第2905回 前半戦を終えたヨーロッパリーグ(1) ヨーロッパリーグの前半戦で3連勝したリヨン

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■第1節で好成績を残したヨーロッパリーグのフランス勢

 イタリアで開催された第2回UEFAネーションズリーグのファイナルズ、フランスはベルギーとスペインをいずれも逆転で下し、初優勝を遂げた。次の代表の試合は11月中旬のワールドカップ予選のカザフスタン戦とフィンランド戦である。それまでの期間にはクラブレベルの国際試合はチャンピオンズリーグ、ヨーロッパリーグの中盤戦が行われる。
 本連載ではチャンピオンズリーグについては第2節まで、ヨーロッパリーグについては第1節のフランス勢の戦いについて紹介してきた。今回からはフランス勢の中盤戦について紹介しよう。
 ヨーロッパリーグの第2節は9月30日に行われた。第1節でフランス勢はリヨンとモナコが勝利、マルセイユが引き分け、まずまずの成績で発進した。

■久しぶりに欧州カップの本戦に出場するブロンビー

 第2節でリヨンはデンマークのブロンビーをホームに迎えた。デンマークでは強豪であり、欧州の舞台ではチャンピオンズリーグではなく下位のヨーロッパリーグ、UEFAカップを主戦場としてきた。昨季は16年ぶりに国内リーグで優勝、チャンピオンズリーグのプレーオフに参戦した。オーストリアのレッドブル・ザルツブルクにホーム、アウエーとも1-2で敗れ、23年ぶりのチャンピオンズリーグの本戦出場はならず、今回もまたヨーロッパリーグで戦うことになった。ブロンビーはヨーロッパリーグでも予備戦やプレーオフで敗れ続け、ヨーロッパリーグの本戦出場も前身のUEFAカップ時代以来16年ぶりとなった。
 16年前のUEFAカップはホームアンドアウエー形式ではなく1回戦制であり、ホームアンドアウエーでの欧州カップは23年ぶり、第1戦はチェコのスパルタ・プラハとホームでスコアレスドローであった。リヨンとブロンビーはこれまでにUEFAカップで対戦したことがあり、1997-98シーズンの1回戦(当時のUEFAカップはすべてノックアウト方式)で、リヨンはホームで4-1、アウエーでも3-2と連勝している。この時、リヨンは2回戦でイタリアのインテルミラノに1勝1敗ながら2試合通算得点で及ばず敗退、インテルミラノは優勝している。

■後半のゴールラッシュでブロンビーを下したリヨン

 リヨンのグルーパマ競技場には2万5000人の観衆が集まった。ブロンビーのキックオフで始まった試合、ホームの第1シードのリヨンが攻め、アウエーで第3シードのブロンビーは守備的な試合運びとなる。前半だけでリヨンは16本のシュートを放ち、その中にはルーカス・パケタのゴールポスト直撃のものもあったが、無得点に終わる。
 後半にようやくリヨンは得点をあげる。66分、チアゴ・メンデスがゴール前にパス、これをパケタがヘディングでファーサイドに流し、カール・トコ・エカンビがヘディングでシュート、第1節のグラスゴー・レンジャーズ(スコットランド)戦に続いて先制点をあげた。ここからは24年前と同様にリヨンのゴールラッシュとなる。71分にはトコ・エカンビは今度は右足で追加点をあげ、86分にはウセム・アウアがヘディングで3点目、リヨンはブロンビーを3-0と下し連勝したのである。

■好調なスパルタ・プラハに逆転勝ちを収めたリヨン

 そしてリヨンの勢いは止まらない。第3節ではアウエーでスパルタ・プラハと対戦、グループAではリヨン以外に唯一勝利をあげているチームである。また、本連載第2872回で紹介した通り、スパルタ・プラハはチャンピオンズリーグの予備戦3回戦でモナコに敗れ、ヨーロッパリーグのプレーオフに回ったが、そこからは国内外で負け知らずである。その好調さを示すように、スパルタ・プラハは4分に先制点、19分に追加点をあげる。
 しかし、アウエーでの2点のビハインドもリヨンは跳ね返した。42分にトコ・エカンビが右足のシュートで1点を返す。後半に入ると53分にジェルダン・シャキリのクロスをアウアが左足で決めて同点に追いつく。68分にはパケタが勝ち越しゴールを奪う。リヨンは退場者が出て数的不利となったが、88分にはトコ・エカンビが追加点を入れて2点差とする。アディショナルタイムにスパルタ・プラハは1点を返したが、リヨンが4-3と競り勝って3戦全勝で前半戦を折り返したのである。(続く)

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