第2872回 2021-22シーズン開幕(5) モナコ、チャンピオンズリーグのプレーオフに進出

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■リーグ開幕戦に出場する昨季3位のモナコ

 シーズン終了後に欧州選手権、オリンピックが行われ、新たなシーズンが開幕した。シーズンの初戦は8月6日、モナコ-ナント戦である。
 昨季リーグ3位のモナコは3日前の8月3日、チャンピオンズリーグの予備戦3回戦の第1戦でチェコのスパルタ・プラハと対戦している。モナコが欧州カップを戦うのは4年ぶりのことである。ホームアンドアウエー方式のスパルターク・プラハ戦、勝利すれば本大会出場をかけたプレーオフ、敗れた場合はヨーロッパリーグのプレーオフに回ることとなる。シーズン序盤からハードスケジュールとなるが、モナコはシーズン開幕を控えて、スペインのレアル・ソシエダ、ベルギーのアントワープなどの強豪と試合を重ねてきた。

■新戦力も加わり、プラハの第1戦を2-0と制す

 モナコはフォデ・バロ・トゥーレがイタリアのACミランに移籍したが、新戦力でドイツのバイエルン・ミュンヘンから移籍してきたアレクサンダー・ニューベルがゴールを守る。新型コロナウイルスの感染拡大により、多くの場合無観客を強いられた欧州のサッカー界であるが、今季は観客を入れてスタートした。プラハの総合競技場にも9000人の観衆が集まった。ほぼベストメンバーをそろえたモナコはスパルタ・プラハと互角の試合展開、両チームともチャンスをつかむが得点をあげることができなかったが、37分にモナコはCKを獲得、アレクサンドル・ゴロビンの蹴ったCKをオーレリアン・チャムメニがヘディングで先制点を入れる。後半にも59分にケビン・フォランドが追加点をあげる。モナコは首尾よくアウエーでの第1戦を2-0と勝利し、フランス国内のシーズン開幕を迎えたのである。

■リーグ開幕戦はホームでナントとドロー

 そして迎えたリーグ戦、モナコは大幅にメンバーを入れ替えてルイ2世競技場にその姿を現す。CFはスパルタ・プラハ戦ではフランス代表のウィッサム・ベン・イェデルが務めたが、オランダのAZアルクマールから獲得した20歳のオランダ人のマイロン・ボアドゥが務める。本連載第2866回で紹介したとおり、U-21欧州選手権でフランスから2点を奪ってフランスを準々決勝で沈め、フル代表の経験もある。8月初めにチームに合流し、早速背番号9を付けて先発となった。また中盤にはリヨンから獲得したジャン・ルーカスが出場する。
 対するナントのCFはオリンピックにも出場し、日本のファンの皆様の記憶に新しいランダル・コロ・ムアニである。キリアン・ムバッペと同じボンディの出身であるが、これまではナントの下部組織でも注目を集めることなく、コンゴが出自であることもあり、年代別のフランス代表にもあまり選ばれなかったが、今回オリンピック代表に選出され、一気に世界的に有名な選手となった。
 試合はモナコのジェウソン・マルティンスが14分にゴールをあげ、今季リーグ初のゴールは欧州選手権出場を逃したポルトガル人選手が決めた。ナントは42分にCKからカメルーン代表のジャン・シャルル・カステレットが同点ゴール、後半は両チームとも積極的に選手交代をしたが、1-1のドローに終わった。

■第2戦もスパルタ・プラハを破り、プレーオフに進出

 そして、モナコは8月10日にスパルタ・プラハを迎えて第2戦を戦う。リーグ開幕戦とは選手を入れ替え、フォランドとベン・イェデルの2トップである。チェコリーグはフランスよりも早く始まり、スパルタ・プラハは開幕3連勝である。前半はモナコが優勢に試合を進めるが、両チーム得点ないまま後半を迎えた。
 後半に入りモナコは50分にマルティンスが先制点、56分にゴロビンが追加点を入れ、安全圏に入る。スパルタ・プラハも78分に1点を返すが、モナコは81分にソフィアン・ディオップが得点を決めて3-1と突き放す。試合はこのまま終了し、モナコがプレーオフに進出する。プレーオフの相手はウクライナのシャフタール・ドネツク、8月下旬に2試合を行い、ハードスケジュールの中でチャンピオンズリーグ出場を目指すのである。(続く)

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