール前に迫り、15分、この日主将を務めるマルキーニョスが先制点をあげる。ディマリアからのCKをきれいにヘディングで合わせ、ブラジル代表のチームメイトのエデルソンも反応したが届かなかった。ディマリアはパリサンジェルマンで通算103個目のアシストとなる。これはクラブのレジェンドであるサフェット・スシッチと並ぶ記録である。

■追加点を奪えないパリサンジェルマン

 反撃に出たいマンチェスター・シティであるが、ボールは保持するものの、パリサンジェルマンが高い位置でプレスをかけるため、自陣でボールを回すにとどまる。逆に陣地的に優位なパリサンジェルマンはしばしばシュートを放つ。パリサンジェルマンは28分にもCKから追加点のチャンスがあったが、競り合いに勝ったパレデスのシュートは枠をとらえられなかった。
 マンチェスター・シティの最初の得点機は30分、リヤド・マフレズのFKにケビン・デブルイネが右足でシュート、これをパリサンジェルマンのGKナバスが両手でパンチングして防ぐ。追加点の欲しいパリサンジェルマンであるが、34分にはバッカーが決定機をつかむが、シュートはジョン・ストーンズに阻まれる。チャンスを逃すパリサンジェルマンは次第に勢いを失い、前半の終盤から試合はマンチェスター・シティのリズムになってくる。42分にはフィル・フォデンがシュートするが、これもナバスが防ぐ。結局、パリサンジェルマンが試合を支配したが、得点は1点だけで後半を迎えた。

■主将のケビン・デブライネが同点ゴール、逆転ゴールはリヤド・マフレズ

 後半の最初の得点チャンスはパリサンジェルマンであった。56分、ムバッペからのクロスを受けたベラッティはゴール前でシュートするが、枠からわずかに外してしまう。さらにエースのムバッペが63分には負傷する。このあたりから試合の流れが変わっていく。
 64分、マンチェスター・シティはCKをつなぎ、デブライネがクロスをあげる。ところがこのクロスがワンバウンドしてゴールインし、同点となる。主将同士のゴールで試合は1-1のタイスコアとなった。さて、ここで不思議な記録がある。マンチェスター・シティは昨年12月15日に引き分けたのが最後で、今年になってからは引き分けがなく、勝ちか負けである。そしてこの試合も引き分けには終わらなかった。71分、マンチェスター・シティは好位置でFKのチャンスを得る。キッカーはマフレズである。パリ近郊出身のアルジェリア代表、左足で放った強烈なシュートはパリサンジェルマンの壁のパレデスとキンペンベの間を通り、そのままゴールネットを揺らす。
 逆転されたパリサンジェルマンは77分にゲイエが危険なタックルで一発退場、同点に追いつく力は残されておらず、ホームでの第1戦を落としたのである。(続く)

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