第2894回 期待が集まるヨーロッパリーグ(1) 第1シードのリヨンとモナコ、国内で好調なマルセイユ

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■フランスから3チームが出場する第2の欧州カップ

 前回までの本連載ではチャンピオンズリーグの第2節のフランス勢の戦いぶりを紹介した。リーグチャンピオンで第1シードのリールは1分1敗、第2シードのパリサンジェルマンは1勝1分と第2節で明暗が分かれた。
 今回からは2番目の欧州カップであるヨーロッパリーグの序盤戦について紹介しよう。第3の欧州カップとなるヨーロッパカンファレンスリーグが創設されたことから、ヨーロッパリーグのグループリーグは出場チームがチャンピオンズリーグと同じ32チームとなる。フランスからは昨季リーグ3位でチャンピオンズリーグのプレーオフで敗れて転戦してきたモナコ、昨季リーグ4位のリヨン、5位のマルセイユの3チームが出場する。

■参加32チームの中でUEFAランキングが最上位のリヨン

 組み合わせ抽選は8月末に行われたが、チャンピオンズリーグとは異なり、リーグチャンピオンは出場せず、昨季のタイトルホルダーはチャンピオンズリーグに出場するため、シード分けはUEFAランキングによってなされる。このシード分けで参加32チームのトップに立ったのがリヨンである。昨季は久しぶりに欧州カップの出場権を逃したが、それまでは23季連続して欧州カップに出場、そしてコンスタントに好成績を残してきた。また、3年ぶりの欧州カップとなるが、それまでは3季連続でチャンピオンズリーグに出場し、ベスト4に残ったこともあるモナコも第1シードに入っている。マルセイユは第3シードに甘んじているが、フランス勢は出場3チーム中2チームが第1シードに名を連ねている。
 第1シードのチームをUEFAランキング順に紹介するとリヨン、ナポリ(イタリア)、レバークーゼン(ドイツ)、ディナモ・ザグレブ(クロアチア)、ラツィオ・ローマ(イタリア)、オリンピアコス(ギリシャ)、モナコ、ブラガ(ポルトガル)となっている。2チームが第1シードに入っているのはフランスとイタリアだけである。国別のUEFAランキングで首位のスペインは第3シードにレアル・ソシエダとベティス、2位のイングランドは第2シードにレスター・シティ、第3シードにウエストハム・ユナイテッド、3位のドイツは第1シードのレバークーゼンと第2シードのフランクフルトとなっており、欧州五大リーグに関して言うとランキングの低いリーグのクラブが上位にシードされている。

■リヨンはグループA、モナコはグループB、マルセイユはグループE

 組み合わせ抽選の結果であるが、リヨンはグループAに入る。第2シードのスコットランドのグラスゴー・レンジャーズ、第3シードのチェコのスパルタ・プラハ、第4シードのデンマークのブロンビーというチームと対戦する。
 モナコはグループB、第2シードのオランダのPSVアイントフォーヘン、第3シードのレアル・ソシエダ、第4シードのオーストリアのシュトゥルム・グラーツと対戦する。
 マルセイユはグループE、第1シードのラツィオ・ローマ、第2シードのロシアのロコモティフ・モスクワ、第4シードのトルコのガラタサライと対戦する。

■国内リーグで出遅れたリヨンとモナコ、3勝1分と好調なマルセイユ

 第1シードのリヨンとモナコに期待が集まるが、両チームとも国内リーグでのスタートに失敗した。リヨンは開幕戦はブレストと引き分け、第2節はアンジェに敗れ、第3節も引き分け、ようやく第4節のナント戦で勝利、第5節のストラスブール戦も勝利し、順位を7位まで上昇させて2年ぶりの欧州の舞台に上がる。
 チャンピオンズリーグの予備戦から戦ったモナコはリーグ開幕とチャンピオンズリーグのプレーオフが重なり、国内外で勝利をあげることができず、国内リーグ戦での初勝利は第4節のトロワ戦、1勝1分3敗で16位という位置でヨーロッパリーグの初戦に臨む。
 一方、3チームの中で最もリーグで好成績を残しているのが、過去の欧州カップの成績を数値化したUEFAランキングではフランス勢の中で最下位にあり、消化試合数の少ないマルセイユである。開幕から負けなしの3勝1分、3位であるが、5試合消化している2位のアンジェは勝ち点11、実質的にパリサンジェルマンを追う1番手と言えるであろう。
 期待のかかるフランス勢3チーム、初戦を9月16日に迎えるのである。(続く)

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