第2963回 パリサンジェルマン、レアル・マドリッドに先勝 (2) キリアン・ムバッペが94分に決勝点

 平成23年の東日本大震災、平成28年熊本地震、平成30年7月豪雨、台風15号、19号、令和2年7月豪雨などで被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。また、復興活動に従事されている皆様に敬意を表し、被災地域だけではなくすべての日本の皆様に激励の意を表します。

■スペインとフランスのリーグ首位同士の対戦

 チャンピオンズリーグのグループリーグの第2戦でモルドバのシェリフ・ティラスポリにまさかの敗戦を喫したレアル・マドリッド(スペイン)、この試合のショックが尾を引き、直後の国内リーグ戦ではエスパニョールに敗れて初黒星となった。しかし、その後は復調し、パリサンジェルマンとの決勝トーナメント初戦を迎える段階でリーグ戦では首位を堅持、2位のセビリアに勝ち点4の差をつけている。
 一方、パリサンジェルマンは国内リーグでは1敗したのみ、こちらも首位で2位マルセイユとは勝ち点7差、スペインとフランスのリーディングチーム同士の対戦となった。

■昨年11月の負傷以来、久しぶりにネイマールがベンチ入り

 パリサンジェルマンの注目はネイマールである。昨年11月28日のサンテチエンヌ戦で足首を負傷し、それ以降戦線を離脱してしまった。しかし、チャンピオンズリーグの決勝トーナメントで復帰、久しぶりに背番号10がベンチ入りした。バルセロナ時代にしのぎを削ったレアル・マドリッドとの一戦で出番はあるだろうか。一方、レアル・マドリッドから移籍してきたセルヒオ・ラモスは負傷のため古巣との試合も欠場となった。
 パリサンジェルマンの攻撃陣は中央にリオネル・メッシ、右にアンヘル・ディマリア、左にキリアン・ムバッペ、中盤はレアンドロ・パレデスを底に右にダニーロ・ペレイラ、左にマルコ・ベラッティが控える。最終ラインは右からアクラフ・ハキミ、マルキーニョス、プレスネル・キンペンベ、ヌーノ・メンデス、そしてGKはジャンルイジ・ドンナルンマというメンバーである。右サイドのハキミとディマリアはレアル・マドリッド出身である。
 レアル・マドリッドの攻撃陣は中央にカリム・ベンゼマ、右にマルコ・アセンシオ、左にビニシウス、中盤はカゼミーロを中心に右にルカ・モドリッチ、左にトニ・クロース、守備陣は右からダニエル・カルバハル、エデル・モリトン、ダビド・アラバ、フェルラン・マンディ、GKはチボー・クルトワである。

■パリサンジェルマンの猛攻に耐えるレアル・マドリッドの守備陣

 試合はホームのパリサンジェルマンの一方的な試合となる。手の内を知った右サイドのハキミとディマリアのコンビネーション、左サイドのヌーノ・メンデスとムバッペの個人技でレアル・マドリッドのゴール前に迫る。しかし、レアル・マドリッドの守備陣、特に守護神のクルトワがゴールを許さない。守勢一方のレアル・マドリッドであったが、前半終了間際にはようやくCKのチャンス、カゼミーロがヘディングでシュートをするが、枠をとらえることができない。
 前半は0-0であったが、今季からアウエーゴール2倍ルールがなくなることも両チームのベンチには頭にある。後半に入りパリサンジェルマンは50分にムバッペが強烈なシュート、これをクルトワが好セーブで防ぐ。パリサンジェルマンは波状攻撃を仕掛けるものの、ゴールが遠い。そのパリサンジェルマンにチャンスが訪れる。レアル・マドリッドの右サイドDFのカルバハルが、マークしていたムバッペのドリブルを止めることができず、倒してしまう。主審はためらわずにPKをパリサンジェルマンに与える。キッカーはこの試合でやや精彩を欠くメッシである。PKを決めれば、ここまでの低調なパフォーマンスも打ち消されるが、メッシがボールを蹴ったその瞬間、クルトワは正しい方向にジャンプ、CKに逃れた。

■ネイマール登場、キリアン・ムバッペの決勝点の起点となる

 ついに72分、ネイマールがピッチに入る。ネイマールは出場早々、好位置で倒され、このFKもメッシがゴールを狙うが外れてしまう。
 長期離脱後とは思えないネイマールが起点となって、決勝点が生まれた。後半のアディショナルタイムの94分、ネイマールはヒールキックでムバッペにパス、ムバッペは2人がマークしていたが、この2人のわずかな間からシュート、攻守を続けてきたクルトワの股間をすり抜けたボールはネットを揺らした。
 パリサンジェルマンが1-0と先勝し、フランス勢は幸先の良いスタートを切ったのである。(この項、終わり)

このページのTOPへ