第3278回 フランス勢の欧州カップ中盤戦(6) パリサンジェルマンとACミランは1勝1敗

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■パリでの試合で先制ゴールを決めたキリアン・ムバッペ

 チャンピオンズリーグの中盤戦でACミラン(イタリア)と対戦するパリサンジェルマン、10月25日に行われた第3節は自信をもって試合に臨んだ。ボール支配率で大きく上回り、試合を支配する。なかなかシュートを放つことができなかったが、ようやく22分にキリアン・ムバッペがチームとして初めてのシュート、ACミランのGKマイク・メニャンにキャッチされる。しかし、これできっかけをつかんだエースは30分にも右足でシュート、そして32分にはウォーレン・ザイール・エメリのパスを受け、ACミランの守備陣のマークを受けながら、グラウンダーでのシュートをニアポストに決める。攻め込みながら、なかなかシュートまでつながらなかったパリサンジェルマンであるが、これで加速した。
 前半は1点どまりであったが、ムバッペとともに攻撃陣を構成したランダル・コロムアニやウスマン・デンベレもACミランのゴールに迫る。

■ランダル・コロムアニ、李康仁のチャンピオンズリーグ初ゴールで完勝

 後半開始時点でACミランは主将のダビデ・カラブリアをベンチに下げる。そして開始早々にデンベレのシュートが決まるが、VARの判定の結果、その前のプレーでウガルテに反則があり、ゴールは取り消しとなる。しかし53分、パリサンジェルマンはCKからデンベレにつなぎ、デンベレのシュートをメニャンがはじいたところをコロムアニがシュート、パリサンジェルマンはリードを2点に広げる。この直後もパリサンジェルマンは波状攻撃をかけ、いつ3点目が入ってもおかしくなかったが、ACミランの守備陣は何とか持ちこたえる。そしてデンベレに代わって出場してきた李康仁は終了直前の89分にザイール・エメリのパスを受けてゴールを決める。コロムアニと李康仁はチャンピオンズリーグでは初ゴールとなり、パリサンジェルマンは3-0でACミランに5試合目で初勝利となったのである。
 グループFのもう1試合はボルシア・ドルトムント(ドイツ)がアウエーでニューカッスル(イングランド)を下す。パリサンジェルマンは勝ち点6で首位に躍り出たのである。

■ミラノの試合でも先制点はパリサンジェルマン

 パリサンジェルマンは国内でも好調でACミランとの2戦の間に行われる国内リーグ2試合でも連勝、リーグ戦4連勝で順位を2位まで上昇させた。ここで一気に首位固めしたいパリサンジェルマンであったが、11月7日は手痛い1敗となった。
 ミラノでの試合もパリサンジェルマンが先手を取る。8分、パリサンジェルマンは右CKをビティーニャが蹴りこむ。ニアで待ち構えていたマルキーニョスは合わせることができなかったが、ファーにいたミラン・シュクリニアルがヘディングで決めて先制、パリサンジェルマンがパスをつなぎ、ボールを支配し、グループの首位と最下位というチーム状態を反映した試合展開となる。

■ラファエル・レオンのオーバーヘッドシュート、オリビエ・ジルーのヘディングシュートで逆転

 ただ、パリでの試合同様、ACミランは少ないチャンスをゴール前までつなげる。12分にラファエル・レオンが持ち込み、オリビエ・ジルーにパス、ジルーのシュートはジャンルイジ・ドンナルンマがセーブするが、このこぼれ球をレオンがオーバーヘッドシュート、アクロバティックなプレーでACミランは同点に追いついた。
 その後も両チームはゴール前でのプレーが多く、観客を沸かせたが、1-1のまま前半を折り返した。
 後半に入ってACミランは右サイドのクリスチャン・プリシッチが左サイドにクロスパス。これをテオ・エルナンデスが折り返してクロス、ここに待っていたのがジルーであった。ジルーが豪快なヘディングシュートを決めて、ACミランが勝ち越す。逆転されたパリサンジェルマンはゴール前のプレーを増やしたが、メニャンの好守、さらに89分には李康仁のシュートがポストをたたくなど、追いつくことができなかった。ACミランが初勝利をあげ、もう1つの試合はボルシア・ドルトムントがニューカッスルにホームでも勝利した。
 この結果、グループFでパリサンジェルマンは勝ち点6の2位となったが、このグループは首位(ボルシア・ドルトムント)の勝ち点が7と8グループの中で最少、最下位(ニューカッスル)の勝ち点が4と最多となる混戦状態である。(続く)

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