第3436回 新方式のチャンピオンズリーグ開幕(4) リール、スポルティングに敗れる

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■フランス勢で最初に初戦を迎えるリール

 前回の本連載ではチャンピオンズリーグのリーグフェーズの初戦でフランス勢の中では最も期待の高いパリサンジェルマンが欧州カップ初出場のジローナ(スペイン)相手に苦戦しながらも勝ち点3をあげたことを紹介した。
 今回からはそれ以外のフランス勢を紹介しよう。シード順位が高いのはリール、予備戦、プレーオフを経由しての出場であるが、過去の欧州での実績が評価され、第3シードとなった。
 リールはフランス勢の中で最初に初戦を迎え、9月17日にアウエーでスポルティング(ポルトガル)と対戦した。スポルティングもリールと同じ第3シード、アウエーの試合であるが、引き分け以上の結果を残したい。

■リーグ戦では5戦全勝のスポルティング

 スポルティングは昨季のポルトガルリーグで20回目の優勝を果たして、今大会に出場してきた。リーグ戦でもここまで5戦全勝、19得点、2失点と桁違いの内容であり、強豪ポルトにも2-0で勝利している。一方のリールはチャンピオンズリーグは8回目の出場となる。しかし、チャンピオンズリーグプレーオフの第2戦でスラビア・プラハに1-2と敗れてから(2試合通算成績はリールが3-2)、国内リーグではパリサンジェルマン、サンテチエンヌに敗れ、国内外で3連敗中である。
 両チームは2010-11シーズンのヨーロッパリーグのグループリーグで対戦し、2試合ともスポルティングが勝利したが、リールもグループ2位となり、決勝トーナメントに進出している。

■先制点を奪われ、数的不利となったリールは完敗

 試合はチームの勢いの差がそのまま表れた。リールは立ち上がりこそボールを支配したが、次第にホームのスポルティングが試合をコントロールするようになる。そして先制点は40分、リールのゴール前で守備陣がクリアしたボールをスポルティングに拾われ、つながれて最後はビクトール・ギエケレシュが強烈なシュートを決める。またこの直後のキックオフでリールのアンヘル・ゴメスが2枚目のイエローカードを受け、退場となり、リールは残り50分を10人で戦わなくてはならなくなった。
 後半に入っても65分にスポルティングはゼノ・デバストがペナルティエリアの外からシュートを決めて、2-0と勝利、リールは今回もまた初戦に勝利することができなかった。

■31季ぶりにバルセロナと対戦するモナコ

 第4シードとして出場しているのがモナコとブレストである。モナコは欧州でのキャリアは十分であり、チャンピオンズリーグ、カップウィナーズカップで決勝進出したことがあり、UEFAカップでも準決勝に残ったことがある。昨季は欧州カップに出場できなかったが、その前の2季はいずれもチャンピオンズリーグの予備戦あるいはプレーオフで敗れてヨーロッパリーグに転戦し、グループリーグで戦っている。モナコがチャンピオンズリーグの本戦に相当するグループリーグを最後に戦ったのは6季前の2018-19シーズンのことであり、この時は1分5敗で最下位になり、敗退している。モナコがチャンピオンズリーグのグループリーグ以上で勝利をあげたのはさらにその2季前、2017年3月のマンチェスター・シティ(イングランド)戦までさかのぼらなくてはならない。
 そのモナコの初戦の相手は第1シードのバルセロナ(スペイン)である。ホームでいきなり強豪と対戦することになった。
 これまでに欧州カップでモナコがバルセロナと対戦したのは1度だけである。チャンピオンズリーグとなって2年目の1993-94シーズンのことである。この時の大会方式はホームアンドアウエー方式のノックアウト方式で残った8チームが4チームずつのグループに分かれ、ホームアンドアウエー方式で戦い、各グループの1位と2位が準決勝に進出する。モナコとバルセロナはこのグループリーグで対戦し、2試合ともバルセロナが勝利したが、モナコはそれ以外の試合を3勝1敗で乗り切ってグループ2位となり、準決勝に進出した。それ以来31季ぶりの対戦となるのである。(続く)

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