第3290回 勝ち残りを決めるフランス勢 (2) レンヌ、トゥールーズ、リールも勝ち残る

 平成23年の東日本大震災、平成28年熊本地震、平成30年7月豪雨、台風15号、19号、令和2年7月豪雨などで被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。また、復興活動に従事されている皆様に敬意を表し、被災地域だけではなくすべての日本の皆様に激励の意を表します。

■イスラエルとハマスの順次衝突の影響を受けたマッカビ・ハイファ

 前回の本連載ではヨーロッパリーグの第5節でマルセイユがアヤックス(オランダ)との点の取り合いを制し、首位をキープ、ブライトン(イングランド)とともに2位以内を確定させたことを紹介したが、マルセイユ同様首位で中盤戦を終えたレンヌも第5戦で勝利し、2位以内を確定している
 レンヌは第5節でマッカビ・ハイファ(イスラエル)と対戦した。マッカビ・ハイファはパレスチナのハマスとイスラエルの軍事衝突を受け、中盤戦では大きな影響を受ける。スペインのビジャレアルと対戦する予定であったが、10月26日に予定されていたアウエーゲームは12月に延期となる。また11月9日のホームゲームはキプロスのラルナカに舞台を移して無観客で行われ、先制したものの終盤に逆転され、1-2と敗れてしまった。1試合消化試合が少ないとはいえ、勝ち点1の最下位である。

■無観客のブダペストでの試合で勝利したレンヌ

 11月30日の第5節はマッカビ・ハイファのホームゲームであったが、ハンガリーのブダペストで無観客で行われた。
 グループFはレンヌが首位で2位がビジャレアルであり、その勝ち点差は3、しかし、ビジャレアルは試合消化が1試合少ない。この日はレンヌが先に試合を行い、ビジャレアルとパナシナイコス(ギリシャ)の試合はその後に行われる。レンヌは勝ち点3を確保し、暫定的に勝ち点差を6としてビジャレアルにプレッシャーを与えたいところである。
 無人のスタジアムでキックオフ直後に攻撃を仕掛けたのは緑のユニフォームのマッカビ・ハイファであった。一方、白と黒のユニフォームのレンヌのファーストシュートは7分、アミン・グイリがペナルティエリアの外から放つがマッカビ・ハイファのGKがセーブする。攻撃のリズムをつかんだレンヌに対し、12分にマッカビ・ハイファの守備陣がペナルティエリア内でレンヌの選手を倒し、VARとなるが、これはPKは与えられなかった。その後も攻め続けたレンヌはマッカビ・ハイファをゴール前にくぎ付けにする。29分にマルタン・テリエがついに先制点を上げる。
 後半に入ってもレンヌはパスをつないで攻め続け、47分にはグイリが追加点をあげ、後半アディショナルタイムの92分にはファビアン・リーデルのゴールで3-0と勝利した。この結果、勝ち点を12に伸ばしたレンヌはその直後に行われた試合で勝利したビジャレアルとともに2位以内を確定し、最終節で首位突破をかけて対決する。

■スコアレスドローに終わったが2位または3位を確定したトゥールーズ

 グループEはリバプール(イングランド)が絶対的な存在であったが、この絶対王者と1勝1敗と健闘したトゥールーズは2位で終盤戦を迎える。第5節はホームでの3位のサン・ジロワーズ(ベルギー)戦である。地元ファンの期待も高く、ラグビーの都トゥールーズの市営競技場にはこの日も3万人以上の観衆が集まる。勝ち点3の欲しいトゥールーズは終始攻め、優位に試合を進めたが、結局、前後半とも得点をあげることができずスコアレスドローとなった。3位のサン・ジロワーズとの勝ち点差は3のままで最終節を迎えるが、トゥールーズは2位または3位を確定し、来年も欧州の舞台で戦うことを確定したのである。

■アウエーで勝利したリールも2位以内を確定

 ヨーロッパカンファレンスリーグに出場しているリールも首位で終盤戦を迎えた。第5節はアウエーでオリンピア・リュブリャナ(スロベニア)と対戦する。リールは15分にレミ・カベラが先制点を奪う。リールのコンディションはよくはないが、なんとか前半を1点リードのままで乗り切った。後半に入っても55分にリールはユスフ・ヤジシが追加点をあげて安全圏に入る。その後もリールは追加点のチャンスはあったが、2-0のまま試合は終わる。リールは首位を守り、勝ち点1差で追うスロバン・ブラチスラバ(スロバキア)とともに2位以内を決めた。
 このようにヨーロッパリーグ、ヨーロッパカンファレンスリーグに出場しているフランス勢4チームは第5節で年明け後も欧州で戦うことを確定したのである。(続く)

 
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